書評: "On Writing" by Stephen King

スティーブン・キングが物語の書き方について語っている。
前半3分の1ほどは彼の生い立ちから彼が「キャリー」で成功するまでの話であり自伝かなと思わせる。
それを終わると物語の書き方についてかなり具体的な説明になり、自伝的な部分が伏線であったことが理解できる。
ここに彼が言う、必要なことを書くという姿勢があらわれている。

わたしはスティーブン・キングの小説を読んだことはない。ホラー映画も好きではない。
この書籍だけ、なぜか原書で読んだ。
読んで良かったと思っている。
ひとつには読んで面白い。そして、書くためのヒントがつまっている。
また、今現在わたしのように書きあぐねている人には是非奨めたい。

翻訳もあるに違いないが、原書で読むことには意味がある。
それはスティーブン・キングが本人は意識しなくとも英語話者に向けて書いているからであり、
単に書くための方法論ではなく、英語の表現を理解することで "Writing" の本質が伝わってくるからである。

スティーブン・キングにとって、美の神ミューズはあまり愛想のない”男”らしいが、
うまく付き合えば、魔法を使ってくれるのだそうだ。
そして、物書きを目指す人は自分のミューズを探す必要がある。
ただし、彼が断っているのは”Bad writer”を救う方法はないということであり、
それは物書きがなすピラミッドの最下層に掃いて捨てるほどいるということである。

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