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ピープル 赤ちゃん研究所は、どうして生まれてきたの??誕生の謎に迫る!!

そもそも今回の観察の対象である、「ピープル赤ちゃん研究所」とは一体どんな団体なのか。そして今後はなにを目指しているのか…? 観察者として気になる点は多々あるわけですが、まずは、赤ちゃん研究所の立ち上げメンバーである、こいたさんとひらいさんに、直接インタビューを敢行しました!


赤ちゃん研究所ってどんな集まり?

こいた:ぽこ太郎君、その後元気ですか??もう大きくなってますよね。見たい。向きぐせ、どうなってますか?

かの:間もなく6カ月になるんですが、向きぐせはそのままなんですよ~。

こいた:かわいい!!いいですねーー。

かの:えっ!!…ありがとうございます。

(ぽこ太郎の向き癖、今まで「なおした方がいいよ」と言われ続けていて、自分でも不安だったんだけれども、「かわいい」といわれたのははじめてだ…と呆気にとられつつ、まんざらでもない気分に)


向きぐせもかわいい。

かの:…えっと(気をとりなおして)、取材に入りますね。そもそも、赤ちゃん研究所はどんなあつまりで、どのような経緯で生まれたのでしょうか?

こいた: 赤ちゃん研究所は、ピープルの社員5人のメンバーが「赤ちゃん観察メソッド」を広く世の中に発信するために設立した、社内研究所です。2022年8月頃、ピープルの「P-1グランプリ」という新規事業のアイデアを発表するイベントがきっかけとなり、スタートしました。

ピープルには、昔から大事にしている「こどもモニター」という制度があります。毎年100~200名程度のお子さんと親御さんに、1年間の期間限定でモニター登録していただくというもので、お子さんが遊ぶ様子を観察させていただいたり、電話やメールでアンケートに答えていただき、ピープルのおもちゃ開発のヒントをいただく、とても大切な文化です。

このモニター制度をとおしてピープル社員がお子さんに直接触れて、しっかり見ている、というのはすごく良いことなのですが、わたしたちはそこから得られたさまざまな知見やストーリーを、うまく表に出せていなかったんですよね。

お子さんたちとのやりとりが商品化につながれば、いただいた知見を世の中に還元することができるのですが、その多くが世に出ず埋もれたままでいるということも、ずっともったいないことだと感じていました。

そんなことを考えていたタイミングで、新規事業立ち上げの話が持ち上がったんです。同じころにコロナが流行し、ほかのママさんと話せない、ほかのお子さんとあまり接点がないという親御さんが増えてきました。

このころ、ネット上などに出てくる子育て情報は育児のお悩みにまつわるものばかりとも感じていました。

むしろピープルが持っているたくさんの「これおもしろい!」という情報こそどんどん発信して皆さんと共有したほうがいいのではないか?という願いが、赤ちゃん研究所発足の背景にあります。

赤ちゃん観察ってどんなもの?

かの:そもそも赤ちゃん観察とはどんなものなのでしょうか?

こいた:私たちは3つの観察メソッドを持っています。

1「いつも赤ちゃんから」
2「まるっと全肯定」
3「もしかしたらを楽しむ」

ほかの赤ちゃんの様子や、ネット上のいろんな情報など、気になることはたくさんあるけれど、正解は目の前にいる赤ちゃんがもっていると考えて、赤ちゃんを全肯定で受け止める。

ありのままの赤ちゃんの姿を観察して、「これってこうなんじゃない?」「もしかしてこのためにやってる?」と考えることで次の気づきが生まれるし、すごく楽しめるものだよねというものです。

かの:アウトプットはどうしているんですか?メモをとるとか絵に描くとか?

こいた:アウトプットの方法は決まっていなくて、人によって違います。

私の場合は「めちゃめちゃ人にしゃべる」です。「今日の赤ちゃん観察でこんなことがあったよ」と人に話すと、いろんな人がいろんなポイントでおもしろがってくれるんですよね。そのおもしろがりを、まるで自分が気づいたかのようにして自分の中でメモをとっています。

ひらい:先日、こいたの1歳のお子さんが会社に来たときに、社内にあるもので遊んでもらったんです。私は、その様子を動画に収めてじっくり眺めて「この行動が面白い、気になる」と考えたり、社内で面白がってくれそうな人に共有したりしています。

おもしろかったら誰かに伝えたいし、共有したくなる。アウトプットの方法はメンバーそれぞれで違っても、最後には共有して一緒におもしろがるんですよね。

かの:企業からの一方的な情報発信ではなく、同じ目線で共有してもらえるのは本当にありがたいですね。私もぽこ太郎という0歳児を育児中なので、そういう視線からの共有には、救われた気持ちになります。

こいた:ピープルには、みんなが同じ目線で子供を見るという文化が根付いているんです。私の子供を会社に連れてきたとき、オムツ姿でウロウロしているところにみんな手を出してタッチしてくれたり、ダンボールをユサユサ動かしているところに誰かが来て「入りたいの?」って聞いてくれたりとか。

かの:言葉の選び方は難しいのですが…珍獣奇獣のオンパレードでいろんな生き物がいて、ジャングルみたいな会社ですね。

こいた:本当にジャングルです(笑)。絶妙なバランスで生態系が成り立っているんですよね。

かの:生態系が成り立っている理由は何だと思われますか。

こいた:やっぱり社員の赤ちゃん観察力によるものだと思います。

赤ちゃんという得体が知れなさすぎる生き物を全肯定で受け入れて、観察して楽しめる。その観察メソッドが赤ちゃんに限らず誰に向けても発動しているから、どんな珍獣もまるごと受け入れられるのだと思います。

赤ちゃん。その得体が知れなさすぎる生き物を全肯定で受け入れる

活動の中心、「赤ちゃんをあじわうワークショップ」

かの:赤ちゃん研究所では、具体的にはどのような活動をしているんですか。

こいた:赤ちゃん研究所発足以来、InstagramやWebへの観察結果のアップなどトライ&エラーを続けてきました。

Instagram 👉 https://www.instagram.com/akachan_museum_people/
Web 👉 https://akachan-ken.com/

そのなかでも、赤ちゃんや親御さんと根源的に繋がれて得るものが多いと感じているのはやはり「ワークショップ」ですね。

ワークショップは月に1回、数組の赤ちゃんと親御さんにご参加いただいて、赤ちゃんの気持ちに寄り添ってもらい、赤ちゃんの好奇心を見つけていただく機会です。

赤ちゃんには「すきすきモビール」と「あじわうボックス」というグッズをご用意して、好奇心のままに過ごしてもらいます。

すきすきモビール

「すきすきモビール」には、キラキラしたものや人の顔などいろんなものがぶら下がっていて、どんな赤ちゃんも一つは好きなものが見つかるようになっています。

「あじわうボックス」は、赤ちゃんのあらゆる好奇心に寄り添えるようなボックスで、現在21箱あります。

あじわうボックス。これは「くるくる」のボックス

たとえば「みえみえ」の箱には、透明で赤ちゃんが舐めたくなる素材や形状のものばかりが入っています。赤ちゃんはいろんな舐め心地を楽しめるし、舐めていると口の中がよく見えて、お母さんは「めっちゃベロ動いてる!」「歯が生えてる!」と、多くの気づきがあります。

他にもいろんな手触りの紐がたくさん入っている箱、いろんな音がするものが入っている箱もあります。

まずは「すきすきモビール」でお子さんが好きそうなものを親御さんに気づいてもらい、その後に好きなボックスで遊んでいただくことで、親御さんの気づきをより深めたり赤ちゃんの好奇心をより広げるという流れになっています。

赤ちゃん観察を通じてイノベーションを起こすきっかけを

かの:赤ちゃん研究所の今後の展望を教えてください。

こいた:ワークショップをもっと開かれたものにしていきたいです。赤ちゃんは毎年80万人ほど生まれてくるわけで、ピープルだけでやっているのでは全く追いつかないので。

ワークショップのほかにも、多くの方々や団体が赤ちゃん観察を継続して体験できる機会を作っていきたいです。

同じ考えのもとで活動していただける方が増えれば、赤ちゃんをまるごと肯定できる社会がもっと広がっていくと思います。

かの:赤ちゃんを丸ごと肯定できる社会というのは、大人が自分たちのありかたも肯定できる社会につながるような気がします。

ひらい:赤ちゃんを観察することで、人間の本質的な欲求や原体験に立ち帰ることができると感じていますし、それが新たなイノベーションを起こすきっかけにもなると思うんです。

イノベーションといえば、赤ちゃん研究所では以前ハッカソンに参加したことがあって、それがきっかけとなって、学生エンジニアさんとチームを組んで最新技術を使った赤ちゃんのコンテンツ作りに取り組んだりもしています。

最新技術を使って、赤ちゃん向けのコンテンツ作りにも取り組んでいます

彼は今まで赤ちゃんと接した経験がなく、はじめは赤ちゃんが何を考えているのかよくわからなかったそうです。ところが観察を重ねるごとに自然と赤ちゃんの気持ちを汲み取ろうとするようになり、今までになかった視点を得られたと話していました。

また、エンジニアとして何か新しいものを試したいとき、ユーザーはなかなか本音で感想を言ってくれないけれど、赤ちゃんはなんの忖度もなく応じてくれるからすごくためになるとも言っていました。彼が得たような気づきを、他の企業さんにもぜひ体験してほしいと思います。

かの:一般の方向けだけでなく、企業向けの活動も展開しているそうですね。

こいた:はい。新規事業を考えている企業さんからご相談をいただくこともあります。それまでBtoBの事業だけをしていたのだけれども、ファミリー層やお子さんをターゲットにしたBtoCビジネスを展開するにあたり、自社の技術を使って何ができるだろうかといったご相談が多いですね。

皆さんはじめは新たな収入源を作りたいというお話でこられますが、赤ちゃん研究所やワークショップの話をすると視点が切り替わるのか、「そういう視点でのモノづくりって面白いね、体験してみたい」といってくださいます。

ピープルには特別な技術はありませんが、赤ちゃん観察という今までにない体験はご提供できます。企業さんにはプロトタイプや試作品や素材など、赤ちゃんの好奇心を発見できるようなものをお持ちいただいて、赤ちゃんの反応を一緒に見ていただきます。

実際に観察してみると、ネットで集めてきた赤ちゃんの情報をより深められたり、全く違う視点を発見できたりして、事業を一歩進めるヒントを見つけられることもあります。

赤ちゃんと企業をつなぐイベント!?開催決定!

かの:赤ちゃん研究所の活動の集大成として、イベント開催を予定されていると伺いました。どのようなイベントになるのでしょうか?

こいた:10月9、10日に二子玉川ライズ スタジオ & ホールで赤ちゃんイベントを開催します。

赤ちゃんには、好奇心のまま自由に行動してほしいので、細かいブース分けなどはせずに、大きく動ける場を作ろうと考えています。ありのままに動ける場所で企業の方と赤ちゃんと親御さんがつながったとき、どんな面白い化学変化が起こるのか楽しみですね。

赤ちゃん研究所が社会と赤ちゃんをつなぐ役割を果たせるイベントにすべく、鋭意準備を進めているところです。

かの:赤ちゃんと企業…。聞いている側も好奇心がそそられるイベントですね…。うちのぽこ太郎もつれていきます!楽しみにしています!!!

ところで、次は御社の社長さんに、赤ちゃん研究所をどう見ているのか、聞いてみようと思っているんです。今後赤ちゃん研究所をどういうふうにしていきたいか、というような話を、社長さんに伺えればと。

こいた:それはめっちゃ知りたいですね!
社長が私たちのことをどう思ってるのか。
すごい放置なんですよ。まったく放置で(笑)。

かの:了解です!聞いてきてみますね。


【取材を終えて】ゆるい集まりかな、と感じていた赤ちゃん研究所さんでしたが、お話を聞いてみると、しっかりとした骨太の信念のもと運営されていることがよくわかったインタビューでした。さて、次は社長さんへのインタビューです。「珍獣奇獣のオンパレード」のピープル社を統括する社長は、いったいどんな人なのか…!?お楽しみに!

(インタビュー:プレーンテキスト かの、構成:プレーンテキスト まくだ)


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