ターコイズカラーのチョーカー 作品ができる時② 2006年(作)
まずは、ビーズ作品の種類をざっくり
2000年前後、スワロフスキー(クリスタルのビーズ)が流行していました。
スワロフスキーの「そろばん」とか「ラウンド」を組み合わせて、
立体的なハートやクロスを作るのです。
私は流行が追えないタイプで、数回経験しただけでしたが、
頭を使い、説明書の意味を理解して、立体的な作品を仕上げることに
魅力を感じました。
この時期しばらく、手芸ビーズは趣味として大いに人気を集めていました。スワロフスキー以外の世界も広がりました。
小さくてかわいい、輝くビーズのあれこれを買い求め、コレクションするだけでも楽しいほど、種類が豊富にありました。
極小から大粒なビーズまで、お好みで選べました。
超高級なビーズを見かけることもありました。こういうのはシンプルに一連で仕上げます。それだけで十分ですし、そのほうが素材が活きます。
まあまあのビーズは技術で魅せるとなります。
どちらにしても、組合せや色合わせで魅せることが基本です。
のちのち私がはまったのは「クロシェ」という手法でした。
前もって糸にビーズを通しておいて、それを鍵編みで引っかけながら仕上げます。
ネックレスをたくさん作りました。小さなお財布やポーチもかわいいです。
ちょっと脱線しますけど、クロシェについてざっくり説明します。
ネックレスは、2~5の順列パターンで、引っかけ編みでねじり編みます。糸が中央に寄るので外からはほとんど見えません。
1種類のビーズで作ることも可能ですが、通常は複数色使用します。異なるサイズのビーズを使うと波波します。
ポーチは、細編みで捩じらずに平たく編みます。裏を見ると糸だけの、ふつうの編み物と同じになります。ビーズは1種類1色でも美しく、反面、パターンを正確に出すのが難しいです。
色合わせだけで作ってみる
上での説明のように、ビーズ作品は、基本的に作り方に決まりがあります。材料にも決まりがあります。例外はほとんど見たことがありません。
ビーズ以外の主な材料は、糸/ワイヤー/テグス、メタルパーツ(種類がたくさんあります)です。
ところであるとき、大量のリボンを収集していた方から、「もういらなくなった」と、それをそっくりいただきました。娘さんが成長されたのです。
艶やかなベルベットや、ふわふわのジョーゼットなど、30本くらいはありました。
しかし、我が娘たちは、どうもリボンって感じじゃないのですよ。
そこで、これらはいずれ年下のお嬢さんに引き継いでもらいたいと考えていました。
そういう後で使用するだろうお品は、透明ビニール袋に入れてから、
半透明の衣装ケースにしまいます。
そこには、ちょうどそのちょっと前に福袋的に大量に買った、処分品のビーズがはいっていました。
処分品ってのは、言い換えると「使えない品」です。人気がないから処分されるし、使い道がわからないから処分される、そんなお品たちです。
どうしてそんなものを買うのでしょうか?
やはり私は「パックラット」の資質ありです。
「パックラット」というのは、大量のモノを巣にため込むネズミのことで、
いわば、ミニマリストと反対側の人の喩えです。
事実、どう使うべきか、まるでわからず、半透明ケース行きになっていました。
さて、リボンをしまおうとした、そのときのことです。
安物のビーズの色がなんとも妙に、いい感じで合いまして……
その一つの組み合わせが、「ターコイズカラー」と「からし色」でした。そこで、この組み合わせで作品にしようと決めたのです。
スカーフは軽くてヒラヒラしているものですから、ずっしり重いとひっくり返るなどあり得る……と悩みましたけど、
幸いなことに安物のビーズは、そんなには重くないのです。
過去の遺物の向こう側
この「ターコイズカラーのチョーカー」を使ったのは一度だけ、カジュアルなウェディングパーティーに呼ばれたときです。手持ちの地味なロングドレスに合わせました。
その結果、たいそうほめてくれる人もいました。
まぁ、好き嫌いは激しそうではありますけど、そこが
ハンドメイドのいいところではないかと……?
ターコイズカラーの他にも、色合いだけで組み合わせて、いくつか作りました。
でも、手元にはターコイズカラーの作品しか残っていません。
どなたかが貰ってくれたか、もしくは、駄作で解いたか、捨てたか、覚えていません。
ひとつだけはっきり覚えているのは、チャイニーズレッドのビーズです。形や大きさなど、何種類もありました。
合わせたのは黒いサテンのリボンです。
これがまた、びっくりするほど派手派手で、お似合いになる人も浮かばず、カーテンレールに下げて光の加減を楽しんでいました。
その後、分解して、赤いビーズの一部分だけを残しました。
それ以外にも、モスグリーンや淡い桃色のビーズがありました。白やオレンジもありました。
それらの作品を思い出そうとするその光景はふわふわとぼんやりして、
なんだかずっと向こう側にあって、
時の経過を感じます。
最後までお付き合いありがとうございました。
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