今期の徳島を振り返り…攻撃③(昨期と今期)
今回は昨期との違いがみえた攻撃面に大きく影響したと考える、最終ラインより先の崩しの部分について掘り下げていく。
崩しのベース
こちら前回に記したとおり昨期とはベースにした部分が異なっていると考えており、
ギャップ…相手に対して縦の選手(ライン)間・横の選手間でボールを受けて相手を迷わせたりバランスを崩させる位置的優位を活用して前を伺うものをメインにし、
そのなかで流れのなかから主に右サイドでアイソレーションさせ1対1を仕掛けたり(質的優位)、相手のチェックが早い場合やパスの通り道次第ではFWへクサビのボールを入れポストプレーをさせたり…といった攻め手を切り替える判断の流れがあったように見ている。
そこに相手を分析したなかで予め立ち位置の狙いを決めてそれぞれの試合に臨んでいったのではないか。
この崩し方、保持含めた攻撃面の考え方が昨期と比べて理にかなっているかの比較は現状難しいと考えているのは前記のとおり。
見えてくるものは相対的な結果となり、J1J2という舞台の違いもあって特に優劣の部分は判断するのが難しい。
実際の成果から
崩しの面で実際に見えた部分としては
昨期ベースとしてあった数的優位から持ち上がって崩していくかたちは、
保持の面はもちろん局面で2対1をつくり直接的に相手を崩し前進する場面が度々見られたが、
今期のベースと考えるギャップを突く攻撃は、ボールを保持面では一旦の起点として成り立っていたが、そこから直接崩していける場面は多くなく結果またやり直す後ろ方向へのパスが持ち上がりより多かったように見えた。
それぞれのメリットデメリットを考えると
ギャップでボールを受ける攻撃は、予めの分析込みのなかパスベースで入り込むことで相手が追い付かずに前のスペースを活用できる機会が高まる反面、そのギャップに入る選手は360度周りを見て対応する分、チャンスも多いが認知面での難易度も高い?
持ち上がりで前方180度を見ながら2対1の数的優位を見つけて活用するのはそれより認知面では難易度的には下がるが、ボールを前進させるには後方からのドリブルがベースとなり時間がかかりやすく、相手に準備(スライド)されゴール前を先に固められる時間は前者より与えやすいなかで決断し実行するスピード感が高く要求される?
このように考えていくと、あくまで推測である両方のベースだが
メリットデメリットあるもそれぞれに構造的な差や欠陥はあまり見当たらないように感じる。
やはり自分達の練度と相手との相対的なものが、昨期と今期の成果に影響したのだろうか。
なお昨期はギャップを活用する攻撃も見せており、チームには求めていたように感じている。
そこは今期と比べてベースの部分に多彩な印象を受けていたが、
しかし数ある選択肢のひとつとしたことにより機会に遅れ逃したチャンスもあったのだろうか。
それとも、都度判断できる要素を増やした昨期の方が対応能力は高くなるのだろうか。
因みに現バルセロナ監督のシャビ氏は、後方からの持ち上がりをベースとしている考えをメディアに語っていた。
元バルサ監督で現スペイン代表監督のルイス・エンリケ氏は、ポヤトス監督のサッカーに似ているように感じる。
最後に
今期と昨期の崩しの部分についてここまで考えてきた。このあたりは来期にはより明らかになっていくはず。
理にかなっていても実現に無理があることも可能性としてはある。選手の向き不向きや強み弱み等も。
またそれぞれに対して、対策された場合の「二の手」まであるかどうかも重要と考えている。
そのあたりを含めて今後注目していきたい部分である。
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