最近の指導(と少し徳島ヴォルティス)
徳島の試合が暫くないこともあり、最近思ったことを久々にnoteにまとめてみました。
ゴールと低学年
低学年は蹴ることへの関心?点を取る欲求?が強いことが多い。
ボカボカとゴールに向かって無理やりにでも蹴る傾向が強いので、
運ぶ判断やボールに沢山触らせる時間を増やすために蹴り込めるゴールを設置せず、ラインゴールや小さい複数のゲートゴール(いずれも通過すれば一点)を設定したりその配置を4ゴール制にしてスペースを意識する練習を日々取り入れたりしている。
これは一般的な流れではないだろうか。
ただしそのようにすることで観て運ぶ習慣やボールコントロール能力自体はつくのだが、これをやりすぎてしまうといざ試合では
・打てるのに打たない
・重視していたはずの判断やコントロールについても最終的にゴールを意識したコース取りや触り方ができない(アイデアも出ない)
・キックが飛ばない(飛ばない蹴り方でも良しとなる日々の環境から)
・相手のシュートに対する準備ができない(主にDF、GKの立ち位置)
というサッカーにおいて大切であり判断の起点になる最後の部分に関わる問題が顔を出してくる。
特に「サッカーとは」という部分がまだ理解できていないうちに実際の対外試合と違う設定でのゲーム形式をやりすぎてしまうとこの問題は出やすいだろう。
近年ドイツで国をあげて取り組んでいる4ゴールゲームであるフニーニョが話題になっているが、
ドイツのように対外試合でもそれを行うならともかく日本ではコートや人数の大小はさておき2ゴールで行うことが大体のなか、
そして結局最終的にサッカーは2ゴールで行うものであるなかこのようなものを取り入れていく際には注意が必要だと考える。
またドリルの配分についても、低学年ではボール扱いがおぼつかないからといってこれをやりすぎてしまうと(ありがち?)このような実際の試合との乖離ができてしまうだろう。
コート問題と高学年
そして更に難しいのは高学年だと最近の体験上考えている。
低学年の問題の主なところであるゴール設定において実際に必要な判断要素が抜け落ちがちなところを引き続き気をつけるとともに(例えばパスゲームなどのロンド系)
高学年では実際の試合に寄せる作業のなかサイズについてもより配意が必要になってくると感じたからである。
大体どこのクラブも(僕が見たなかではJ下部ですらも)グラウンドの広さと全体の人数の関係からどうしてもフルコートでの練習は少なくなりミニコートやミニゴールを使用する機会が多くなるなか、
低学年と違い距離やパワーが出せるようになる高学年では
・シュート、パスレンジが狭い(パワーは元より遠くを見る習慣がない)
・パスにおける強弱の判断とその技術(特に「強」の部分)
・幅を取るべき場面で取りきらない
・2対1を意識しづらい
・GKが相手のシュートを見送りがち
というコートサイズに関わる問題を疑うものを感じるようになってきた。
このことから練習はゴール設定だけでなく、全体をミニチュア化することなくフルコートを取れなくとも実際の「一部分を切り取る」というサイズを踏まえた寄せ方も重要になってくると考える。
個人的には特にGKやDFのシュートに対する警戒が鈍るあたりはなかなか気づきにくかった。
思い起こせばサッカーしかやってきていなかった僕が初めてフットサルをやった時、ブロックしたつもりのシュートがすり抜けていく体験を何度もしてきたのだが、あれと同じ理屈なのだろう。
ポゼッション志向の落とし穴(徳島?)
そしてポゼッション志向のチームはというと、ゴール前に関わる部分の不足に陥りやすいとも感じている。
ボールの回し方はコート全体を意識することが土台のなか
・一部分を切り取る
・実際のゴールを使う
という部分が足りなくなりがちではないかと。
「実際のゴールを使う」練習についてはいわゆるシュート練習(GK練習も含む)についてはどのチームもやっているかと思うが、
それだけでなく、「インテグラル」と呼ばれるメニューで要求されるような的(獲得させたいもの)の「前後」の場面が入った練習まで配意していかないと全体の文脈に当てはめづらく、
そのシュート練習の狙った動きまで思うように辿り着かないケースは多々あるのではないか。
「下手な練習をするくらいならずっとゲームをさせたほうが良い」
という格言?を聞くが、これに当てはまらないように日々気をつけていきたい。
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