見出し画像

カナリヤ鳴く空へ

東京スカパラダイスオーケストラ特集のNHK「SONGS」を観ました。
スカパラの魅力がギュッと詰まった内容で、メキシコでのフェスの模様はライヴバンドの真骨頂だし、GAMOさんのスペイン語での煽りは最高でした。

メキシコフェスの後は、チバユウスケと共演した『カナリヤ鳴く空』をTAKUMA (from 10-FEET)とともに披露。
TAKUMAが歌う『カナリヤ鳴く空』、よかったよ。
TAKUMA、歌うまいし。

チバの歌を他の人が歌う(いわゆるカバー)ことに対して否定的なご意見をお持ちの方がいるのは分かってるし、そう感じるのも分かる。
だって、誰がなんと言おうとチバの歌はチバが歌うのが一番かっこいいから。
チバ以上にチバの歌をかっこよく歌えるわけがない。
ただ、番組中で欣ちゃんも言ってたけど、歌は歌い継がれていくもの。
チバが亡くなったからチバの歌は全て封印、というのは違うと思うのです。
そして、音楽を生業とする者なら、チバの歌を追悼の意味を込めて歌うことは自然なことなのではないでしょうか。

ここからはちょっと私個人の体験談になります。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTやThe Birthdayと同じくらい大好きなバンドがBOOM BOOM SATELLITESです。
ご存じの方も多いと思いますが、BOOM BOOM SATELLITESは2016年にボーカルの川島道行さんが亡くなり、バンドとして完全に終了しました。
※その前年に活動終了が中野さんからアナウンスされていました。

BOOM BOOM SATELLITES最後の曲が『LAY YOUR HANDS ON ME』で、なんとか収録はできたものの、ライヴで披露されることはありませんでした。
2017年に中野さん、ドラムの福田洋子さん、サポートギターの山本幹宗さんが集まり、今はなき新木場coastでライヴが開催され、『LAY YOUR HANDS ON ME』が演奏されましたが、川島さんはもちろん不在。
『LAY YOUR HANDS ON ME』は、私の中で「もう2度とライヴで聴けない1曲」として封印されました。

時は流れて。
中野さんが小林祐介さん(from The Novembers)とともにTHE SPELLBOUNDというバンドをスタートさせ、2023年はBOOM BOOM SATELLITES 25周年ということもあり、BIG LOVEツアーでBOOM BOOM SATELLITESの曲も演奏されました。
私の中で完全に封印されていた『LAY YOUR HANDS ON ME』も演奏されました。
『LAY YOUR HANDS ON ME』のイントロが流れた瞬間、驚きとともに歓喜と感動に身体が満たされ、気付けば泣いてました。
まさか『LAY YOUR HANDS ON ME』を聴けるとは思ってなかった。

川島さんはライヴで歌えなかったけど、小林祐介という素晴らしいボーカリストが『LAY YOUR HANDS ON ME』を受け継いだような、そして封印されていた『LAY YOUR HANDS ON ME』に生命が吹き込まれた瞬間に立ち会ったような感覚でした。
その日の『LAY YOUR HANDS ON ME』は素晴らしかった。あの感動は今でも身体に残ってる。
※私はツアーファイナルで聴きましたが、たぶん他の会場でも演奏されていたはず。

私自身にそういった体験があるから、カバー曲に拒否感や否定的な感情は全くないのかもしれない。
歌は、歌われて生き続けていく。
チバの歌もずっと歌い継がれていってほしい。
音楽はずっと残るし、生き続けるよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?