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21節消化現在の徳島

期待していたもの

快勝した11節のいわて戦では
まず選手が臨機応変に立ち位置を取り相手を外したことから序盤ベースに拘ってきた?ようにみえた戦い方について意味を感じ、
また経緯は不明だが(あくまでいわて対策?これまでの課題の解決策?)新たに採用した2トップ気味の組み合わせは、前線の起点を増やし多彩な攻撃の構築に成功した。

以後これらの更なる機能と活用を期待していた。

なおここで言うベースとは1トップに左右のウイング、中盤を逆三角形に3名配置し後ろは4バックで構成する4-5-1を指すものとしている。


現在

21節まで消化。12節以後ここまでこの二点とも垣間見れるシーンはあるが依然ベースのかたちを大部分で継続し、主に保持はすれど相手のブロックの外側から中に入れない展開に終始し勝ち点を逃す試合を増やし続けている印象を受けている。

臨機応変な立ち位置については特にSBとアンカーに注目していたのだが、動きをつけて相手を外す場面もあるが、動くべきところを動かせず相手に良いように制限される場面も依然ある。

特に2CBとアンカーをマンツーマン気味に当ててくる相手に対して為す術なく捕まるシーンが継続して目立つ。うち横浜FC戦では後半から後ろを3枚にして解決したが、これは臨機応変な対応というよりベンチの対応能力。臨機応変な変更ではないと考える。

このあたりいわて戦は相手に合わせた立ち位置の変更が抜群に良かっただけに今後にも期待を持っていたが、
結局まとめて見ると依然「良い時と悪い時があり安定していない」状況で、臨機応変さを身に着けたと感じるまでには至らない。

そうなるとそもそも臨機応変な立ち位置を求めていたのかどうか、試合ごとに指示が入るのか?どの程度臨機応変な変更を認めているのか?読みづらくなった。

どうもできれば2CBとGKで後ろの保持は保ちたい雰囲気も感じる。しかしその2CBにプレッシャーをかけると保持率が落ちる状況はもう各チームにばれていそうだが。

2トップ気味の配置については、
大きな変化と成果が出た(と感じた)いわて戦後、次の山形戦の前半まではいわば継続?していたが、流れが悪くないその前半を経て後半はベースの布陣に戻し状況は好転せず(失速したように感じた)敗戦。

その直後町田戦は開始からベースの布陣。
その後も時折2トップ気味にするも有効活用しているとまでは言えない。

この布陣はいずれもいわて戦ほど明確な結果は無くともある程度機能しているように感じるのだが。
それはいわて戦後に採用頻度が増えたことからスタッフも理解しているだろう。

そのうえでメインにしない理由は何なのか?ベースの布陣でのクオリティ向上を優先する大きな理由があるのだろうか?継続に拘っているのではないかという考えはより強まっている。


ベースのかたちが成熟するその先

このかたちを理想のスタートポジションと捉え、練度を高めることが最終的に目指すサッカー(判断と技術を駆使したサッカー?)で内容も結果も出る道と考えているのか。

確かにこれは配置上至るところで細かい「三角形」が作りやすい…お互いの距離間がコート内でバランスよくサポートしやすく、個々の判断と技術をもってすればボールは循環しやすい。またそのなかでスペースが空きやすく前進の終着点としやすい左右両サイドにバランス良く突破型の選手を入れる選手配置も理にはかなっている(オランダのコーチングライセンスの中で紹介される基本的なゲームモデルには明確に「サイドのウイングにボールを渡す」ことを攻撃の目標のひとつとして明記している)。

各ポジションで要求されることができれば、どのような相手にもある程度通じる効率が良く万能性のあるベースとして作り上げることができ、また様々な要因から変更を余儀なくされてもそこは微調整で済むことから戦い方が安定する?

そしてその配置で良いサッカーができるように「させる」こと=現代サッカーで求められる選手としてのレベルと価値を上げること…というところまでも目指しているのだろうか。

逆に2トップ気味…右サイドにFWタイプを置くそのシステムは今いる選手のタイプに合わせたやり方であり、
今後どうしても選手が入れ替わっていくなかでいわば「間に合わせ」「相手に合わせた調整結果」の範疇でメインでは考えていない?

いわて戦はあくまで相手に合わせた分析結果がハマっただけで、積み重ねのなかから生まれた進化とは捉えていないのだろうか?

しかしもう勝ち点を無駄にできない時期に差し掛かっている。

昨年度は終盤に臨機応変に戦い方を変えて成果を出した監督である。

このタイミングでまた動き出すものがあるのだろうか。


一美選手に気付かされたもの

そのようななか栃木戦では一美選手がインテリオールで起用された。2トップ気味の配置の範疇かとも考えたが、プレーエリア的にはいわゆるベースの戦い方のなかで動いていた。
この試合、0-1で敗れはしたものの70%近い保持のなかで中央の繋がりも多くできた試合だったと感じている。

これまでこの戦い方では、1トップが孤立している場面が多かった。
そのなかで味方が押し上げるまで、しかも距離の長いボールを相手に前に入られず背負いキープする…
これは少なくとも標準的な役割として求めるのはいかがなものだろうか。
またそのなかでサポートに入っても相手もその間に戻ることは可能で前進はすれど崩すプレーとまでは難度が高い。

一美選手は、アンカーとFWの隙間の位置でポストとして起点になったり、その経験値から藤尾選手のポストにも距離間近く顔を出す。
この役割ができればベースの配置の良さ…互いの距離間が近い強みを出せる。起点として自分をチームに活かす意識が強い?

ことベースでの問題点を前線(FW)の起点の弱さやそこへの入り方に視点を置いていたが、実はこのボジションに大きなポイントがあるのではないかという考えが生まれた。
その後一美選手がそのポジションに入ることはないのだが。

4-5-1で戦うスペインの試合を観てみると、やはりこのポジションがうまく起点になれている瞬間はいい崩しに結びついているように観えた。

22節はいわて戦。まずここでどう出るのか。


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