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その㊶Channel Headroom (62dB)
1.はじめに
今回は、小難しいお話になります。AbletonLiveにおける各トラックのヘッドルームはどれくらいあるのかというお話です。
ヘッドルーム!?って方もいると思うので簡単に説明すると、
音楽機器でクリッピングせずに記録可能な最大限の信号の大きさ
になります。正確な定義がこれがどうか分かりませんが、クリップしない信号の大きさというのがポイントです。
それがどうした、何に関係があるんだ?と思う人も多いでしょう。
AbletonLiveで作曲していて、「各トラックレベルが赤色になったことがありませんか?」
すこし勉強している方だと、各トラックでクリップしてもマスターがクリップしなければOKみたいな知識を持っている人もいると思います。
じゃあ、各トラックでどんだけクリップさせても良いのか?という疑問が湧いてきます。それに対する答えというかヒントを今回Mr.Bill先生が教示しています。(これは私の勝手な解釈です。)
2.ネタ元動画の紹介
動画見れば内容は分かると思いますが、「これ作曲や音作りに役立つのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
この動画では、60db超えるとクリップが発生しているようですね。クリップが発生と難しく考えるより、明らかにSine波の音色が変化しています。
私の解釈では、
各トラックでエフェクトとかコンプとかでサチュレーションでメチャクチャやっても良いけど、60dB以上にはしないようにしようね。
ということだと思います。
「いくらマスターでクリップしないように音量を下げても、abletonの場合、60dB超えると明らかに音色が変わる(クリップする)からね」
という理解で良いと思います。
3.一応検証してみた
まず、operatorでSine波を鳴らしてみます。下の動画を見れば分かるように、Operatorのトラックもマスターも0dBでクリップしていません。
AbletonLiveにおける
— おとですく@ableton やっぱりabletonだよね (@kijyoumusic) March 20, 2024
各トラックのヘッドルームについて実験
まず、0dBのサイン波を鳴らします。
29 OperatorとMaster共に0dBで
クリップしていないことを確認。 pic.twitter.com/Itvh4GEwzA
次にUtilityを2つ使って、Gainを30dBずつ上げます。そして、Masterのフェーダーを60dB下げます。
![](https://assets.st-note.com/img/1710936229020-crVlObZqHB.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1710936311752-3cNJnfLfJF.jpg)
これで再生してみる。
次にUtilityを2つ使って、
— おとですく@ableton やっぱりabletonだよね (@kijyoumusic) March 20, 2024
Gainを30dBずつ上げます。
そして、Masterのフェーダーを60dB下げます。
29 Operatorのトラックは
60dBのPeakを示しているけど、
Masterは0dBです。
最初の音との違いは
私には確認できませんでした。 https://t.co/D2MTfxJWXb pic.twitter.com/iEHl7ySz94
スペアナでも比較してみましたが、ほとんど差はなかったです。
最後に、UtilityでGainを31dBずつ(計62dB)上げ、Masterは-62dBします。「マスターでクリップしなきゃOK論」に従えば、2回目の実験と同じで変化はないはずですが、、、。
最後にUtilityでGainを31dBずつ
— おとですく@ableton やっぱりabletonだよね (@kijyoumusic) March 20, 2024
(計62dB)上げ、Masterは-62dBします。
「マスターでクリップしなきゃOK論」
に従えば、2回目の実験と同じで
変化はないはずですが、、、。
トラックでは62dBオーバーしていて、
Masterでは0dBなのに、
音は割れていますね。
誰でも違う音に聞こえますよね。 pic.twitter.com/peYYmX59pE
ちなみに、60dbを少しでも超えると音が歪み始めます。
よって、一般的に各トラックでの音作りは、かなり過激にしても問題はありませんが、60dB超えない範囲が良いかもしれません。
この結果が音響的にどのような事なのかは私には分かりません。
ただ音が変わるという事実は知っておいて損はないでしょう。
上記はMidi音源での検証ですが、Audio化したサイン波でも同様の結果が得られました。
まあサウンドデザインの段階でかなり無茶をしても大丈夫ですが、限界はあるという事ですね。
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