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お世話とは


前回の記事にも書いた、お庭で暮らすボロボロの猫さん。世話人は長期不在。最近ご飯を沢山食べて困ってる、とは言ってたものの、餌を頼まれているお向かいさんから「ご飯を食べない」と、私に連絡が来るようになりました。

心配で見にいくと、やはり見ていて辛くなるくらい酷い姿。食べるガッツはあるけれど、その力は必死で、口からポロポロ落ちているよう。
食べてても痩せるというのは、おかしいと思わなかったのだろうか、ましてや毛も禿げてヨダレで汚れているのに。

昔は触らせてくれなかったその子が、私を世話人と思っているのか、近寄ってくるので頭を触って見ました。全然嫌がらない様子どころか、甘えてくるので、そっと体を触ってみました。
初めて触ったその体は、背骨がゴツゴツと感じられ、肋骨もわかるくらいです。
すっかり毛が落ち、小さくなってしまった体を触りながらも、頭をコロンと床につけて甘える仕草に、思わず涙があふれてしまいました。

世話人は、以前猫さんを飼っていた人。何かあったら触れない野良さんも、捕まえたら見てくれる先生がいるから、病院はいつでも連れて行けますよ、と言っていました。

それが、今回のこの状況を見て、帰ったら病院へ行きましょう、なんて悠長な事言ってられないと思いました。
滞在先にいる世話人に、触れたなら病院へお願いします!と言われるかと思い、その猫さん状況を伝えるも、二の足を踏んだようなお返事、しまいには、毎日見ていたので痩せてるなんて思わなかった。と。

いてもたってもいられず、他の人にも相談して、これはせめて病院で皮膚を綺麗にし、先生に診てもらうのが良いと思い、その子を保護し病院へ連れて行きました。

「外猫とは思えないね、いい子」と、先生。

ボロボロの毛を皆んなでとかしたり、少しバリカンもかけました。それでも大人しい。
そして、先生がパッとその猫さんの口を開けてみると、舌がものすごく腫れ、裂けてコブのようになっていることかわかりました。

先生は、うなだれ

「今まで臨床してきて、こんな風に舌が魚の開きみたちに横から避けるなんて見たことないです。これは、腫瘍かもしれない、そうでなくとも、猫は口腔系がやられると、まず食べられないので、予後やケアが大変です。」

血液検査の結果は特にひどく悪い所はなく、今後のことを考え舌の組織を短時間で取り、同時にコブのような部分も取れる事で、猫さんの不快感も少しはマシかもという事で、しばらく入院する事になりました。
体重は2キロありませんでした。 

つづく

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