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ドキュメンタリー『Beastie Boys Story』

4月24日からApple TV+で配信が開始したビースティボーイズのドキュメンタリー『Beastie Boys Story』を観た。監督は『Sabotage』などのPVも監督したスパイク・ジョーンズ。スパイクは2018年に発刊された「Beastie Boys Book」に着想を得たそう。自分も買ってサーっと読んでたけどこの本に使われてた写真がドキュメンタリーでもたくさん使われている。

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本編はマイクDとアドロックのトークショースタイル。二人のトークは昔ヤンチャだったニューヨーカーって感じのノリで楽しい。

ビースティ結成からリックルービンと出会い、RUN-DMCを全てお手本にして、初期のスタイルを作って行く過程は初めて聞く話も多かった。まだ若く、あまりイケてなかった時代もあったというのは意外だった。

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故郷のNYを離れてLAで一緒に住みながら徐々に自分達のスタイルを確立していく。彼らのスタジオ「G-SON STUDIO」といえばDASSEN 3の『XXX JAPAN』というアルバムを録った場所として認識している(「Gサン」という曲もある)。高木完がプロデュース?してた繋がりかな。

番組では一歳年上のMCAがリーダーとして、常にビースティにアイデアを提供し、二人にインスピレーションを与えていたかが語られる。遠い日本の学生だった自分もMCAが主催したチベタンフリーダムコンサートのCDを今は亡き神保町ジャニスで借りて、チベットが置かれてる状況について知ったりと影響を受けていたことを思い出す。ビースティはMCAが声を掛けて始めたバンドだから彼が亡くなった後に二人でやるのは考えられなかったとのこと。個人的には、声質的にアドロック、マイクDの高音、MCAの低音のバランスが崩れるのは厳しかっただろう。

ドキュメンタリー内では、94年にリリースされたアルバム『Ill communication』の1曲目『Sure Shot』のMCAのヴァースについても触れている。「女性に対してdisrespectな態度はもう辞めよう、俺は全ての女性に永遠にリスペクトを捧げる」ってラップしてて、まだヒップホップがマッチョイズム全盛の時代のメッセージとして画期的だったのだことを知った。フルートループと攻撃的なラップでアルバム内でも好きな曲だったが、全然理解してなかった。ただ、マイクDも当時は「MCAのヴァース」ってくらいの認識で深く考えてなかったらしい笑 

二人がMCAがどういう友達だったかを語るシーンでは、アドロックが感極まって話せなくなったり、グッとくる。

最後に自分とビースティの思い出を。自分がヒップホップを知ってのめり込んだ15、6年前、当時の自分にとってアフリカンアメリカンが始めたヒップホップは異世界のファンタジーのようで日本人の自分は外側にいることを意識せざるを得なかった。そんな中、白人のヒップホップグループであり、且つヒップホップシーンからもプロップスを得ているビースティは自分とヒップホップの距離を少し縮めてくれた。学生時代の自分にとって同世代の多くの人と同様に「カッコイイ」の基準はビースティからの影響は大きい。音楽もファッションも。XLARGEも良く着てた。(話が逸れるけど、当時はロック好きがビースティ、ウータンからヒップホップを聴きだすことも多かった。ロックを通過せずにJ-POPをちょっと聞いた後に直接ヒップホップから入った自分としてはマウンティングしたい気持ちで一杯だった。ちなみに初めて買ったCDはハードコアヒップホップグループのONYX!笑)

ビースティの魅力の一つはPVやLiveで見せる体の動き(Body Movin')。中でも「Shake Your Rump」の1:55〜の画面奥からスクラッチに合わせて手を動かしながら前に向かってくるアドロックが無茶苦茶カッコよくてビデオテープを繰り返し見た。

NYの街中をラップしながら進んでくこのTV Liveでの動きも最高。

話をドキュメンタリーに戻して、このドキュメンタリーはビースティ好きなら是非観た方がいいのはもちろん、10代からの友達3人が30年間一緒につるんだ青春映画としても楽しめるのでみなさん是非観てみては。今ならApple TV+の無料トライアル実施中のよう。

勢いで自分が好きなビースティの曲をプレイリストにしたので良かったら。


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