見出し画像

Ableton Liveの使い方「Audio Effect Rack(エフェクトラック)の使い方②

1.はじめに

こんにちは。
前回はエフェクトラックを使い
「Dry/Wetラック」を作りました。

引き続き、
エフェクトラックを使った
便利なツールを作ります。

「帯域別エフェクトラック」
になります。

具体的には、

Lo-Mid-Hiの3つのチェーンを
作成して、
それぞれ周波数帯域に応じて
エフェクトを設定することが
できるようになります。

とても簡単に作ることが出来ます。

作り方は

・EQ8
・Multiband Dynamics

の2つの作り方があります。
それぞれ説明していきます。

2.EQ8を使用した帯域別ラック

①AudioEffectRackを起ち上げる。
 ※MIDI or AUDIOどちらでも可能

②チェーンを作成して
 EQ8を起ち上げる。

画像1

③チェーンを複製してリネームする。
 (「Lo」・「Mid」・「Hi」)
※各チェーンを選択して色を変えると
 分かりやすくなります。

画像2

④チェーン「Lo」のEQを設定
・フィルター4番:ハイカット-48dB

画像3

⑤チェーン「Mid」のEQを設定
・フィルター1番:ローカット-48dB
・フィルター4番:ハイカット-48dB

画像4

⑥チェーン「Hi」のEQを設定
・フィルター1番:ローカット-48dB

画像5

⑦マクロノブを設定

・チェーン「Lo」
→ハイカットFreqを
 マクロ「Lo」にMAP

画像6

・チェーン「Mid」
→ローカットFreqを
 マクロ「Lo」にMAP

画像7

→ハイカットFreqを
 マクロ「Hi」にMAP

画像8

・チェーン「Hi」
→ローカットFreqを
 マクロ「Hi」にMAP

画像9

⑧完成

それぞれの帯域を図で確認しましょう。

・Lo帯域

画像10
・Mid帯域

画像11

・Hi帯域

画像12

これで帯域ごとに
エフェクトをかけれるように
なりました。

マクロノブを動かせば
帯域を自由に変更できますよ。

3.Multiband Dynamicsを使用した帯域別ラック

EQ8以外にも
マルチバンドコンプを
使った方法もあります。

作り方はほぼ同じなので簡単にいきます。

①チェーンにMultiband Dynamicsを挿入し
 3つのチェーンを作成する。

②マルチコンプのsoloボタンを
 それぞれ点灯させる。
※LoはLow、MidはMid、HiはHighの
 ソロボタンをそれぞれ点灯する。

画像13

③マクロノブを設定

・チェーン「Lo」の周波数を
 マクロ「Lo」に
・チェーン「Mid」の
 Low周波数→マクロ「Lo」
 High周波数→マクロ「Hi」
・チェーン「Hi」の周波数を
 マクロ「Hi」に

画像14

画像16

画像15

④完成
※Multiband Dynamicsは、
 デフォルトのものを使用します。
※Ratio1:1でないとコンプが
 作動してしまします。

4.作例

それでは作ったラックを
元にDEMOを紹介します。

パートは、
・Beat
・Chord
・Bass
の3パートです。

Beatは適当なリズムサンプルを
鳴らします。

ChordはOperatorのデフォルトを
DM7で鳴らしているだけです。
※アタックタイムを少しだけ
 遅くしています。

画像17

DM7は
「レ」「ファ#」「ラ」「ド#」です。

画像18

ベースもOperatorのデフォルトで
波形を「SwD」に変更。
※これもアタックタイムを少し遅く

画像19

ベースラインはDM7に合う感じに↓

画像20

それぞれ帯域別のラックを挿入して
適当にエフェクトで遊んでみましょう。

【Chordに挿したエフェクト】

・Lo

画像21

・Mid

画像22

・Hi

画像23

【Bassに挿したエフェクト】

・Lo

画像24

・Mid

画像25

・Hi

画像26

こんな感じです。

それではDEMOを聴いてみましょう。

まずDryから、、、

エフェクトをオン、、、

どうですか?
単なるワンコードのトラックが
劇的に変化しますね。

色々なエフェクトを組み合わせて
遊んでみましょう。

5.おわりに

最後に補足。

EQ8とMultiband Dynamicsでは
ラックを通した音に差がでます。

Dry音と帯域別ラックを通した音にも
若干の違いがあります。

それはEQやMultibandでカットした
音域で被っている部分があるからです。
※結果として音が大きくなります。

そのあたりの特性は知ったうえで
各帯域のGainをマクロにアサイン
するなどして帯域別の音量を
コントロールするのもアリですね。

またMultibandの方は必要に応じて
コンプをかけることもできるので
必要に応じて使い分けしましょう。

では今回はこの辺で、、、。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?