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ENSの運営がDAO化されることの意義 ー トークンエコノミーにより世界がアクティブになる

ENSの運営がDAO化されることが決まりました。
11月2日に、ENS運営より公式アナウンスがありました。

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今回の記事では、「ENSがDAO化」というニュースの概要と意義について解説します。

「ENSのDAO化」を通して、今後あらゆるサービスのあり方の変革を見通せるようになります。

まだENSを持っていない人や、NFTから初めてブロックチェーンに触れた人でもよくわかるよう、やさしく解説しますので安心して読み進めて下さい。

※ENS(イーサリアムネームサービス)とは、何なのか?については、前回の記事で解説していますので、先にそちらを読んで下さい。

ENSは、DNSと似ている

ENSとは、ブロックチェーン上のドメイン名のような仕組みで、NFT技術も活用されています。

イーサリアムアドレスは「0x」から始まる42文字の英数字の羅列。暗記不能です。

0x961xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxd2C9902

こんなやつです。

この数字は覚えにくいし間違えやすいので、「paji.eth」のように短い文字にしたいよね、というところから、ENSというプロジェクトは始まりました。

人間が覚えやすく視認性がいいので、暗号資産やNFTの送付もラクになります。

URLとIPアドレスの関係
実は、インターネットのDNSと同じような仕組みなんですね。
知らない人もいるかもしれませんが、
http://google.com の、本当の姿は IPアドレスなのです。
142.250.206.228
とアドレスバーに打ち込んでみてください。
googleのページに飛びます。
あらゆるウェブサイトの本当のアドレスは、実はIPアドレスです。
人間が覚えやすいように、覚えやすいドメインと紐づけをしているのです。

インターネットのIPアドレスも、
イーサリアムネットのウォレットドレスも、
機械にとって都合のいい文字列なわけです。

人間には覚えられないし見にくいし、使いづらいんですね。

そこで、DNSでドメイン名を購入することで、http://google.com のような覚えやすいドメイン名を取得することができるのですね。

ENSでも、その仕組みは同じです。

ブロックチェーンの世界では、この「XXXX.eth」のようなENSが数年前から実現されてきていて、こちらのサイト「 https://ens.domains/ja/ 」でENSをETHで購入することができました。

ENSは、イーサリアム財団から派生して生まれたサービスで、メタマスクやUniswapといった大手サービスも対応しています。

DAO化してトークンを配布することの意味

ENSというサービスがどんなものか、ザックリ理解して頂けたかと思います。

今回ENS運営から発表のあったニュースは、

・ENSの運営自体をDAO(自律分散型組織)へと進化させることにした
・DAO化するために、ENS取得済みの人に向けたガバナンス・トークン($ENS)を配布することを決定した

という内容でした。

これらはいったいどういうことなのか?

順番に説明します。

DAOとは何か?

そもそも、DAOとは何なのでしょうか?

DAOとは、「自律分散型組織」のことをいいます。

つまり、中央管理者がいないコミュニティ型の運営手法のことです。

実は、イーサリアムの開発自体もDAOで行われています。

特徴として、サービスの行く末を決める大事な決定を「投票」で行います。その投票権が「ガバナンス・トークン」によって与えられるのです。

資金の流れも全てブロックチェーン上にオープンに記録されるため、完全な透明性を担保できるほか、報酬の配分なども貢献度に応じてトラストレスに全自動化出来ます。

これらは、NFTxDeFiの領域になってきます。

この仕組み、どこかで見覚えがありませんか?

そう。見方を変えると、

株式会社における「議決権付き株式(=一般的な株式)」と同じような仕組みです。

株式の合計金額が、会社の時価総額になるようなイメージですね。

ただし、株式会社と違って法的な制約が少ないため、上手に運用がなされないと、重要な決議ができなかったりするリスクもあります。

ガバナンス・トークンの配布はいつ?

もう始まっています。
公式サイトには、2022年5月4日までに請求を行わなければならないと記載されています。
請求に応じて、トークンが配布されます。
請求をしなければトークンは配布されないので、トークンが欲しい人は期日までに請求しましょう。

トークンの配布量は、加入期間+未来の契約期間に応じて支給されるようです。
かねりんの場合、ENSを取得して間が無いですが10年契約していて、375ENS受け取りました。
執筆時現在(11/10)の価格だと 1ENS=5400円 なので、215万円ぶんです。

このトークン($ENS)が今後、市場でどのくらいの価値になっていくのかは不透明ですが、分散型取引所(DEX)で売買することができます。

関連CoinMarketCap(ENS)

関連記事$ENSトークン配布に関する詳細

トークンに価値がつくのも面白いのですが・・・。
ENSを所有していただけで、ENSの今後の行く末を決めるいわば「選挙」の「投票」ができるのが面白いですよね。DAOならではです。

ちなみに、過去にUniswapという分散型取引所(DEX)において、

サービスを利用していただけで、1人200万円ほどの価値を持つガバナンス・トークンが配布されたことがありました。

$ENSにも金銭的リターンを期待する人も多いので、Twitter上では嬉しい悲鳴が聞こえますね。

Amazonに置き換えて考えてみる

私は、こうした事象は総じて「人類の新しいチャレンジをより加速させる仕組み」として、今後当たり前のマーケティング手法になっていくと考えています。

今となっては、Amazonでものを買うことに抵抗感のある人は少数派です。

しかし、インターネットが誕生した90年代当時は全然違いました。

まだ名が知られていないAmazonというeコマースで本を購入することは、非常にリスクが高い状態でした。

当時の常識や空気感からは、

ネット上に本名・住所・クレジットカードを登録するなんてとんでもない!

と、正気の沙汰ではなかったのです。

それでも、米国で書店に車で30分かけて行くよりは、自宅で数分で本が買えるなら便利!

と、初期の利用者はこわごわAmazonで本を購入しました。

今、恐る恐るNFTを触っている人に似ています。

あの頃、Amazonトークンがあったら?

当時のAmazonに、「Amazonトークン」があったら、何が起きていたでしょうか?

Amazonで買い物をしたことのある利用者は、Amazon「トークン(≒株)」が貰えていたことになります。

Amazonを人よりも早く使っていただけでトークンが貰えて、今まで所有していたらきっと大きな資産を手に入れることができたわけです。

そもそも、初期のAmazon利用者は、一定のリスクを冒してそのサービスを利用しました。
そして、「Amazonというサービスはいいぞ!便利だぞ!」と口コミで広めてくれました。
彼らがいたからこそ、Amazonは今日のような超巨大グローバル企業になれたのです。

それを考えれば、恩を還元する健全なシステムのように思えます。

DAO化は、イノベーターの活躍の場を増やす

ENSは、ブロックチェーンに詳しい人たちから見たら非常に安心感のあるチームで組成されています。

ですが、だからといって一般の人がこのサービスを見たときに、将来すごく成長するか否かはわかりません。

それに、そもそも一般の人からすれば「単なる文字列のNFT」にお金を出したくはないのです。

だからこそ、本格化する前にその利便性や将来性を見極め、初期利用者としてリスクを冒してサービスを利用してくれた人達は、サービス運営側からしたら「仲間」であり、リスク・リターンを共にするという考え方ができます。

これぞ、イノベーターの活躍の場ではないでしょうか?

ENSが、果たして立派に成長していくかどうかは、未来のことなのでわかりません。

しかし、ブロックチェーンによって成功事例がたくさん出てきた時、そのサービスやコミュニティを初期から支えてくれた人に対して金銭的にも恩返しができる仕組み・・・
それがNFTxDeFiで、ガバナンス・トークンが実現できます!

ただし残念なことに、これと同じことを日本では行うのは法的・税制的には難しい可能性があります。
よって今後、イケているベンチャーは海外で事業を展開して、グローバル・スタンダードに追いつこうとする動きになります。

日本にも数多くいるイノベーターにも、こうした新時代の仕組みが開放されることを願います。

みなさんに質問です

① Amazonで買い物をすると、Amazonの株(価値+方向性決定)をもらえるeコマース

② Amazonで買い物をしても、何ももらえないeコマース

あなたは、どちらで買い物をしたいですか?
初期段階に、リスクを冒してまで率先してサービスを利用してくれた人に対し、金銭的価値も還元される仕組み。

それは、世の中の仕組みを変えていく気がしませんか?

つまり、リスクを恐れて行動しないでいることよりも、「リスクをとってより早く、アクティブに活動していく」ことが推奨される世の中に変化していくのです。

私は、その変化の息吹を感じます。


※この記事は、パジの発信をもとにかねりんが編集して記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)


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