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ペアーズ、2023年の振り返りと、来年度に向けて

Pairs(ペアーズ)は2023年の年度末を締めくくる「メディア向けペアーズ事業戦略説明会」を12月初旬に初めて開催しました。

本イベントには、弊社の代表取締役CEOの山本竜馬のほか、プロダクト開発マネージャーの綿引康介、安心安全対策について 公共政策担当部長の佐々木幸枝​​、AI統括のデータディレクター奥村純が登壇し、2023年度の事業総括や2024年度の方針についてご説明しましたので、その内容をご紹介いたします。

左上段から時計回りに山本竜馬(代表取締役CEO)綿引康介(プロダクト開発マネジャー)奥村純(データディレクター)佐々木幸枝(公共政策担当部長)​​

2023年度の事業総括

マッチングアプリを通じて結婚する人は、年々増加傾向にあります。ペアーズが外部シンクタンクと今年実施した調査では、1年以内に結婚した人の出会いのきっかけについて「マッチングアプリ」と回答した人が約4人に1人「ペアーズ」と回答した人は約10人に1人(※1)という結果になりました。

ペアーズは累計登録数2,000万(※2)を突破し、MMD研究所の「2023年マッチングサービス・アプリの利用実態調査」で現在のパートナーと出会ったマッチングサービス・アプリで1位(※3)に選ばれている国内最大級のサービスです。

安心・安全なマッチングアプリとして、第三者認証機関である結婚相手紹介サービス業認証機構(IMS)による認証も取得しています。

新ブランドコピーを「本命ならペアーズ」に刷新し、マッチングアプリ初のテレビCMの放映で、恋愛・結婚に真剣な人と出会える場として認められてきています。

2024年度の事業戦略

マッチングアプリの利用が拡大する一方で、真剣な出会いを求めている男女の出会える機会がまだまだ少ないことを、ペアーズとしては社会課題と捉えています。

マッチングアプリは出逢いの創出の手段として市民権を得てきましたが、まだ利用したことのない方からは「なんとなく怖い」「難しそう」「オフラインで出会いたい」などのイメージがあり、利用をためらう方もいます。こうした課題や利用障壁を減らすために、来年度は4つの事業戦略を発表しました。

マチパの向上(新機能開発、AIマッチングの強化)

近年の若者のタイパ・コスパ意識から、マッチングアプリも簡単に使えて効率良く出会えることが求められており、今後「マッチングアプリのパフォーマンス=マチパ」を向上させることが重要になってきました。

そこでペアーズでは、マチパのさらなる向上のために次の3つに取り組んでいきます。詳しくは、後述の「マチパ向上を目指した新機能のご紹介」をご参照ください。

  • ユーザーの利用動向を学習し、相性の良い相手のレコメンドやマッチングをサポートするAIの強化

  • プロフィール情報だけではなく人柄までわかる機能作り

  • デート進展を後押しする支援機能の強化

企業連携(ビジネスパートナー、オフライン露出)

ペアーズのプリペイドカードは、コンビニやドラッグストアなど16ブランド全国約2万店舗で販売しています。手軽に購入することができるので、婚活をはじめようとしている家族や友達へのプレゼントとしても好評です。

さらにペアーズとのタッチポイント(機会・場所)を広げていくために、今後はさらにビジネスパートナーを拡大していきます。昨年は、百貨店の店舗内にイベントブースを設け、ペアーズコンシェルジュの「ペアーズ恋愛ゼミ」を実施しました。今後もリアルな場所を持つビジネスパートナーと連携を強化し、オフラインでの露出・認知の拡大と利用促進を図ります。

認知・信頼(テレビCM、自治体連携)

マッチングアプリに対するさらなる認知・信頼を得るために、マッチングアプリで初めてテレビCMの開始し、地方自治体との連携を強化しています。年末年始には新たなテレビCMの第二弾を放映するほか、神奈川県をはじめ全国10の自治体と連携協定を締結しました。2024年も引き続き、自治体との連携の拡大を予定しています。

出会いの場の提供を通じて、ペアーズが少子化問題の解決策の一つとして自治体から期待されています。地方自治体との連携は若者の出会い・恋愛を促進する重要な機会だと感じるとともに、マッチングアプリに対する利用意向を高め、さらなる全国への浸透を促す起爆剤になると考えています。また、これらの取り組みは安心感や信頼感の醸成にもつながります。

安心・安全(AI活用、啓発活動)

安心・安全については、AIを活用したパトロール体制を引き続き強化しています。悪質・迷惑ユーザーの利用傾向や特徴をAIが分析し、検知ルールを自動更新。悪質利用者を検知した際はただちに排除します。

加えて、ご利用者の皆様への安全対策の啓発活動も重要だと考えています。その一環として「マッチングアプリセーフティハンドブック」を初めて作成しました。詳しくは、後述の「ペアーズの安心・安全への取り組み」をご参照ください。

「マチパ」向上を目指した新機能のご紹介

デート進展を後押しする「おさそいアシスト」

マッチングアプリのメッセージだけでは、声のトーンや表情が見えず、相手がデートに前向きかどうかわかりづらいことが悩みとしてあります。ペアーズユーザーを対象にしたアンケートでは、男性の57%、女性の47%が「デートに誘って良いのか、いつ誘えば良いのかわからない」といった悩みを抱えていることがみえてきました。

こうした悩みを解決するために、お互いのデート意向をペアーズが確認し、意向に応じてデートの提案を行う機能「おさそいアシスト」を開発しました。

この機能は、自然な流れでデートに誘うタイミングを計りたいユーザーのニーズに応える新たなサポート機能です。メッセージをやり取りしている相手がデートの誘いに対して前向きかどうか、相手に直接聞くことなく、双方の温度感を知ることができます。ローンチ1か月で、1日あたり約1,200のデート意向が一致(※4)し、すでに多くのデートを支援しています。

相手の人柄がわかる新機能「ペアーズクエスチョン」

「会ってみたらイメージと違った」というギャップを解消するために、社会心理学者と共同で、相手の人柄が直観的にわかる機能「ペアーズクエスチョン」を開発しました。

共同調査から、人は客観的な言動や行動から相手の人柄を理解することと、相性の判断に重要な4つの感覚(行動・思考・利他・許容)が明らかになりました。

そこでペアーズクエスチョンに回答することで、具体的な場面における行動や言動がわかり、さらに相性判断に重要な4つの感覚が引き出せる質問で、会う前に人柄を感じ取ることができるようになりました。

ペアーズの安心・安全への取り組み

プラットフォームの健全性の整備とともに、ユーザーの皆様への啓発活動も重要です。その一環として、「マッチングアプリ セーフティハンドブック」を新たに作成しました。

このハンドブックは、主にマッチングアプリを使ったことがない方に向けたもので、安心・安全にマッチングアプリを利用するためのポイントを男女別にまとめています。ハンドブックは、連携協定を結ぶ全国の自治体や教育機関に1万部の冊子を配布、消費生活センターや捜査機関にはPDF版を提供することができました。

ペアーズの適切なAI活用

ペアーズは、Match Groupが策定した7つのAI原則に則り、適切にAIを活用しています。

ペアーズには日本国内にAI専任チームがあり、さまざまな実績や専門性を持つメンバーが基礎研究から実装まですべての工程に携わっています。また海外ブランドとの協力も大きな強みです。多数のマッチングアプリを世界中で提供するMatch Groupが持つさ多様な事例を活かし、AI開発における学習をすばやく行えていると考えています。

自社開発のAIを活用しているのは、大きく分けて「お相手とのマッチング」「安心・安全のための機能」の2点です。

「お相手とのマッチング」に関しては、膨大なデータからマッチングの傾向やユーザーの好みを学習し、本命の方と出会えることを目指し開発しています。
「安心・安全のための機能」については、不正利用やその傾向を自動検知するシステムを導入しています。AIの活用については、「マッチングサービスにおける生成AIの責任ある活用」で詳しく紹介していますので、ぜひ合わせてお読みください。

AIによるユーザーメリット

ペアーズでは、相手探しのさまざまな方法を提供しています。そのうちAIを活用したものは、「あなたの好み」「あなたのことが好み」「本日のおすすめ」です。ペアーズをたくさん使えば使うほど、あなたにカスタマイズされて精度が向上します。

「あなたの好み」は、いいね!やお気に入りなどの行動履歴をもとにユーザーの好みを学習し、相応しい方をおすすめします。
「あなたのことが好み」は、自分がどのような人から好かれるかを分析しおすすめしています。
「本日のおすすめ」
は、マッチングする可能性の高い相手をおすすめしています。自分の好みを反映するだけではなく、他の方の好みも組み合わせておすすめするという点は非常にユニークな仕組みです。

AIを活用する上で重要な点

相性の良い相手をおすすめすることは、他のネットサービスにはない難しい点です。マッチングアプリは「自分が相手を好き」であると同時に、「相手も自分のことを好き」でなければならず、双方向性があります。

また、行動履歴や人柄の考慮も必要です。ペアーズでは、プロフィール情報を機械的に分析しマッチングをするのではなく、行動パターンや好みなど、自己紹介文やプロフィールでは読み取れない情報もAIに反映し、おすすめできるよう日々チャレンジを続けています。

マッチングしてもやり取りに繋げられない、という体験を減らし、最終的には「付き合って卒業できた方の数」が重要になります。


※1 出典:Q. 結婚相手との出会いのきっかけをお選びください/ Q. 主に利用していたマッチングアプリ/サイト名をお選びください。調査主体:株式会社エウレカ、調査実施機関:株式会社インテージ、調査方法:インターネット調査(マイティモニタよりランダム抽出)、調査対象:全国の20~49歳の男女 6,566人、回答者ベース:既婚者(1年以内に結婚)185人、実査期間:2023年10月17日~10月19日
※2 出典:2012年のサービス開始以来の累計登録数。2022年4月時点
※3 出典:MMD研究所 2023年マッチングサービス・アプリの利用実態調査
マッチングサービス・アプリで現在のパートナーと出会ったと回答した870人を対象に調査(2023年9月実査) 
※4 出典:ペアーズ自社データ。2023年11月時点