#18 PaCTi「Multimorbidityにおける緩和ケア」20210326

みなさま、こんにちは。
PaCTiのなかの人、浜の町病院緩和医療内科・永山です。

2月開催の第17回「妊産婦・授乳婦のがん緩和ケアを考える」では、ふだんあまり遭遇することは少ないけれど、機会が少ないからこそ難しい問題を取り上げました。こういうテーマに取り組めるのも、PaCTiならではかな、と感じています。
講演終了後の懇親会(ダベリ場?)では、緩和ケアチームとしてコンサルテーションをしていく難しさに話題が及び、これはこれでおもしろい時間でした。

さて、3月の第18回では、南砺市民病院総合診療科の大浦 誠先生を講師に迎えて、「Multimorbidityにおける緩和ケア」をテーマに学びます。

「multimorbidity」という言葉に、あまり馴染みがない方が多いかも知れません。例えば、COPDと糖尿病、高血圧をもつ方が癌になる。脳卒中後の方で、認知症があり、心不全の治療も受けている。こういう「複数の慢性疾患をもつ」患者さんが、皆さんの周りにもいらっしゃるのではないでしょうか。
これを「multimorbidity(多疾患罹患)」という概念で呼び、プライマリ・ケアの領域では大きなテーマの一つになっています。

高齢化とともに multimorbidity の患者さんは増加していて、死亡率の上昇やQOLの低下などの健康状態へのネガティブな影響のほか、受診回数・救急受診の増加、予定外入院、ポリファーマシー、医療費の上昇などとも関連していると考えられています。また複数の疾患があることで、治療選択に悩む場面も多いかと思います。

大浦先生は、ご自身が編集に深く携わられた近刊「終末期の肺炎」(通称:寿司本、そのわけはリンク先をみればわかります笑)で、エンドオブライフにおける肺炎治療の悩ましさに正面から向き合っておられます。
http://www.nanzando.com/books/21051.php
そこにはmultimorbidityを軸にして、治療負担と患者さんの能力のバランスを考え、道筋をつけていくための考え方が記されています。

今回のPaCTiでは誤嚥性肺炎にとどまらず、エンドオブライフの疾患治療と緩和ケアを絡めて、お話しいただきます。日常的に巡り合う難しい問題に取り組むための道標を得られるよい機会になるのではないかと考えています。

2021年3月26日(金) 21時~(1時間程度)
演題「Multimorbidityにおける緩和ケア」
演者:南砺市民病院総合診療科・大浦 誠先生
対象:緩和ケアに関わる医療・介護職、医歯薬看護系学生 
参加費:500円〜(PayPalを利用した受講後支払い。学生は無料です)
以下のURLからお申し込みをお願いします。

PaCTiでは、今後も緩和ケア従事者が知りたいこと、聞きたいことにフォーカスして、勉強会を継続していきます。
4月以降も、「循環器緩和ケアの最新の知見」「ポリファーマシー」など興味深い内容が控えています。お楽しみに!(んがぐぐ)

もし、「こんなテーマを取り上げてほしい」「この人の話を聞きたい」といったご要望がありましたら、ぜひコメント欄にお寄せください。

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