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充実したセカンドライフに向けて   健康づくり ~ 予防医療編 ~

健康づくりは、本来自己責任のはず

いま日本では、少子高齢化の進展により社会補償費が急増しています。
医療介護費の増加に伴い、減少傾向が続く「働き世代」の社会保険料の負担は逆にうなぎ登りです。

確かに、高齢化が進むと身体の衰えとともに、必然的に医療介護費が増えていきます。日本は世界有数の長寿国であり、今後とも平均寿命は確実に伸びていきます。

現状では働き盛りが減る一方で、高齢者が増え続けているため、医療介護費の急激な増加が止まらないという負のスパイラルに陥っています。

こうした負のスパイラルを抑制し、健康づくりの第一歩となる予防医療について、考えてみることにします。

【 予防医療について 】


日本では、労働安全衛生法により年に1度の定期健康診断が各事業者や企業で実施されています。加えて、有害業務従事者には半年に1度の特殊健康診断が行われています。
近年では、長時間労働者のための面接指導や心理的な負担を把握するためのストレスチェックが事業者に義務付けられるようになってきました。

以上の点を踏まえ、①定期健康診断 ②特定健診 ③人間ドッグについて、自己責任の視点から考察していきます。

① 定期健康診断(定期健診)

厚労省によると、50人以上の事業所では100%近く実施されており、従業員数が少なくなるにつれ実施率が少なくなっていきます。
企業平均の実施率は80%台の後半で、受診率は80%台の前半となっています。

定期健診は法律で定められた制度で、企業間の温度差はあれ、ほぼ強制的に年1回以上実施され、企業の多くの方が受診しています。
しかし、一部の方は受診されていないため、その効果などに疑問を持っている方も一定数いることは確かです。

一方、海外では自発的な意志がなければ、健康診断や予防接種を受けることはしません。健康管理は、自己責任という考え方が定着しています。予防から治療に至るまで、自分の健康は自分で守るという自覚をもつことが大切になります。

これは、保険制度の違いによるものが大きいと思われます。日本では、国民皆保険制度により、患者の医療費負担は3割以内で済みます。
海外では一部の国を除き、原則全額自費で患者の医療費負担が大きく、多くの人が医療保険をかけています。
米国でも前オバマ大統領がオバマケアといわれる国民皆保険に似た制度を作りましたが、保険料が高すぎる問題などで、十分機能していない状況です。

日本では国民皆保険が機能しているため、海外に比べ自己責任という意識は低い一方、手厚い保険制度や健康診断が平均寿命の延伸に繋がっているかもしれません。

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② 特定健診

日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、40歳から74歳までの方を対象に、メタボリックシンドロームに着目した特定健診を行っています。
一般の健診に加え、肝機能・脂質・糖尿病・心電図検査等を行うことになります。異常があった場合には、二次健診や特定保健指導が行われます。

ア.特定保健指導

特定健診や二次健診の結果から、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が期待できる方に対して、専門スタッフが生活習慣を見直すサポートをします。

しかし、指導件数は残念ながら対象件数の10数パーセント程度で推移しています。健康管理は自己責任という視点からすると妥当な数値ともいえます。

加えて、インターネットなどにより様々な情報が得られる今日では、あえて専門スタッフの指導を受ける必要がないと考える人が多いのではないかと思えてなりません。

イ.がん検診

がん検診など特定健診以外の検診は、自治体が実施主体となります。
対象者は、肺・胃・大腸がん検診は40歳以上で、子宮頸がん検診は20歳以上、乳がん検診は30歳以上あるいは40歳以上を対象とした自治体がほとんどとなります。

一方、企業の委託健診では、特定健診に合わせ肺のレントゲンや大腸がん検診を行い、別途胃がんや乳がん検診などを独自に委託して行っている企業も多くなっています。

因みにがん検診の受診率は海外に比べ低いのが現状で、下図のとおり40数パーセント程度で推移しています。

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海外での健康管理は、自己責任という考え方が定着しており、もしがんになると原則全額自費負担となるため、日本に比べ検診率が高くなるのも当然な結果であるともいえます。

③ 人間ドッグ

人間ドッグは、特定健診やがん検診などをより詳細に検査するものです。
このドッグには、一般的な人間ドッグの他に、PET検診をはじめ、脳ドッグや大腸ドッグなどの臓器に特化したものがあります。

費用は保険対象にならないため、原則全額自費負担になりますが、一部補助を行う企業や自治体が比較的多くなってきています。

その費用は医療機関によって異なりますが、最低でも3万~8万円程度、PET検診は10万~20万円程度までと幅広くなっています。
なかには、富裕層向けには20万円以上の健診専門施設もあり、外国の方の利用も多くなっています。
日本の人間ドッグは、検査技術、医療施設ともに世界トップレベルであるため、中国人の富裕層をはじめ、アメリカ人、ヨーロッパ人の受診者が特に増えています。

人間ドッグの利用者は健康意識も高く、自己責任において健康を管理していくいうプライドを持っているものと考えています。

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日本は、海外に比べると健康管理は自己責任であるという意識は希薄になりがちです。自己責任という視点から考えると、① < ② < ③となり、③の人間ドック受診者が最も健康意識が高いものと推測されます。

私はというと、20代は当然ながら健康意識は薄く、年齢を重ねるにつれて高くなっていきました。
50代以降は、親の介護もあったため健康づくりには特に熱心でしたが、健診では血圧やコレステロール値が高い傾向にあり、今でも血圧は残念な結果が続いています。

以上が、健康づくりの第一歩となる予防医療の概要と所感をまとめたものになります。

今後は、健康づくり「運動編」「食事編」などへと話を展開していきますので、よろしくお願いします。





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