けーせいの鬼滅考察① 鬼滅の刃は○○の物語

作品を支えるのはテーマ

名作というのは作者の魂、その人生で見てきたものや感じてきたもの、そこから生まれた強い想いが込められている。それは当然、あの大ヒットを超えて社会現象にまで上り詰めた鬼滅の刃も例外ではない。……と、筆者は考える。

それは一体何なのだろうか?よく目にするのは「人間賛歌」。これは鬼滅が「ジョジョの奇妙な冒険」と似通う設定が数多く見受けられる事と、作中では人間達が死闘の中で数々の可能性を見出してくれるからだ。

作中でも柱の1人煉獄杏寿郎は猗窩座からの鬼にならないかという勧誘に対し人の持つ強さや美しさ、そして圧倒的に強者である上弦の鬼に対して危機的状況まで追いつめ勝利の可能性を見せた。

だがそれは鬼滅の刃が真に語るメッセージのほんの1ページに過ぎない。

他作品から借りた信念ではこうまでの人気は得られなかった。鬼滅の刃が抱え持つ本当のテーマはそれとは別にある。……と筆者は考える。←ここ重要!

それらを知るヒントは登場人物達のモチーフ。

例えば先程話した煉獄杏寿郎はジョジョのように人間賛歌を謳う、そして弱者を守る事為に命を賭けるその判断に一切の迷いは無い所、更には致命傷を負いながらも宿敵を離さなかった等々まるでジョジョ、というよりジョナサンそのものの生き様を見せた。

とどめに彼の奇抜な髪色は山吹色と緋色をしている。これはジョナサンの使う波紋呼吸の代表技「サンライトイエローオーバードライブ」と「スカーレットオーバードライブ」と完全に一致している。

彼のモチーフはジョナサン・ジョースターだ。

つまり鬼滅のテーマが人間賛歌だから煉獄さんはああ言った訳ではない。彼がジョナサンそのものだから人間賛歌を謳ったのだ。

鬼殺隊たちのモチーフは誰か

次に富岡義勇を挙げてみよう。彼のモチーフはわかりやすい、鬼滅の刃の前身「鬼殺の流」や「過狩り狩り」に登場した流(ナガレ)だ。ビジュアルや性格はかなり似通っている。

ではその流のモチーフは?やはりこれも見た目と性格、そして名前からしてスラムダンクの流川楓だろう。流に水の呼吸で流川だ。

加えてNARUTOのうちはサスケも混じっている。彼の同輩、錆兎は狐の面に顔に傷と、うずまきナルトがモチーフだからだ。横に長い瞳は仙人モードと一致する。(ついでに真菰は着物が花柄なので春野サクラがモチーフ)

彼ら鬼殺隊のモチーフは少年ジャンプの人気キャラだ。筆者の知識量では残念ながら全員は判別できなかったが、わかる限りのその他鬼殺隊のモチーフを以下に書き連ねる。

我妻善逸は「遊☆戯☆王」より武藤遊戯。彼の外見は雷に打たれたかのような奇抜な髪型と千年パズルが特徴、善逸も(本当に)雷に打たれて奇抜な髪になり羽織っている着物には三角形が模様されている。(表の人格が)眠ると強くなる設定や借金を爺ちゃんに建て替えてもらうエピソード(遊戯の方は取り返したが)、なんやかんやで彼のエピソードにおける事実上のヒロインポジションが爺ちゃんな辺りが一致している。

嘴平伊之助は「ジャングルの王者ターちゃん」からターちゃん。性格こそ似ても似つかないが動物に育てられた半裸の野生児である点やとても柔軟な身体をしている所などが一致する。力の源はアニマルパワー(獣の呼吸)だ。

不死川玄弥は「北斗の拳」よりジャギ。兄弟と比べて才能で大きく後れを取っている部分や乱暴者だが勝つ為には何でも利用する性格、敵の技(南斗聖拳・血鬼術)まで使い、持っている銃は外観まで似通っている。ジャギはモヒカンではないが北斗の拳の悪役と言えばモヒカン頭だろう。

不死川実弥は同作よりケンシロウ。鬼滅では兄弟が逆転しており血も本当に繋がっている。傷のある身体に胸元の空いた服装が一致する他、乱暴者のようでお屋敷様の前では高い教養を見せた。

甘露寺蜜璃は「ONE PIECE」よりモンキー・D・ルフィ。柔軟だが怪力な身体で共に大喰らいで仲間想い。攻撃方法が鞭のように長く変幻自在。桜餅を食べて変色した髪はルフィのトレードマークの麦わら帽子と「頭部に草の要素」という形で一致させている。

伊黒小芭内は同作よりボア・ハンコック。好意を持っている相手が一致し、蛇がモチーフで大胆不遜な性格をしている。過去のエピソードより異性にモテて囚われの身であった事も明かされている。(それが原因で異性に嫌悪感を持っている点も一致している)

そして悲鳴嶼行冥は「新約聖書」よりイエス=キリスト。何故か彼だけジャンプ以外をモチーフにしている。共通項は共に宗教に関わるが裏切り者(ユダ・獪岳)によって処刑台に立たされているエピソード。そして頭部の傷は茨の王冠を模したものだ。

ここまでが筆者によって判明した少年ジャンプがモチーフのキャラクターだ。もしもここに載ってない鬼殺隊のモチーフに心当たりがあるのなら教えてくれると助かる。

竈門炭治郎のモチーフは何?

今でこそ絶大的な人気キャラとして支持されている彼だが「竈門炭治郎」なんて名前、正直言って主人公に用いるには芋臭くないだろうか?ユニークではあるけど、どちらかと言えば脇役に用いてキャラを立てるような使い方が一般的だ。

「俺炭焼き小屋の息子なんで!(どやさ!)」なんてやり取りで名前が竈門炭治郎。脇役がコレをやれば面白いが主人公の立ち振る舞いとしてはどこかズレているようにも感じる。

それでも炭治郎という名前を用いたのにはそこに鬼滅の刃のテーマが隠れているからだ。

ここまでの鬼殺隊のモチーフは少年ジャンプのキャラクター……に1人の例外を加えて物語のキャラクター。彼らが集う作品の主人公。炭治郎の炭とは物語を意味する「譚」の同音異義語。

炭治郎とは譚治郎、彼のモチーフとは「物語そのもの」。そして彼を主人公にして他の物語達と共に鬼退治を行う。

つまり鬼滅の刃とは「物語の物語」だ。

鬼殺隊の最高管理者、産屋敷耀哉は無惨に対し「永遠というのは人の想いだ 人の想いこそが永遠であり 不滅なんだよ」と語った。

この「人の想い」の真意とは彼ら鬼殺隊のモチーフとなった名作達、そしてその作品に込められた想い。吾峠呼先生はその想いを真摯に受け取とめそして鬼殺隊によって受け継いだ。

そして本当に過去の巨匠達が残した人の想いを不滅にした。

それこそが鬼滅の刃が本当に描きたかったものだ。……と筆者は解釈しているよ!←ここ重(ry

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