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#43 決断と思考~ゆるく考えようの感想~

 ゆるく考えよう(ちきりん著、2013年初版、イースト・プレス)のオーディオブック(audible、2015年配信)を聞きました。
世間で常識とされていることに対して、「本当にそれは正しいの?」とちきりんさんの考え方を示していくところは、「確かにそうだよなぁ」と、読んでいてとてもスカッとする気分でした。
印象に残った箇所は沢山あったのですが、ここでは3つに絞って、一番心に残った箇所を紹介します。

目次
1.決断力のための一点豪華主義
2.やめる決断ができれば、始められる
3.生産性を上げるためには、時間に制限を設ける


1.決断力のための一点豪華主義
要約
・物事を決断するときに、複数の判断基準を用いると、迷いが生じやすく、後悔しやすい。
・後悔しない決断をするためには、自分にとって一番大切な価値基準を1つ定め、それ以外については最低レベルであったとしても、自分は納得できるのか?を問うこと。
・そうやって決断すれば、決断後に、様々な観点で不満が生じたとしても、「あの時自分は、こういう場合も想定した上で決断したのだから」と割り切れる。

感想
 私は、スパッと決断することが苦手です。人生の大事な局面においては、様々な可能性を列挙して、それぞれのメリット・デメリットを比較するのですが、勿論どんな決断でも全ての点で良しとすることは出来ないので、長い時間悩むことになります。
 しかしこの本から、決断力をつけるためには、1つの価値基準を採用し、その他は駄目でも構わないという心づもりをすることが大切なのだと学びました。
 どんな理由であれ、決断するからには根拠を持ち、選択した道について、後悔しそうな場面をしっかり想定した上で、それでも良いと思えるかを考える。これは、決断力をつけるだけでなく、自分にとって一番大切なものは何かを考える良い機会になります。


2.やめる決断ができれば、始められる
要約
・欧米企業と日本企業の違いは、やめる決断ができるかどうか。
 欧米企業のリーダー:変化させる人
 日本企業のリーダー:出来るだけ混乱を起こさない人
・惰性に身を任せ、物事を淡々と続けるのは簡単。物事を変えるには、大きなエネルギーが必要で、誰かが泥を被らないといけない。
・日本には、下記の傾向がある。
 ①やめること=逃げ、根性がない
 ②やめないで続けることに、高い道徳的な価値が置かれる
 ③終わりに美しさを求める傾向がある=非合理的な判断
・違っていたと分かったら、速やかにやめること。終わる判断ができれば、新しいことに自由に挑戦できる。

感想
 続けることが苦手で、すぐに別のことに興味がいきがちな自分にとっては、嬉しい考え方でした。成功している人たちは、物事を長く続けている人が多いように思いますし、「成功する人が少ないのは、ほとんどの人が途中でやめてしまうから」と言う意見もあります。
 続けることがいけないこととは全く思いませんし、コツコツ続けられること=習慣化できる能力は、素晴らしいものだと思います。
 ただ、続けることは、それ自体が自分の限られた時間の一定割合を割いているので、本当に今続けていることは、毎日の時間を費やすべきことなのか、他にもっと時間を使った方が良いことはないのか、と常に自分の今の状態を省みることが大切だと思います。
 
 物事を続けるときは、以下の3つのフェーズがあります。
 ①続けることが困難なフェーズ、②続けることが普通になっているフェーズ(習慣化している状態)、③やめるのが勿体ないという感覚になるフェーズ
 私は3日坊主で、大体の場合①でフェードアウトしてしまうのですが、続けることが得意な人は、②の状態までいくことができます。一方、ちきりんさんが指摘しているのは、③だと思います。一旦習慣化したこと、惰性で続けられていることを、手放す勇気をもちましょうということです。
 人生の時間は限られている中で、きっと皆、やりたいと思うことは沢山あると思います。続けることは素晴らしいことですが、それが今の自分にフィットしていないならば、躊躇せずやめて、新たなことに挑戦していけば良いのだ、と勇気をもらいました。


3.生産性を上げるためには、時間に制限を設ける
要約
・ブラジル農業と日本農業の違いは、土地あたり生産性の違い。これは、人生にも当てはめることができる。
・働く時間を減らさない限り、生産性は上がらない。
・真面目な人ほど、長く働こうとする。
・人生は皆同じ時間でも、達成できる量が異なるのは、生産性の違い。

感想
 仕事を沢山こなすために、長く働こうとする人への戒めの言葉であり、ワーママなど、短時間勤務せざるを得ない人たちへの応援の言葉でもあると感じました。
 人生も、限られた時間だと思えばこそ、大切に過ごすようになると思います。
 何事も、有限だということを意識しているかしないかで、その人の日々の行動が変わってきます。実際に、人生も仕事も育児も、今直面していることは今だけしか経験できないのだから、その時間を大切にしていきたいと感じました。


以上、ゆるく考えようの感想した。10年以上前の本のレビューとなってしまいましたが、内容は今読んでもとても面白かったです。ここにあげた3点は、しっかり実践していきたいと思います。

ここまで読んでくださって、どうもありがとうございました。

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