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今野書店フェア日記#1 3/3

今日3月3日(水)から東京・西荻窪の今野書店にて、竹田の仕事にスポットを当てたブックフェアが始まりました。

フェアのタイトルは<編集者 竹田純の仕事と周辺>。

今野書店は自分にとっての本の聖地のひとつ。ドがつくくらいペーペー編集者のフェアが開かれるなんて客観的に見て20年も30年も早いんじゃないのとは思います。ただ、せっかく今野書店の花本武さんにお声がけいただいたのだし、受けるしかないんだぜ!ということでお受けしました……!


概要は上記ツイートにあるのですが、ここにも貼っておきます。

西荻窪駅そばの今野書店さんにて、わたし、竹田の仕事にスポットを当てたフェア〈編集者 竹田純の仕事と周辺〉が今日からスタートしました。
担当書20点と、「俺が編集したかった!」というテーマで15点選書しました。3月末まで。今野書店に来たひとだけが見れる特典は以下です。

①担当書+「俺が編集したかった本」計35点への竹田コメント、フェアに寄せた竹田の文章、『ベートーヴェン捏造』のかげはら史帆さんによる寄稿が掲載の冊子(前コメント写真)
②『パリのすてきなおじさん』の金井真紀さんのイラスト
③『だから私はメイクする』のkamochicさんのイラスト
④『日本のヤバい女の子』のはらだ有彩さんのイラスト
※②③④のイラストはすべて竹田の似顔絵イラストで、なんと書き下ろしです…!
⑤竹田の私物(本やポップのラフを書いたノート、記者時代に書いた記事ファイル、取り上げてもらった記録、学生時代のノート、前々職時代に作った同人誌、アルバム)

今回のフェアは、自分を愛するように本と家族を愛する今野書店の花本武さんに機会をいただきました。花本さんの「編集したかった本!」のリクエストには痛いところを突かれましたが、本気で書きました。
自分にとっては一生に一回の機会かと思います。ぜひ、今野書店でお買い物してください…!

できるだけフェアの期間はお店に行こうと思っています。どういう方法で居られるのかは検討中ですが、昼は近所のモスバーガー待機(訪問時は必ずご注文を!)。夜間帯は、店内に「竹田出張編集室」を展開することになるかもしれません。決まったらTwitterなどでお知らせします。

で、お店サイドの人間としてきょう一時間ほど書店に居ました。
すっごく楽しかったです。せっかくなので、日記のような記録をお店に行った日はできるかぎりつけていこうと思います。

3月3日(水)
朝、花本さんからメールで「きょうから始められるかも」とのことだったので、17時くらいに今野書店へ。
売り場の花本さんに声をかけたらビックリされる。「まさか手伝いに来たの?」。本当は棚ができてるかも?と思っていたのだけど、「できたらまた見に来ますね」などと言えるはずもなく「当たり前じゃないですか」と答えてお手伝いすることに。カッコつけてしまう癖がある。
出版社によっては「書店研修」などの名前で、出版社の社員が書店で業務を体験することがある、と聞いたことがある。「書店研修」には縁がなかったし、学生時代にも書店で働いた経験はない。だから書店サイドの人として見聞きする書店の様子がすごく新鮮。
「竹田フェア」を花本さんと展開する作業。フェア台はお店入ってまっすぐ進みレジ前を通り過ぎ、最初の突き当りのいわゆるエンド台。すごくいい場所。ヤバイ。まずは前回のフェアの本を片付けていく。「ユリイカvs文藝別冊」フェア。すごく面白そう。今野書店のツイートによると、文藝別冊が逃げ切ったらしい。このフェアよりも売れたらいいな、と図々しく考える。
フェア台にあったムックや雑誌を段ボールに片付けていく。入れるときは裏表紙(表4)が上を向くようにしていくんだと教えてもらう。
おおむねフェア台がまっさらに。次は、竹田フェアの陳列。花本さんが、竹田の担当書と選書「俺が編集したかった本!」をならべてくれる。なんたる光栄。とりあえず、右側に竹田担当の本。左側に「編集したかった本」を並べることに。途中で変えたりすることもあるらしい。本の判型や向きに合わせて鮮やかに展開してくださった(書影が横向きの『東京、コロナ禍。』や『kaze no tanbun 移動図書館の子供たち』は横向きに。うれしい!)。台の隅には、花本さん制作のフェア冊子。A4を四つ折りしたものでかわいい。
竹田は、フェアの看板、冊子のプリントアウトを花本さんが事前にパウチしてくださったもの、そして竹田の私物(ノートやスクラップブック、アルバム)を、エンド台上部の面出しできる部分(ここを何と呼ぶのか明日教えてもらおう)に並べる作業。透明の養生テープを輪っかにして両面状態にして、フェア看板、イラストの順で貼っていく。kamochicさんのイラストはかわいいし、金井真紀さんのイラストはかわいいし本質を突いてくる。はらだ有彩さんのイラストの自分は涼しい顔。三者三様で、おかげさまで目立っている気がする。
次に、ノートやファイル、同人誌などの私物を並べてみる。一応、事前に付箋を貼って中身が何なのかわかるようにしておいたのだが、実際に並べると付箋を貼った位置が低すぎたので上部に貼りなおした。すこし空間があまったので、花本さんのアイデアで、アルバムの中にあった写真を何枚か貼り付けた。
ものすごく自己主張の強い感じのビジュアルに仕上がり、不安だけど花本さんは「いい棚だね~」と言ってくれるのでたぶん大丈夫。(写真は竹田が担当したエンド台上部)

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花本さんとは、選書の中にも入っていた上間陽子さんの『海をあげる』が、Bunkamuraドゥマゴ文学賞を獲ったことを話した。いい本だからうれしいですね。いやあいいよねえ。と、作業しているからそんなに難しいことは言えないのがなんだかよかった。
フェア台に、クリア素材の高さのある台がほしいね、という話も出た。「ミニ四駆の立体交差みたいなやつですよね。」と言ったら、「たとえが古いよ」と突っ込まれたりもした。
作業中、とおして花本さんやほかの書店員さんらはお客さんに本の場所を尋ねられたり電話を受けたりして実に忙しそうだった。驚いたのはレジで花本さんが本を買ったお客さんに「この作家の本はほんとうにおもしろいですよね」と自然に声かけをしていたこと。すごい。

棚がひとまずできたので、告知用に写真を撮る。花本さんと、今後のことを確認し、店長さんと少しお話しして今日は一区切り。

帰る前に書店をぐるっと回って、欲しかったカズオ・イシグロ『クララとお日さま』、田口俊樹『日々翻訳ざんげ』、伊藤亜紗『記憶する体』『目の見えない人は世界をどう見ているのか』を購入。(朝日出版社の橋本さんは、営業先の書店で本を買うことを「レジ打ちしてもらう」と書くのがかっこいい)。

(おわり)

「おごってもらったときは大きな声で御礼を言う」がモットー。いただいたお金はありがたく生活費として使わせていただきます。間接的に奨学金の返済にも充てられることになると思います。