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2024年に勝どき・晴海の保育園に入れるのか問題

のらえもんさんがグランドシティータワーのレポートをされたブログに対して、私が「今は月島・勝どき・晴海地区は保育園が余ってるので大丈夫ダイジョーブ」と軽率な投稿をしてしまったところ、関係各位から「来年からHARUMI FLAGとPTKとこのGCTTと残り2工区の怒涛の移民が来ることを忘れておらんだろうな?」と総突っ込みを頂くことになりました。猛省しております。

グランドシティタワー月島 モデルルーム訪問 概要・立地・価格・総評など | のらえもんブログ (wangantower.com)

懺悔も兼ねて、来年以降に保育園はどの程度足りなくなるのかを真面目に計算してみました。結論から申せば、「2024年度については、保育園を選ばなければ足りるのではないか」という水準と目されます。以下、計算の根拠です。

全体のロジックは、「現在の月島地区における世帯数と1歳児の保育需要数を割り出し、同じ需要割合で2024年のHARUMI FLAGならびにパークタワー勝どきの入居者による保育希望者が出ると仮定して、来年の保育園のキャパシティと比較する」というものです。なぜ1歳児かというと、1歳児クラスが最も激戦であり、1歳児さえ乗り切ればその後の需給は緩むからです。これは会社勤めの人の多くが半年~1年の育休を取ることから、1歳の年度から入れたいという需要が最も強いからであり、このことは空き状況を見てもわかります。

さて、2023年8月時点の月島地区(=月島・勝どき・豊海・晴海)の総世帯数は40,288世帯。これに対して月島地区で8月現在保育園に入っている1歳児は521人だとわかります。この人数は飽和していると見てよく、なぜなら月島地区における1歳児の保育園収容可能人数は591名(認可518名+認証73名)であり、それに対して空き枠が70人分存在するからです(認可52名+認証18名)。この空き枠は全47の保育園のうち20以上の保育園に散在しており、よほど強烈な「この園でしか絶対に入所させたくない!」という希望がない限りにおいて近隣のどこかに1歳児の空きはあるからです。(これらの数字はすべて中央区のHPから取っています)
中央区ホームページ/認証保育所 空き情報・無償化に伴う確認の有無 (chuo.lg.jp)

これによって、月島地区においては世帯数に1.3%を乗じた人数の1歳児保育の需要があると概算できます(521÷40,288)。

さて、これから月島地区に流入してくる世帯数はどの程度でしょうか。HARUMI FLAGの全5,632世帯のうちSKY DUOの1,455世帯はまだお預けですから、2024年に流入してくるのは最大で4,177世帯と目されます。パークタワー勝どきについては全世帯が2024年に流入してくるはずなので2,786世帯が増えると見てよいでしょう。合わせて6,963世帯です。すごい数ですね。西多摩にある日の出町という自治体とほぼ同じ規模です。

さて、この数に先ほどの1.3%を乗ずると、新しく増える1歳児の保育需要は約90人とはじき出されます。問題はこの90人はちゃんと収容可能なのか?

先ほど「空き枠は70人」と書いたので、全然足りへんやんけ!と思われたかもしれません。しかし!子育て政策で評判の悪い中央区も保育園の増設だけはかなり頑張っていて、毎年毎年新しい保育園が2~3園ずつ増設され続けているのです。そもそもわずか3平方㎞程度(ざっくり1㎞×3㎞の島)しかない面積に47もの保育園があるってすごくないですか。1㎞四方に18もの保育園があるんですよ。コンビニより多い。

月島地区における認可保育所の分布。これらの他に認証保育所も存在。2023年度中央区保育所案内より

そして、2024年には2つの収容人数増加策がとられます。
(1)既存の8つの保育園で定員の増加が図られること(さくらさくみらい 佃、さくらさくみらい つくだ大通り、ほっぺるランド相生橋つくだ、ほっぺるランド佃大橋、クオリスキッズ月島保育園、さくらさくみらい 東仲通り、ほっぺるランド清澄通り勝どき、さくらさくみらい 勝どき)
(2)HARUMI FLAGとパークタワー勝どきに隣接あるいは組み込まれる形で3つの保育園が新設されること(保育園の名前にHARUMI FLAGならびにパークタワー勝どきというマンション名が付く見込みです)
中央区ホームページ/保育園 新規開設情報 (chuo.lg.jp)

後者の新設保育園だけでも1歳児の枠は73名分もあります。つまり既存の70名の空き枠と合わせると、新規流入世帯のための枠は143名以上あると目され、90名分の新規1歳児は収容可能なのではないか、というのが暫定的結論です。

もちろんこれは月島全域のキャパシティであって、あくまで保育園を選ばない前提です。HARUMI FLAG内の保育園の1歳児収容力は36名ですが、新規流入世帯数×1.3%は54人であり、20名近くはHARUMI FLAG外の保育園に行かざるを得ないことを示唆しています。HARUMI FLAGの南端の人が晴海の北端や勝どきの西端の保育園にしか入れない可能性もあります。とはいえ、新規入居者が月島北端の佃にしか空きがないということはまず考えられません。上記の通り空き枠は全域に散在しているためです。せいぜい1㎞以内では空き枠があるはずです。

他方で、計算の最初の仮定がやや楽観的だというご指摘もありましょう。HARUMI FLAGやPTKの億単位の部屋を購入した世帯は他の月島地区の住人平均と比べて共働き率が高い可能性があり、そうなると「世帯数×1.3%」という需要割合の係数はHARUMI FLAGとPTKに限ってはもっと引き上げる必要があるかもしれません。仮に係数を2%にまで高めると、143名(+α)の枠にギリギリ届いてしまう計算になります。

あと、中央区においては保育園の入園基準が同点だった(具体的には共働きの40点同士だった場合)においては中央区の居住年数が長い人の方が優先されるというルールがあることも新規入居者にとっては不安要素かもしれません。他の入居者よりも少しでも早く中央区に住むべく、HAURMI FLAGやPTKの入居前からいったん中央区に引っ越しておくという戦略を取っているご家庭も存在します。すごい。(ちなみに居住年数よりも優先される基準として兄弟姉妹の保育の必要性が考慮されるため、保育人数が複数なのであれば居住年数によらず優先的に受かります)

なお、新規流入の人口分布が大きく異なることはあまりないのではと見ています。現在でも、月島地区の中で歴史のある地区と新しい地区で人口分布はほとんど変わらないからです。故に新規入居者だけ乳児の子育て世帯が多い可能性はあまり考えなくてよいのではと思われます。

中央区HPより。https://www.city.chuo.lg.jp/documents/3581/3-2tukisima.pdf

また、暫定的に2024年だけの試算をしましたが、2025年以降はSKY DUOやGCTT、他2工区の大規模プロジェクトも待ち構えており、そのあたりでどうなるかはわかりません。現時点では2025年の新設保育園の情報がないので計算しようがないのですが、新規プロジェクトの世帯数×2%程度の1歳児キャパシティが増え続ければ何とかなるのではないでしょうか。

まぁこんな皮算用のような計算をしながらも私はHARUMI FLAGもパークタワー勝どきも抽選に落ち続けているので全く関係ない話なんですけどね。あは、あははは

追記:識者の皆様から多数のご指摘を頂いたので補論をまとめました。

【追補】やっぱり2024年の保育園は激戦かも論|中田 (note.com)

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