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スワートで国内最古の後陣式の仏教寺院が発見される

2021年12月20日にDawnに掲載された、Fazal Khaliq氏の記事(以下は原文の日本語訳)

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考古学者がスワートのBarikot tehsil、Baziraで、パキスタン最古の後陣式の仏教寺院を発見しました。

この遺跡は、Ca’ Foscari大学の考古学者とイタリア考古学使節団が、州の考古学・博物館部門と共同で発見しました。

Andreas Ferrarese駐パキスタンイタリア大使はDawnに対し、「新しい発見がイタリアの考古学者によってもなされたことに興奮しています」と述べました。

大使は、「パキスタンの考古学とイタリアの考古学の間に共通点を見出すことができたのは、とても印象的でした。これは、古代においてさえ、人々がある種の技術や文化や宗教の考え方を交わす、一種のグローバリゼーションがあったことを示すもので、驚くべきことです。過去を探求すれば探求するほど、共にある未来が見えてきます。」と言いました。

イタリアの使節団のディレクターであるLuca M Olivieri教授によると、仏教の神聖な建造物の創建は、マウリヤ朝時代、つまり紀元前3世紀と推定されます。

イタリアの使節団のディレクター、Luca M Olivieri 教授によると、
この神聖な建造物はマウリヤ朝時代に遡るといいます。

その後、紀元前2世紀に大規模な改築が行われました。

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写真:考古学者たちがスワートで最古の後陣式の寺院を発見―Fazal Khalid

アレキサンダー大王の時代から知られていたBaziraの街にギリシャ人がやってきて要塞化したところ、マウリヤ朝のアショーカの時代に建設された現存の建造物を発見したのです。

その後、2世紀半ばにメナンドロス王が統治してからは、3〜4世紀まで何世紀にもわたって強化され、機能を維持しましたが、Kushanの都市Baziraが地震で壊滅し、やがて見捨てられました。

「これは、ガンダーラにおける仏教建築の新しい形を証明するものであり、驚くほど重要な発見です。都市にある後陣式の寺院は、タキシラのSirkapに1例あるのみです。」

「しかし、Baziraの後陣式の寺院は、今のところ、パキスタンにおけるこの建築の最古の例です」とLuca教授は言いました。

教授は、この新しい発見は、スワートに3世紀から仏教徒がいたことを証明するものであり、画期的なものであると述べました。

また、インド・ギリシャの支配者メナンドロスとその後継者が仏教を支持していたという主張も確認されました。

考古学者たちは、保存状態のよい高さ4メートルの後陣式の寺院遺跡を発掘しただけでなく、古代都市のメインストリートの一つを発掘し、最終的に都市の門の一つを発見しました。

同じくイタリアの考古学者であるMichele Minardi博士は、「メナンドロス王が発行した銀貨をはじめとする硬貨、ギリシャの衣装をまとった若者の像とカローシュティー語の銘文が描かれたヘレニズム時代の陰刻文が施されたオニキス製の印章、カローシュティー語の碑文、その他多くのカローシュティー文字が刻まれた壺、魚皿やアッティカ様式を模倣した黒陶などインド・ギリシャ文化圏に属する壺類も発見されています」と述べています。

この遺跡は、2008年から2010年にかけて違法な発掘者によって略奪されました。もし略奪がなければ、科学的な成果はさらに重要なものになっただろう、と考古学者たちは言っています。

考古学ディレクターのAbdul Samad Khan博士は、この新しい発見はさまざまな意味で重要であり、特にガンダーラ時代の宗教的調和、寛容、多文化主義に関連していると語っています。

「州全体とスワートには、考古学的な宝が豊富にあります。これまでのところ、考古学者は5パーセントの遺跡しか調査しておらず、残りの95パーセントはまだ未調査です」と、教授はDawnに話しました。


写真:スワートで新たに発見された最古の後陣式の寺院の空撮写真―Fazal Khalid

写真:―Dawn

Translated from:
https://www.dawn.com/news/1664783


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