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2023の徳島と日本サッカー②

徳島の航路

徳島はリカルド・ロドリゲス監督からポヤトス監督とスペイン路線を継続
新たな監督もつい先日スペイン人のラバイン氏に決定した。

「スペイン路線」「ポゼッション」「パスサッカー」とも表現されるそれらはある面ではその通りでもあるが
岡田強化本部長が過去話している

「国籍は問わない」

「魅力的なサッカーをして成長できる」

「ボールを大事に」

「組織的に」

「攻撃的に」

「徳島ヴォルティスを通じて世界とつながっていく」

…というところにマッチするスタッフとしてスペインに人材が豊富で、それらの表現のなかにポゼッション能力も必要というところだろう。

それはサッカーファンとしても育成年代の指導者としても日本の現状と照らし合わせて興味深く感じており共感もできる。
フィジカル的にオールマイティなものを用意できる可能性が少ないなか、広大なスペースでの1対1やロングボールは限定的にしたい。

「組織的に」

「ボールを大事に」

は日本が世界と戦ううえでも特にポイントとなる部分ではないか。
どこまで事前に意図したものかは不明だが、様々な配置を使い分けた今回のW杯での日本からは組織的に戦える可能性をまたひとつ示し(一時的なオールコートマンツーでペースを掴んだドイツ戦には驚かされたが)、そのなかでもっとボールを大事にできれば(個というより戦術的に)よりよい結果が出た可能性も感じている。
オシムジャパン時代も保持による優位性を日本人の特徴と絡めて目指しており、この部分は長らく気になるところである。

「魅力的なサッカーをして成長できる」

「攻撃的に」

の部分は特に育成年代の指導者としてサッカーの魅力を感じてもらう為に必須であると感じると共に、得難いと思われる攻撃の要素への成長にどのようなアプローチがあるのかを見てみたい気持ちが強い。
指導を受けることと自由な発想とのバランス、また組織的に戦うなかでの個人の成長度合いとの兼ね合いは指導者としての大きなテーマだと考えている。

これまでに積み上げてきたもの

結果としてリカルド・ロドリゲス監督〜ポヤトス監督指揮のもと、J1昇格やその舞台で高い保持率を誇り華麗なパスワークの片鱗を見せた戦いを展開。そのなかでこれまで以上の評価を受ける選手も出てきている(監督も。移籍は残念なのだが…引き続き彼らにも注目していきたい)
そして掲げていたコンセプトをある程度表現できたなかでそれらが周囲に「徳島のサッカー」として多少なりとも定着し評価されつつあるのではないかと感じており、この期間は総じてそれ以前よりも徐々に発展に向かっているのではないかと考えている。

今後は果たして。この期間を無駄にせず継続してきたなかで得た良さを残しつつ課題を更なる発展へ結びつけられるのか。特に

「徳島ヴォルティスを通じて世界とつながっていく」

というところについてはまだまだ徳島はコアな存在から抜け出せていないはず。
より日の目を見るトップカテゴリーで継続的にそのサッカーを披露できるようにしていき、個人やチームとして世界の舞台での戦いを徐々に増やしていく…具体的にはまずはJ1に定着することが次の発展と言えるのではないか。

そのためには魅力的なサッカーという内容の完成度を高めつつも結果を出さなければならない。

積み上げてきたなかでの課題

今期は先にnoteでも述べたが個人的には結果的にも内容的にも「保持で塩漬け」な面から停滞した部分もあったと考えている。
そのあたり「本丸」がどこを課題と捉えをどのように来期に表現するのかは非常に気になる部分である。
打ち出しているコンセプトに留まらず現状の改善まで新監督にはリクエストしているだろうか(ポヤトス監督への続投オファーの際にもこの点には触れていたのか?)

いずれにしても監督が代わりリセットされる部分に時間を取られ、コンセプトに沿ってはいても内容と結果が足踏み状態になる期間は短くしたい。
現在の流れができてから今回は2回目の意図しない監督交替。このあたりも前政権を踏まえてプラスにしてやってもらいたい。

個人的には、特にゴール前への取り組みを変えて保持率高く引き分けや敗戦した試合を勝ちに変えていってほしい(皆もそう?)
ゴール前の強度や崩しのパターンの共有、属人的(質的優位)な部分と戦術的な要素とのバランスの調整が必要だろうか。
またポヤトス期J1終盤に一時的に見せた相手に応じた配置・戦術変更も。昨期こそそれは必要に感じたのだが。

まずシンプルに強度、苦戦したブラウブリッツ秋田等のようなゴール前の要所でしっかり戦える取り組みが欲しい。
人は居るのに守れない、奪えない。今期の徳島やW杯の日本・ドイツ・スペインにもこの要所での強度には他の要素と比べた時に物足りなさを感じたものである。
保持の先の崩しの部分では3人目までが連動していかないとなかなかパスだけでは崩せない。
ダイレクトパスをどのように使えるか…特にポストワークをダイレクトではたきバイタルに侵入していく動きを増やしてほしい。
またそこへの取り組みとして昨期は「型」をあまり感じられない様子だったのだが、新監督のチームづくりではどこまで属人的にさせるのか型とのバランスに注目していきたい。
正直、クラブの規模的に個に頼り結果を出そうとするのは外国籍選手で当たりを引かない限りなかなか厳しいように感じており、
そこを個の成長を見込んであえて属人的な部分を増やし自由な発想を…と成長に必要な取り組みとしてそれらを捉えているのだとしたら、それは結果との天秤、もっと言えばチームの発展との天秤になってくる。
昨期はその観点から結果への取り組みがややおざなりになった可能性も疑っている。



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