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科特隊基地をつくる【第26話】設定時期の再考

【基地の設定時期をまたまた変更する】

発着棟のハッチとエレベーターの連動にようやく成功した。
ギミックのアイデアさえ決まれば、あとは簡単だと思っていたのだが、調整にとまどってしまった。調整どころか、格納塔はつくりなおしになってしまったし、リンク機構は何本つくったのか忘れてしまったほどだ。
それでもなんとか連動できるようになったから、(細かい不満はあるものの)これでよしとしよう。

ちなみにハッチの色はエレベーターと同じタイヤブラックで塗っていたが、劇中の発進シーンをよく見なおすと、もう少し明るいグレーのようだ。つや消しにした軍艦色で塗りなおすことにした。

あとは、エレベーターが斜めっていたり、ハッチがきちんとしまらなかったりするのを調整していくつもりだが、ほっと一息ということで、ケムラー登場回(第21話)で中断していたBlu-rayを見なおすことにした(本連載第23話の続き)。

すると、衝撃の事実が…。

「ここで問題です。テレスドン登場回(第22話)以降、最終回のゼットン登場回(第39話)までの18回で、科特隊基地は何回登場するでしょうか?」

ウルトラマン全話の科特隊基地の登場シーン一覧。オレンジ色で塗った回は登場しない。

正解はわずか6回だ。
キーラ登場回(第38話)で科特隊専用宇宙船である白鳥が基地から発進したのかどうか不明だが(宇宙センターから? ひょっとしたら改築後の倉庫棟からの発進かも)、それを入れたとしても7回にすぎない。
ジェットビートルはそこそこ登場するのだが、基地からの発進シーンがあるのは、グビラ登場回(第24話)、ゴモラ登場回・前編(第26話)、ウー登場回(第30話)、ケロニア登場回(第32話)の4回のみ。いわゆるバンクカットだ。例えば第30話ではSIII号が再登場している。
バンクカットとは、過去の撮影したシーンの使い回しのことなのだが、SIIIが再登場した理由を「バンクカットを使ったから」とするのでは面白くない。初期状態の基地に戻って、SIIIが再登場した理由づけをしたいものだ。

ガマクジラ登場回(第14話)、ガヴァドン登場回(第15話)では珍しく基地が映らないので、それをいいことに、この時期に大改装が行われていたことにして、模型の時期を設定したというのは以前書いたとおりだ。
ところが、実際には放送回の後半において基地はほとんど登場しない。かといって、横浜駅じゃあるまいし、ずっと改装が続いていたというのもちょっとムリな話だ。

どう、つじつまを合わせようか。

当初、ジェットビートルと小型ビートルは発着棟から垂直離陸もしくはテイルシッターで発進していたが、運用の効率化と宇宙ビートルの発進のために、逆錐棟と発着棟にカタパルトが設置された。これが第1期の大規模改装だ。
その後、ブルトン(もしくは防衛隊の戦車)に破壊された基地の迅速な復旧のために、発着棟のカタパルトを廃止するなどして初期の状態に戻した。そうして運用を続けながら、第2期の大規模改装に入り、ゼットンの攻撃を待ち受けることになった。
ちなみに第30話でSIII号が再登場したのは、カタパルト発進用の117号機以降の機体では垂直離陸の負担が大きいため、かわりに垂直離陸の容易な古い機体を再運用することになったためだ。

こんなふうにストーリーをでっちあげてみたのだが、どうだろう。

というわけで、模型の時期設定は、第14〜15話のころではなく、第30話前後の基地が初期状態に戻ったころとしよう。
発着棟の鉄骨トラスの塗装は赤とグレーの2色ということになる。本当は赤一色にしたかったのだが方針転換だ。

ちゃんとしたプロジェクトなら「時期設定くらい最初にはっきり決めておくものだ!」と上司に怒られそうだが、しかたがない。今後もぶれまくりながら、それでもつくっていくことにしよう。


【第27話】発着棟の鉄骨トラスの塗装考 につづく
【第25話】発着棟ハッチの開閉ギミック にもどる
【第1話】はじまりの秘密基地 にもどる


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