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BOOX pageを買ってみた

■なにこれ

いわゆる電子書籍リーダーという商品を始めて購入してみたので、所感やらなんやらをつらつらと綴っていく。

電子書籍リーダーのレビューはその性質上読書好き、ひいては活字中毒者によるものが多いので概ね肯定的になりがちという偏見がある。

私は読書はするがどちらかといえば面白ガジェットとして本端末を購入したので、似たようなガジェット中毒者が購入する際の判断の一助になればと思う。


■BOOX pageって?

詳しくはググってほしい。
Kindle(端末)などのように液晶画面を使用しない電子書籍リーダー。
Kindleや楽天koboと違い、OSがAndroidなので使用可能な電子書籍プラットフォームが固定されないのが強み。
BOOXには色々なモデルがあるが、pageはモノクロ7インチ。

■所感

画面が暗い

まず最初に思った不満点はこれ。
BOOX page(というか電子書籍リーダー)はEInkというディスプレイ方式を採用しており、画面自体が発光する液晶や有機ELとは違って画面に物理的に黒と白の粒子を表示して、その粒子を自然光が反射する形で表示している。
早い話がDSとゲームボーイみたいな感じ。(伝わるのか?)

その為暗い場所で読もうと思っても全然読めない。
そしてこれは何故かわからないが、「普通の紙の書籍ならまぁ読めるかな」くらいの暗さでもBOOX pageだとより暗いように感じて読みにくい感じがする。
これが不満点。

見た目がただのタブレット端末なので、バックライトで明るいのが通常であるという無意識下での思い込みによるものかもしれない。しらんけど。

一応フロントライトは搭載されているので、ONにすれば暗い場所でも何の問題もなく読めるが
そもバッテリーが鬼貧弱(EInkの表示に必要な電力はものすごく小さいので大容量のバッテリーが本来不要なため)なので、ずっとフロントライトを煌々とつけていると爆速で充電がなくなっていくのも不満。
お前さんの良さはバッテリー持ちのはずでしょうが。

読書をするにはおおよそ必要十分なスペックと機能(やや不満はあり)

明るさはさて置いて、やはり重要なのはストレスなく本を読めるのかというところ。

これはまぁ及第点なんじゃないかと思った。

先述した通り、特定のプラットフォームのコンテンツしか閲覧できない専用端末と違い、一応Android OSが搭載されているのでKindleも読めるしKoboも読めるしジャンプラも読める。

ただ、裏を返せばプラットフォームに最適化されていないので、動作の不安定さは否めない。
SoCは貧弱だし、タッチ感度もカスである。残像もあるので動画はおろかブラウジングすらもままならない時もある。
本を読んでいる途中でメモリがパンクしたのか突然アプリが落ちることも極まれにある。

3万円もするんだからもうちょっとがんばってくれよと思わないでもないが、需給のバランスを考えれば妥当っちゃ妥当なのかなぁと。

電子書籍リーダーとかいうジャンルはニッチもニッチだからね。仕方ないニッチね。

漫画の読みやすさは最高

私のスマホはXperia5 V。
インチにして6.1のディスプレイを持っている。
BOOX pageと1.1インチしか違わないので表示できる情報量は大差ないように思える。

しかしそこは天下のXperia。
アスペクト比は21:9だ。
バカなのではないか。いや、わかった上で買っているのでバカなのは圧倒的に自分なんだけど。

漫画のアスペクト比がなんぼか知らないが、少なくともこんな縦長の漫画はあまり見た覚えがない。
漫画の1ページをディスプレイにすべて表示するには短辺に合わせる必要がある。
するとわずか6センチ強の幅にすべてが詰め込まれることになる。

コミックスの幅はまぁおおよそが128mmらしいので幅にしておよそ半分。
幅に合わせるので縦も半分。
つまり表示できるサイズは1/4になってしまう(算数合ってる?)。
三十路に突入し、視力が年々落ちている私にはあまりにも苦行。

その点BOOX pageは画面幅が約107mmある。たぶん。
スマホの4倍には届かないものの、概ね実際の漫画と同等のサイズで読めるのでそれはそれは快適なのだ。

まぁあんまり漫画読まないんだけど。

普通に中華Androidタブレットでよかったのかもしれない

ここまで読んでくれた方々は薄々お気づきのことと思うが、ぶっちゃけ3万円も出すんだったら中華タブレットで良かったのでは?
という思いは尽きない。

多少の重量を犠牲にしなくてはならないが、中華タブレットは少なくともBOOX pageよりはサクサク動くし、動画も見れる。
はじめは読書をするためにと割り切って買ったものの、人間というのは欲深いもので、7インチというそこそこ大きい画面があると「動画とかもみれたらいいのに…」と自分の愚かさを棚に上げてないものねだりをするのだ。

それにBOOX pageの最大の特徴であるEInkが目に優しいかと言われれば個人的には大差ないように感じる。
夜中に電気を消して読書をする分には最小輝度にしてもまぶしい液晶ディスプレイ端末よりも最低限の明るさで読めるので眼精疲労に対しての一定の効果はあるかもしれないけど。

よく電子書籍リーダーのメリットとして上げられる「読書以外に向いてないので読書に集中できる」という点に関しては
別にスマホだろうがPCだろうが読書をする時は読書だけするし、電子書籍リーダーを使っていても片手間にスマホをいじることもできるので個人的にはぶっちゃけなんのメリットも感じない。
むしろ連絡が来た時にいちいち端末持ち替えて対応しないといけないのだるくない?

じゃあ何で買ったのと言われればひとえに私が軽いガジェット中毒であり、欲しいと思った衝動を抑えられない重度の物欲モンスターであるからに他ならない。
カスである。

メモ帳と一体型のケースがあったらよさそう

とはいえせっかく買ったものは活用しないと勿体ない。

そこで個人的にこんな使い方をすると結構活用できるんじゃないかと思いついた事例をひとつ提案したい。
いや、提案するなら自分でやれよという話なのだけれど。

個人的に本を読むと言えば大抵が小説になるのだけれど、いかんせんリアルでも人の名前を一切覚えていられないので誰がなんだったのか一瞬でわからなくなったりする。特に翻訳もの。

他にも「湧き出た感情を記憶に留めておく」ということが著しく下手なので、読んでいる最中は「具体的にこの部分でこういう感情が湧き出てそれが面白さにつながった」という明確な感想を抱いているのに、読み終わった後は「おもしろかった(小並感)」になる。
これは我ながら非常にもったいない読書体験だなと思っていたりする。

例えばKindleにせよ、koboにせよ、付箋やらメモやらの機能が一応あるし、なんならBOOX pageはAndroid OSなのでメモアプリが存在する。
なのでそれを活用すれば上記二点は解決する。
ただ、いずれもメモをするにあたって画面が遷移するので「文章を読みながらメモをする」「メモを見返しながら文章を読む」というのをシームレスにできないのが個人的に面倒で不満なのだ。
人は面倒なことは往々にしてやらなくなる。

そこで、BOOX pageにいわゆる手帳型のケースをつけ、端末の反対側、つまりケースの蓋に当たる部分にメモ用紙を2~3枚挟んで置けるようなケースがあればこれらは解決するのではなかろうか。

読みながらメモを取りたいと思った時、画面から目を離さずさっと書き込めるし、メモを見ながら読みたい時も目線移動だけで済む。
スマホでも同じことが出来るだろうが、スマホ自体が小さいのでメモ用紙一枚に書き込める量は少なくなるし、読書をしない時にも使うスマホに紙やらペンやらが常に引っ付いているのは鬱陶しい気がする。
中華タブレットでもいいんじゃないかって?じゃあ中華タブレット買ったらいいだろううるさいなぁ(逆ギレ)。

まぁこの「メモ用紙を2~3枚挟んでおく」という部分をどう解決するかは大いに課題だし、一応手帳型ケースは公式で出ているがスタンドにもなるように蓋が折れるタイプなので多分メモとかしにくい。
要は実現するには自作するしかないわけで、何を言いたいかと言えばその為には3Dプリンタが必要だよねって言うこと。

また3Dプリンタを買う口実が出来ちゃったなぁ(すっとぼけ)。

液晶ディスプレイじゃないからジップロックに入れてもぎらつかない

(2024/10/02 追記)
本機は防水に対応していない。
なのでお風呂場などで本を読む場合はジップロック等に放り込んで読むことになる(あくまで自己責任)。

電子機器の防水規格は試験で実証されているので問題ないと理性では理解しているものの、万一それが原因で故障した時のリスクが大きすぎるので、防水対応のスマホなどもお風呂場に持ち込む際はジップロックに入れるようにしている。

ところが、液晶(正確に言えば私が使用しているスマホは有機ELだが)ディスプレイが放つ光をジップロックが乱反射し、画面がぎらついて見にくくなることがある。

しかし本機は画面自体は発光せず、フロントライトも(たぶん)ディスプレイの横から光を当てているのでジップロックの袋と直線的に交わることがなく、全くぎらつかない。

何が言いたいかというと防水対応してない癖にお風呂でめちゃくちゃ読みやすい。

まぁKindleの専用端末なんかはしっかり防水対応しているようなので、そちらと比べればジップロックに入れなくてはならない分読みにくいのだけれど。

■総括

「折角電子書籍リーダーを買うならKindleもKoboも読みたいし専用端末じゃなくてAndroidが搭載されてるやつの方が良いよね」
という動機で購入している時点で薄々気づいていたが、大は小を兼ねるんだから持ちうる限りの特大を所持するべきである教の信者である私にとって、およそ電子書籍を読む以外に使い道のないガジェットは性に合わない。

逆に少しの不便を楽しめるタイプの人にとっては最高のガジェットだと思う。
あとは自室にあふれる書籍を自炊してスペースを空けたい人とか。

以上。

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