Paddock Labにできる事とできない事 ~それでも馬券で戦ってみたい方へ~

前回、Paddock Labにできる事とできない事という記事を書いた時とは人数も体制も替わり、いろんなものが充実してきたので、再度書き直したいと思います。


1.馬券で儲けるということはどういうことか?なぜPaddockシートが必要か?


例えば単勝5倍の馬券を1点購入し、4回に1回当てられれば儲かります。

単勝5倍の馬を選択するということは、他の人気馬が勝てないと考えられる、あるいはこの馬の単勝を他の馬が脅かすことは無いという根拠を持っていれば買えます。そしてそのくらいの確信がある馬券で結果として的中率25%前後を確保できていれば儲かるということです。

そのために必要なのは、そこで行われるレースの状況理解の上に、出走馬すべての能力、気性や適性、見せてない資質などを把握することできていれば外れる可能性はかなり下がります。裏を返すと勝つ馬の可能性が広すぎて購入点数が多くなり儲からないよな、というレースもわかることになります。これが買うべきレースと買うべきでないレースの差です。迷うことが多くなるレースや選択肢が多過ぎるレースほど買えなくなります。

では、すべての馬の能力や個性を把握することなんてできるのか?。技術的には可能ですが現実的には不可能です。たとえ馬と個性を判断していく高い知見があったとしも、レースを見てコメントを残していくために毎週30時間以上の時間が必要だから。フツーのサラリーマンがこれだけの時間は生み出すことはフツーあり得ません。

しかしノウハウを共有した複数の人間が見たものを全出走馬のコメントとして提供することができれば、通常の競馬ファンに対し質と量の面で大きなアドバンテージを得ることができるということです。これがPaddock Labを設立した一番大きな理由で、ようは1人の人間ができる予想なんてのは限られていて、だから重賞レースの予想は多い。けれど、残りの70Rは誰もそこまでの労力を掛けていないのでかなり手薄になる。そこに労力と時間を掛けて観察したものをコメント化したものがPaddockシートということです。

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どんな適性がある馬なのか?気性的にどうなのか?。過去の履歴からまとめていったコメントで、自分で調査する必要を極力減らせるようになってます。

少し説明すると「調」は前走の調子の良さを示しており、「型」はどんな競馬を得意とする馬なのか?がわかるよう漢字一文字で表現してあります。「出」は出脚の速さで前半3Fの速さではなく、最初の100~200mの速さで、そこを馬なりで先行できた馬はこの印がつきます。この印の重要なところはスピードがある馬がわかるので、短距離戦で隊列予想や先行有利な状況になった時に威力を発揮します。またその馬の持久力が上がったりすると穴を開ける馬になったりします。「体」は体幹の強さで、この数値が低いほど加速が鈍くなり、トップスピードが低くなったりします。詳しくはこちらを参照してください。


2.TP(タイムポイント)とは何なのか?


馬の適性云々以前に、その馬がどのくらい強いのか?弱いのか?。これがわからないと競馬はなかなか当たらないし儲からない。これが私の持論です。「この馬は2400m向きだ!」という馬の単勝を買っても、もっとスピードのある2000mに適性がある馬にやられるのが現実です。適性は才能を超えられない。能力以上のものは出せないのが競馬です。3着しかない馬を単勝で買うと儲からない。ようはどの程度の差があるのか?が認識できていれば単勝を買わずにその馬との馬連やワイドで勝負して儲ければいい。そういうことです。

ではどうやって測るのか?。基本は1勝クラスの基準時計を設定し0.1秒=1ptとして換算します。例えば1勝クラスの2着馬の水準を52と設定します。2勝クラスの2着は+0.6秒差で58、3勝クラスは+1.0秒で62、OPで+1.7秒差の69、というのがザックリとした時計差とTP(タイムポイント)の差です。馬場やコース、風などの気象条件によって時計差はかなり変動するので、そこをコントロールするのが指数職人歴20年以上の私の仕事です。

馬場差を決めた後はペース補正します。例えばジャパンカップはスローペースだったので基準時計から見るとかなり遅いタイムになります。なのでペース補正が必要です。レースとパトロール映像を見ながら不利や外回るロス、内が悪いときは内の補正分を加点していきます。

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これで出した数値が各馬がそれまでに出した能力とほぼ同じであれば、能力値としての誤差はかなり小さいものと判断します。

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マカヒキやアリストテレスらは今回能力を出せるような環境ではなかったので低くて構わないわけです。

これを全てのレースで行って、後日、その後の好走馬や指数を見た時に高過ぎた、低過ぎたという「誤差」が出てくるのでそれを毎週潰していく作業が延々に続けられます。ここまでやってようやくそのレースの価値やその馬の実力が決まっていきます。毎週20~30Rを1pt差にこだわって修正を繰り返している指数はおそらく存在しないと思います。ここまでやるから精度の高さが維持できます。


3.MTPとは何なのか?

MTP(Max time point)は過去5走のTP最高値を自動で出力したものがMTPです。ただし距離が2F違ったら-2。芝ダート変換は-3。という具合に自動抽出のルールが決まっているのでユーザーも理解しやすい構造になっています。ハンデ戦に関してはハンデ差分が自動的に加算減算されます。

なぜ過去5走か?というと、競走馬がクラスを勝ち上がる時は、その馬の過去最高値を出すことが多いからです。ただし古過ぎるものは排除したい。そしてどこで最高値を出したか?は適性の話になりますが、競馬は初条件、初距離、展開も違うことも多いので、指数に細かいことは求める必要がありません。全体の序列としてどの位の力を持っているのか?がザックリとわかればいいんです。その証拠に過去のMTPの成績を調べて見るとこのようになってます。

指数の精度を徹底的に追及し、それを人間の主観を除いて出力すると実は人間の判断以上の結果を出すことが可能でした。これは作っている私自身が驚きの結果です。おそらくここまでの精度と数字を叩き出してる指数はこの世に存在しないと思ってます。


4.馬は生き物

マイルCSのコラムでも書きましたが、元々、私はJRDBのパドック担当者として20年以上、現地で馬を見てきた人間なので、強い馬と弱い馬には馬体に大きな違いがあることも知ってますし「馬は変わる」ということも知ってます。問題はどうしたらそれを知らない人に伝えられるか?が最大のテーマでした。

そこで考えだされたのが体幹という考え方です。

馬体がしっかりしている馬ほど数字を大きくし、馬体が頼りない馬ほど小さくする。それを現在6段階で表示しています。

そしてこの副産物として前走とのパドック比較が容易になりました。数字で見える化したことで、変ったかもしれない、という馬を見つけやすくなりました。そして前走から体幹がUPした馬は競争能力が飛躍的に上がるということが立証できる形になりました。

これをベースにして、パドックでデキの良い馬を調子「1」と表示し、馬体を見た適性、資質の高さなどをコメントとして併記。最後にレース短評をつけ加えることにしてあります。

Paddock Labの情報の質と量のアドバンテージは正直かなり高いです。ただしPaddockシート、MTP、パドック情報を3つ使いこなすには経験が必要で、コメントを読む力が必要であり、感覚も磨く必要があります。

またパドック担当者がすべてのレースですべての馬を完璧に理解できているわけではないので馬のコメントとレース結果が一致しないこともあります。馬を見て百発百中なんてのは神様でもない限りあり得ません。ただ「この馬はこうだ」というのは6~8割くらいは正しい。おそらくこのレベルで馬を見られる集団は存在しないはずです。

そして、すべてのレースでどんな馬券を買って儲かるほど競馬はあまくありません。ウチは予想会社ではないので買い目は出しません。情報を見てどういう馬券を組むのか、あるいは馬券を買わないレースとするのか、その判断は常に自分です。そこが一番鍛え上げていかなければならないポイントです。

Paddock Labが向いている人
・馬券で儲けてみたいが方法論や方向性が分からず悩んでいる人
・レースを観察する時間がない忙しい人
・競馬を予想するための時間を節約したい人
・巷にない新しい情報を使いこなして自分で創意工夫し予想してみたい人
・競馬の事を深く知ってみたい人

Paddock Labが向かない人
・勝負レースや買い目を指定して欲しい人
・競馬に絶対を求めてる人
・コメント通り馬が走らないと怒ってしまう人
・日本語が読めない人

おそらく新しい概念、言葉、数字などを理解して自分のものとして獲得するのに1~2か月くらいは継続しないと難しいかもしれません。継続して競馬を観察し学習しあらゆるスキルを上げていこうと意欲のある人にはお勧めできます。


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