SAPの製品とモジュール

業務監査のトレーニング資料を作成しているが、標準的な業務プロセスって何だろうと考えたときに、それはデファクトスタンダードなERPが提供してる機能群だよな、と思い至ったため

とはいっても、自分はR/3(現在のECC)と呼ばれてた時代しかSAPを知らない


SAP製品の種類


SAP S/4

S/4の正式名称は、SAP Business Suite 4 SAP HANA
ちなみにS/4はSimple/第4世代の意味

これらの図を見ると、S/4では、HANA(インメモリデータベース)を使うことによって更新系DB(OLTP)と情報系DB(OLAP)を統合し、さらにデータモデルもシンプル化されたようだ

SAP Business Suite(S/4の前身)

SAP Business Suiteというパッケージ群があり、その中にERPパッケージがある

元々、SAPはERPパッケージとして開発され、その他のパッケージ群がR/3時代に追加されることで、SAP Business Suiteが成立したらしい

SAP Business Suiteに含まれるパッケージは以下

・SAP Enterprise Resource Planning (ERP):元々はR/3→ECC(ERP Central Component)
・SAP Customer Relationship Management (CRM)
・SAP Supplier Relationship Management (SRM)
・SAP Supply Chain Management (SCM)
・SAP Product Lifecycle Management (PLM)
・SAP Human Capital Management (HCM)

SAP Business ByDesign

中堅企業(従業員数:250~1500人)向けSaaS

仕訳の仕組み
会計管理に影響を及ぼす各取引により、仕訳が自動的に生成されます。
仕訳は、元伝票、仕訳伝票、または評価実行に基づいて生成することができます。
元伝票には、サプライヤ請求書、顧客請求書、および支払などの会計管理外のアプリケーションで開始された取引が記録されます。
仕訳伝票は、修正仕訳などを目的として会計管理に直接入力されます。
評価実行により、減価償却実行、繰返仕訳伝票実行、または外貨再評価実行などの会計管理の定期タスクに対する仕訳が生成されます。

仕訳の構造
・仕訳タイプ
:取引への仕訳タイプの割当は SAP によって事前定義されています。仕訳の生成方法に応じて、仕訳タイプは以下のように決定されます。
 ・仕訳伝票の場合:仕訳伝票に仕訳タイプを入力します。
 ・自動転記の場合(元伝票および評価実行:仕訳タイプが取引のタイプから誘導されます。
伝票日付:請求書日付などの元伝票の取引日付
転記日付:勘定が更新され、取引が貸借対照表および損益計算書に表示される日付。転記日付の決定方法は、仕訳が自動転記、評価実行、または仕訳伝票のいずれによって生成されるかに応じて異なる。
 ・自動転記の場合:経理担当者は、取引に応じて、オリジナルアプリケーションで転記日付を入力することがき、これにより、会計管理で仕訳がいつ行われるかが指定されます。一部の取引では、転記日付は元伝票内の別の日付から自動的に誘導されます。
 ・仕訳伝票の場合:仕訳の転記日付は、仕訳伝票で指定した転記日付です。
 ・評価実行の場合:評価実行を登録する場合、評価実行の会計年度および会計期間を指定します。転記日付は、指定した期間の最後の日付です。
明細:元伝票の評価済明細で、常に借方明細と貸方明細および勘定が含まれる


SAP Business One

中小企業(従業員数:~350人)向けオンプレミス/クラウド

NetWever(旧Basis)

SAP BasisとはSAPパッケージ群を稼働させるためのミドルウェアコンポーネントです。
SAP Basisは現在ではSAP NetWeaverという名前に変わっていますが、昔の名残でSAPプロジェクトの現場ではBasisという言葉で日常的に使われています。

GLの仕訳情報

転記日付:仕訳日付。システム制約があり、オープンな会計期間の日付でないと転記日付には使えない、転記日付を間違えると修正できず反対仕訳が必要になる。
伝票日付:業務上で意味を任意に決めて使える日付(「伝票を未転記で登録した日」など)。システム制約なし。
登録日付:システム的な伝票データ作成日付。一般ユーザが目にすることはない。




SAPの勉強方法

①業務プロセスの全体像の概要を理解する
②プロセスごとに伝票を作ってみる:SE16でテーブルIDを指定してテーブルを探して、登録済み伝票を参考に新規作成する
③伝票項目の格納先テーブルを覚える

解説動画

または、

によると、以下の方法も紹介されていた

①業務プロセスとモジュールの関係を把握する
②各モジュールで使う組織設定を把握する
③各モジュールで使うマスタ設定を把握する:マスタがないとトランザクションを登録できないため

新しいモジュール




自動勘定設定

入庫をすると在庫が増えるので、「資産を増やす」という経理上の処理が必要となる。
同じく、請求書照合を行うと、債務(購入した相手先に支払いをする義務)を認識するので、「負債を増やす」という会計処理が必要となる。
SAPでは、入庫や請求書照合を行うと同時に、バックグラウンドで「会計伝票」を登録することでそうした処理を行っている。
この会計伝票は勝手に起票されるわけではなく、自動仕訳(Tr:OBYC)にてどのような条件でどのような勘定コードを計上するのか、といった指定を予め行っておく必要がある。


勘定コードのしくみ

・勘定コード表
・勘定グループ:資産/負債・純資産、収益/費用
・勘定コード

TM(輸送管理)

EWM(倉庫管理)

EAM(設備管理)

RE(不動産管理)

TRM(財務取引管理)



おまけ

ERP、SCM、CRM、MES、PLM、MRP、QMS


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