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今野書店フェア日記#2 3/4

今日は夕方頃会社からお店へ向かう。

中央線で『東京、コロナ禍。』の初沢亜利さんからLINE。一人でもう見てくれたらしい。昨日開始なのに行動が早い。棚の写真を送ってくれた。

筑摩書房の柴山さんもTwitterで、フェアの写真をアップしてくれていた。ありがたい。柴山さん編集の『海をあげる』は、今野書店で開催中の別のフェア「2020年 わたしが本当に売りたかった本」で選ばれている。自分も「俺が編集したかった!」本に選んでいた。いい本は何度選ばれてもいい。後で連絡したら『ベートーヴェン捏造』を買ってくれたらしい。うれしい。

今野書店につきフェア台を一度見てから(心なしか減ってる?)、斜向かいのモスバーガーへ。弟と、従兄が先に来て待ってくれていた。11歳上の従兄は西荻窪に10年以上住んでいて、「近所だから」来てくれた。5年前の祖父の葬式以来。お坊さんだった祖父の葬儀はお坊さんが7人くらいがあつまる豪華な葬儀で、ホールに響く大音声はレイヴ感があった。レイヴ行ったことないけど。30分くらい親族で話して写真を撮って解散。弟は『美容は自尊心の筋トレ』、従兄は『タイムトラベル 時間の歴史を物語る』を買ってくれていた。

18時ごろ、ようやくお店に。店長に挨拶。きょうは花本さんはお休み。店長に一つ相談を持ち掛け、それは明日あらためて決めることに。店長のすすめできょうはPOPをつくる。場所はレジ横。今日の定位置はここ。確かにPOPのないフェア台はなんとなく寂しい。でも、今野書店でPOPつくるってプレッシャーがすごくないか。

とりあえず書いてみるが、花本さんが書くように情熱にあふれ、かつ収まりよくはいかない。うんうん悩みながら店長にいろいろ教えてもらった。書店研修は入社一年後が望ましいと思うこと。2週間くらいは期間をとってほしいこと。雑誌の発売日について。業界の構造的な話。既存の仕組みを受け入れるだけでなく、声を上げていきたいということ。何も知らないでこの業界にいたなという気持ちになる。

竹書房の水上志郎さんが立ち寄ってくれた。以前、『kaze no tanbun 特別ではない一日』収録の岸本佐知子さんの短編「年金生活」を収録した、大森望さん編集の『ベストSF2020』で連絡をいただいた。直接会うのは今日が初めて。

竹上さんとミステリの話、実話怪談の話、企画の立て方や装丁の話など思いのほか話し込んでしまった。『カンマの女王』『kaze no tanbun 移動図書館の子供たち』を買ってくれた。頭が上がらない。

フェア台で本をじっと読んでいる人がいて、話しかけようかとおもったけど熱心に見ているようで迷って話しかけられなかった。「僕が編集したんです」をさらりと言える気がしない。こういうとき花本さんなら軽やかに話しかけられそう。そのお客さんはすぐには買わずにその場を去ったが、ちょっと場を離れている最中に購入してくれていたらしい。うれしい。贅沢を言えば買ってくれるところを見たかった。

以前仕事でお世話になった方もきてくれた。近くに住んでいるらしい。西荻、住んでる人がさすがに多い。近くにこんな書店があったらどんなにいいかと思う。

あっという間に閉店間際になる。POPはなんだか作りすぎてしまった気がするし、もっと丁寧に書けばよかった気がするし、文言はもっとシャープなのが書ければよかった、と悔いは尽きないが、書店は時間通りに閉まる。校了を延ばしたりはできない。

目の前で本が売れていくのは楽しい。見てない間にも本が減ってるのもうれしい。2点くらいは明日追加で持ってきた方がいいかもしれない。

お店を占めるアルバイトの方にさよならを言って帰宅。

かえりしな、会社メールを確認したら歌人の瀬戸夏子さんから、フェアに寄せる文章が届いていた。瀬戸さんには、「そしてあなたたちはいなくなった」という連載を会社公式noteでしてもらっていて、今日の打ち合わせでフェアのことを話したら「竹田の通信簿」を書いてくれることになった。原稿はほんとうにすてきで、まさに通信簿だった。花本さんに相談したら、無料配布の冊子に入れてもらえそうだ。

「おごってもらったときは大きな声で御礼を言う」がモットー。いただいたお金はありがたく生活費として使わせていただきます。間接的に奨学金の返済にも充てられることになると思います。