ベンゾ系薬と睡眠の質について調べてみた
私はストレスで体調を崩したことで初めてメンタルクリニックへ行き、
睡眠薬や抗不安薬を処方され、服薬するようになりました。
今やその睡眠薬や抗不安薬(ベンゾジアゼピン系薬)の
離脱症状によって仕事を辞めざるを得なくなり、
実家で減薬療養生活を送ることに。
そんな私は
睡眠のスペシャリストと名乗れる資格を持っているため、
ベンゾジアゼピン系薬と睡眠の関係について調べたくなりました。
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まず、元住吉こころみクリニックさんのホームページには、
ベンゾジアゼピンのデメリットとして以下のように書かれています。
1.睡眠の質が落ちる
2.ふらつき、翌朝への持ち越し、健忘などの副作用
3.依存性がある
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は睡眠時間は確保しますが、
浅い睡眠を増やすことで、
レム睡眠も深い睡眠も減らしメリハリのない状態にしてしまいます。
このため、時間はしっかりと寝たのに疲れがとれない、
寝不足感がある、となってしまうことがあります。
ベンゾジアゼピンは、
レム睡眠も深い睡眠も減らし、浅い睡眠が増え、
睡眠の総時間は長くはなるが、日中ダラダラ眠い、
と いうことですね。
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他に論文や報告がないか検索してみました。
日本語では日本薬学会の機関誌ファルマシア46 巻 (2010年) 11号に
”睡眠時の脳波に及ぼす薬物の影響”(行弘信仁氏 著)が
掲載されていました。
ベンゾジアゼピンの記述部分、一部引用させていただくと、
睡眠構造への影響として,
一般的に Stage2 の増加,徐波睡眠,レム睡眠の減少が認められるが,
その有無や程度などは各薬物によって若干異なっている
わかりやすく その影響が表で掲載されていました。
表によると、
●レム睡眠:
変わらず~減少傾向
●ノンレム睡眠 ステージ1(深くはない睡眠):
変わらず~減少傾向
●ノンレム睡眠 ステージ2(深くはない睡眠):
中~長時間作用型では増加傾向、
短時間~超短時間作用型では変わらず~増加傾向
●ノンレム睡眠 ステージ3,4(深い睡眠=徐波睡眠):
変わらず~減少傾向
●覚醒:変わらず~減少傾向
なるほど。睡眠の質はよくなさそうですね...
それと、脳波上の特徴も報告がありました。
引用させていただきますと、
一般的にδ波領域の成分が減弱し,
β波帯域成分が増加した脳波が観察される.
●δ デルタ波(つまり徐波)は、
ノンレム睡眠の深い睡眠時に現れます。
それが弱まる。
●β ベータ波は通常の覚醒している状態時に出る脳波ですよね。
集中している時やイライラしている時などに現れます。
それが増加。
したがってやはり、
ベンゾジアゼピン系睡眠薬では、
睡眠の質はあまりよくなさそうですね。
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私はベンゾを常用服薬して5年目になりますが、
24時間疲れてるんじゃないかな? という体感です。
日中はボーっとして、注意力が落ちてます。
眠れているけど、眠れていない? という、
言葉に表しにくい、変な感覚を持ち続けています。
そもそも、
睡眠薬は不眠を根本から改善していくような薬ではないですよね。
あくまでも対症療法。
なので、不眠を根本から改善するには
生活習慣の改善、つまり食事や運動などの見直し、ストレスコントロールも
同時に取り組むことが必要だと思います。
これは、根気のいる作業かもしれません。
一時使用するにはメリットがあるかもしれない睡眠薬、
それにはデメリットもあること、
不眠=睡眠だけの問題ではない可能性があるということも、
頭に置いておきたいものです。
今回調べてみて、
良質な睡眠を取りたいがゆえに
睡眠薬を飲むのって、どないやねん... と、個人的には思いました。