【読了】Microsoft Projectで実践する失敗しないプロジェクトマネジメント

で紹介されてた本のうち、Project製品紹介(機能カタログ)的なことよりも、そもそもプロジェクト管理にアプリを導入することとは?的な話から入って行きたかったので

第1部:導入編


§1:製品概要

Projectは不思議な動きするから使えない、という感想を持ってしまうのは、そもそもツールの使い方を正しく身に着けてないからだ、というよくある話

Projectを正しく使うことで、
・計画の再計算
・計画に対する実績の記録
・分析レポートの作成
などができるようになるという

ウォーターフォール型以外のプロジェクトにもProjectが適用できるらしいけど、ほんとかな?

§2:計画作成ステップの概略

取り敢えず、以下のステップを踏めば計画は作成できるらしい

①計算モードの選択:「自動スケジュール」を選択
②プロジェクト情報の登録:プロジェクト開始日を登録
③タスクの登録:タスク名を登録
④階層構造の登録:WBS作成のためにアウトラインを登録
⑤タスクの見積り:タスク期間を登録
⑥依存関係の登録:先行タスクと後続タスクを登録
⑦リソースの割り当て:タスクに担当者を割り当て

が、Projectを活用するためには以下のステップが必要だとも書いてある
わかりにくいよ。。同じ7ステップだし。。

①プロジェクト基本設定
②スケジュール作成
③リソースの配分
④プロジェクト全体の調整
⑤プロジェクト計画の確定
⑥プロジェクトの進捗管理
⑦レポートの作成

第2部:基本編

§3:計画作成の事前設定

①プロジェクト基本設定
・オプションの設定
・リソースの定義
・カレンダーの設定
・基本情報の入力

について

オプションの設定
留意すべきは、カレンダーとスケジュールに関するもの
カレンダーの開始終了時刻は、標準カレンダー以外を使う場合は設定が必須
スケジュールは、計算モードに「自動スケジュールを」選び、既定の「タスクの種類」を選択する

リソースの定義
「タスクの種類」には以下の3種があるけど、この仕事でよくある「使えるのは20時間、1週間後までに終わらせてね」っていうタスクはどう定義すればいいのかよくわからなかった
・単位数固定:リソースの日次稼働時間が一定なタスク(実務的にあまり使わない)
・期間固定:リソース追加投入により所要期間が短縮できないタスク(例:コンクリートが乾燥するまでの期間)
・作業時間固定:リソース追加投入により所要期間が短縮できるタスク(例:資料を作成するまでの時間)

リソースは、この仕事だと「時間単価型」(最大単位数100%未満)しか使わなそう
留意すべきは、基本カレンダーが既定のままだと計算がおかしくなる

カレンダーの設定
カレンダーの稼働時間(開始終了時刻)は、オプションで設定したものと一致させないと、計算がおかしくなる

§4:計画作成

②スケジュール作成
・WBSの作成
・タスクの依存関係の設定
・タスクの見積り
③リソースの配分
・リソースの割り当て
・リソース配分の調整

について

WBSの作成
WBS作成には以下の2種のアプローチがある
・プロセスベースアプローチ:プロセスは明確だが、成果物が不明確になりがち
・成果物ベースアプローチ:成果物は明確だが、プロセス(レビューなど)が不明確になりがち
いずれの場合でも、プロジェクト管理タスクを含めることをPMBOKは推奨してるらしい(PMOやPMのリソースを消費するので)
WBSは3〜5階層までが管理可能な限界

タスクの依存関係の設定
依存関係には4種がある
リード(後続タスクが先に開始できる場合、マイナスの時間差)
ラグ(後続タスクが開始するまでに時間差がある場合、プラスの時間差)

タスクの見積り
期間固定タスクに対しては期間を設定し、作業時間固定タスクには作業時間を設定する
期間固定タスクの期間を設定すればスケジュールは更新されるが、作業時間固定タスクの作業時間を設定してもスケジュールは更新されないことに注意(リソースが割り当たってないと、期間=作業時間÷リソース日次稼働時間が計算できないため)

リソースの割り当て
まず標準リソース(役割名)として割り当て、後から特定リソース(担当者名)に置換する方法が紹介されている
標準リソースは、例えばコンサル3人分なら「コンサル」という名前で最大単位数300%の標準リソースを定義して、それを計画作成時には割り当てとく、って機能らしいけど、初めから「コンサルA」「コンサルB」「コンサルC」の3人分の仮名特定リソース(最大単位数100%)を作って割り当てといた方が楽なんじゃないか?と思う
元々、標準リソース機能はリソースが全社管理されている場合に役立つ機能だとも言及されてて、スタンドアロンでProjectを使う場合には要らないのかも

リソース配分の調整
割り当て超過があるリソース(標準リソースを想定)に対して、リソースを平準化して期間を延長する方法が説明されている
実務的では残業でカバーになりそうな気もするけど、使うことがあるのだろうか。。

§5:計画の調整と確定

④プロジェクト全体の調整
・依存関係の調整
・タスク見積りの調整
・プロジェクト計画の確定

について

プロジェクト計画を確定させる前には、スケジュール調整のために試行錯誤が必要なんだ、と説明されている

プロジェクト管理タスクのうち、定例会は「定期タスク」により設定できる

タスクには、「制約」と「期限」のプロパティが設定できる
しかし「制約」を使うと、ダイナミックスケジューリングが複雑化する?ため、「期限」(スケジュールは制約せずに警告を出すのみ)を使うのが推奨らしい
特に、マイルストーンなタスクに「期限」を設定するとわかりやすくなるとか

プロジェクト計画の調整が終わり、承認されたら、基準計画として保存する
基準計画と現在計画を区別して保存し、比較できることがProjectの強みのひとつ何だと思う

§6:進捗管理

⑥プロジェクトの進捗管理
・実績の入力
・タスク未完了分の再見積りの入力

について

実績の入力
Projectにおけるおすすめな実績登録の方法は3種
①完/未完のみの登録:実績開始日→実績終了日の順に入力(達成率は使わない)、進捗報告間隔よりも期間の短いタスクや作業時間を考慮しないタスクには使える
②作業時間による登録:実績開始日→実績作業時間→残存作業時間の順に登録(残存作業時間に0入力で完了扱い)、作業時間固定タスクに使う
③期間による登録:実績開始日→実績期間→残存期間の順に登録(残存期間に0入力で完了扱い)、期間固定タスクに使う

なお、実績を入力する前に、どの時点における進捗なのかを明確にするために、必ずまず「状況報告日」を設定すること

…と説明してあるけど、個人的には実績登録はタイムスケール領域(「リソース配分状況」)で時間登録するやり方がベストな気がしてる
「各日付で何時間を消費したか」って登録していくほうが、後からまとめて登録する場合には便利

イナズマ線(定期間隔で表示する場合はイナズマ縞?)で進捗状況を表現する方法がいまいち理解できなかった
基準計画を対象として表示するものらしい


§7:分析とレポート

⑦レポートの作成
・プロジェクトの概要
・作業の概要
・リソースの概要
・達成額レポート

について

ガントチャートに基準計画と現在計画の差異は可視化されているので、これをそのまま進捗報告に使ってもいいが、ステークホルダによっては情報を整理したレポート画面を作って提示することもできる
例えば、PMがメンバとの進捗会議で情報収集して上級管理者に見せたり、クライアントに見せたり

この本の推奨は、以下の2枚を提示すること
・報告用ガントチャートビュー:現在の作業状況を伝えるため(当面の情報のみ抽出すればOK)
・報告用タイムライン:プロジェクト全体の概観を伝えるため

レポート機能
Projectのレポート機能は以下の2種
・ビジュアルレポート:エクスポートして他アプリで加工する用(「レポート」タブの「エクスポート」グループ)
・クライアントレポート:Projectアプリ上で表示する用(「レポート」タブの「レポートの表示」グループ)

第3部:活用編

PMBOKの管理プロセス5群に沿って、活用できる機能やアイデアを紹介する編

§8:立ち上げ/計画プロセス

立ち上げプロセス群

予算リソースの定義と割り当て
プロジェクト予算をリソース(コスト型/時間単価型)として定義して、プロジェクトのサマリータスクに割り当て、予算コスト/予算作業時間フィールドに金額/時間を入力する

タイムラインはパワポにコピペできるので、プロジェクト申請時の資料にも使える

計画プロセス群

ExcelデータをProjectにインポートする
マッピング設定が必要

段階的プランニング
手動スケジュールのタスクを使うことで、詳細未定の将来フェイズの期間のみを暫定的に決めておくことができる(開始時期が近づいてきたら段階的に詳細化する)

アジャイルを取り入れる
この章はよく理解できなかった
Project2019にはスプリント型のテンプレートがあるけど、これを使うのじゃだめなのか?

CCPMを取り入れる
難しい話なのでスキップ

RACIを取り入れる
ここまで管理する必要ある?

複数プロジェクトにリソースを振り分ける
ほんとはProjectのサーバ機能も使いこなして全社リソース管理したいとこだけど、それができてなくても、自分のプロジェクト内での最大単位数(リソースが日次で投下できる最大時間数)を設定することはできる
そして、リソースをタスクに割り当てる時も、100%で割り当てない(これをやってるとすぐ割り当て超過になる)

§9:実行/監視・コントロール/終結

実行プロセス群

「リソース配分状況」上では、タスク単位ではなくリソース単位で実績登録できる
「ガントチャート(進捗管理)」上で状況報告日を指定して実績登録するより、いつ何時間を消費したか明確でわかりやすい気がする
予定より少ない実績作業時間(作業しなかった日には0時間)を登録すれば、その日に必要だった作業時間は繰り越されるし、
予定より多い実績作業時間を登録すれば、残存作業時間は減少する
登録時点で今後予定よりも作業時間が必要/不要だと見込まれる場合は、「残存作業時間」を更新すれば、作業時間が再分配される

「超過作業時間」に登録すると、リソースの超過単価に基づいてコスト計算される

EVA(アーンドバリュー分析)
なんか夢見がちな用語だけど、実務的には成果物の出来高を金額で測定するのが困難なのと、仮に理想的に測定できたとしても、「進捗状況は判るけど進捗管理には使えない」らしい(遅延していることが判っても、原因が解らない)
一方で、コスト管理ツールとしてら、必要な追加予算の見積値を定量化できるので有用みたい

監視・コントロールプロセス群

基準計画の変更は、まず「中間計画の設定」で変更前の基準計画を基準計画1にコピーしてから、現在計画で基準計画を上書きする

リソースごとのタスク割り当て状況は以下で確認できる
・リソース配分状況
・チームプランナー

スケジュールが遅れた場合の対応方法
・ファストトラッキング:タスクの並列化
・クラッシング:リソースの追加投入
・その他:スコープアウト

終結プロセス群

プロジェクトの事後分析

再利用のためのテンプレート化

§10:カスタマイズ

ビューの構造と分類:基本は以下の12種類
・タスク系ビュー
 ・テーブルあり
  ・タスクシート
  ・ガントチャート
  ・タスク配分状況
 ・テーブルなし
  ・カレンダー
  ・タスクフォーム
  ・ネットワークダイアグラム
  ・依存関係ダイアグラム
  ・タイムライン
・リソース系ビュー
 ・テーブルあり
  ・リソースシート
  ・リソース配分状況
  ・チームプランナー
 ・テーブルなし
  ・リソースグラフ
  ・リソースフォーム

たぶん次に読む本

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