アメリカ大陸横断1日目 (NY)
2023年9月から12月までの77日間にアメリカ大陸を自転車で横断した時の話。当時22歳で大学4回生。
今は横断16日目、エリー湖の南の真っ直ぐなトレイルを南下しているところだ。ふと、この3ヶ月間を日記にしたくなった。
自分はとても忘れっぽいので、何かに残しておかないとすぐ忘れる。
この日記のルール。
毎日寝る前に必ずシラフの状態で骨子は書く。
昼間の走行中のボイスメモを聞き返しながら書く。
1日目の始まりはタイムズスクエアから20分程離れたNYの8人部屋の安宿だった。安宿と言っても、円安の最中で貧困学生の私には十分高い。(一泊8,000円2023年9月中旬)休学を決めた1番の目的であり、このために半年働いてきた。計画段階ではワクワクしていたが、今は不安でいっぱいだった。2泊3日でサンフランシスコからニューヨークまでアムトラックで移動してきてアメリカの大きさを感じ、1人で自転車に横断できるのか?
5時に起きる。歯ブラシと歯磨き粉を持って、バスルームに向かう。不安といえば、富士山アルバイト中に悪化した右上の虫歯もだ。金銭的問題70%コミュニーケーション25%虫歯3%その他2%って感じだ。しかし、友達に色々な所で言いふらしていて、何もせずに帰るのはダサすぎてできない。
一度外に出る。タバコに火をつける。日本から持って来たピースアロマロイヤルは後3日くらいは持ちそうだ。空がまだ、雲を目視できるかできないかくらいの明るさであった。なんだろう、無性にタバコが吸いたくて出て来たはずなのに、2、3吸いすると、タバコを吸った事を後悔し始めた。
自転車にまだがる。2日前からの雨で黒のトレックはびしょびしょだった。そのまま今日のキャンプ地に行くか、一度往復40分のタイムズスクエアに戻るか迷った。気づいたらタイムズスクエアの方に向かっていた。旅の始まりが安宿では格好がつかない。ニューヨークの街は自転車レーンがあるため、東京よりも乗りやすい。到着。1日に処理できる情報量を遥かに超える映像・CMが流れ込んできた。こんなところに長くいると頭がおかしくなりそうだった。
まだ明るくなったばかりのタイムズスクエアに人はあまり居なかった。写真を撮り、家族に送った。
タイムズスクエアを出発し、ボストンに向かう。小雨がずっと降っている。日本とは違い左側通行。郊外に出ると街の雰囲気が悪くなっていく。この時は目にする全ての物から悪い妄想をしていた。不安をかき消すようにペダルを踏み続けた。
2時間ほど漕ぐとお腹が無性にお腹が空いて来た。
スーパーに入る。ベーグル、鳥のハム、クリームチーズ、プロテインバーを買った。15ドルくらいだった。
大西洋の海岸沿いを北に向かって走る。昼はベンチのあるビーチがあったので、そこで先程のベーグルにクリームチーズ、ハムを挟んで食べた。前日に食べたNYのベーグル専門店(下記URL)のものよりも味的には美味しくなかった。しかし、一歩進んだ感じがして美味しく感じられた。
今日のテントを張る場所はまだ決まっていない。Googleマップでルート沿いの公園を調べる。いいビーチを見つけた。しかし、営業時間が21時までだった。意味がわからない。公園に営業時間なんて存在するのか?
もう一つやらなくてはならないことがある。
お湯を沸かすためのガソリンを買わなくてはならない。ネットで調べると断られる場合があると言われて不安になった。
1軒目、SOTOの携行缶を見せながら拙い英語で入れていいか聞いた。
うちの店で売ってる携行缶にしか入れてはダメと言われた。小さくても1.5Lはある。ふざけんな。そんなもん持ってチャリ漕げるか!と思い。そそくさと出た。
2件目、聞くと、あっさり現金で払うのか?カードだったら外でできるぞ。と言われた。
安堵である。ガソリンは買えることが判明した。暖かいものが食べれる。嬉しい。
とりあえず先のビーチに向け走る。途中スーパーでフライドチキン、カップ麺、パスタ、パスタソースを買いたした。
ビーチに到着。かなり人がいる。流石にテントを張る勇気はなく、めしにした。天気も晴れ夕日が綺麗に海に映る。パスタは最高に美味かった。日が落ちて来たため、ビーチにテントを張る。異国の地で初めての野宿である。21時に閉園で起こされること。満潮時にテントが海に浸かることを心配しながら寝た。
133.49km
total 133.49km
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