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でもあの国を見てよ主義 (気候変動対策抑制カード1/12)

実質的な気候変動対策推進の足を引っ張っているさまざまな「主義」を、カードでご紹介します(カードに関する詳細は最下部にてご覧ください)。

Card#1 WHAT ABOUT ISM | でもあの国を見てよ主義

私たちの二酸化炭素排出量は、[*]に比べれば些細なものです。ですから、少なくとも[*]が行動を起こすまでは、我々が行動を起こしても意味はないでしょう。

[*]には中国、アメリカ、インド、など、あなたが住んでいない国をご自由にお選びください。

WHAT ABOUT ISM | でもあの国を見てよ主義


(政治的に)都合よく、自分たちにコントロールできない国(あるいは産業)を主犯に仕立てて、自らの責任から目を逸らす方法だ。

人口が多くCO2排出量も多い国に目をやるのではなく、さまざまな国々における個人の二酸化炭素排出量を考えてみよう。たとえば、アメリカの一人当たりの排出量は中国の約2倍である。そして中国の排出量の多くは海外に輸出している消費財の製造によるものである。また、歴史的な排出量も考慮しなければならない。また、これまでの歴史的な排出量に対しても目をやる必要もあるだろう。

模範を示すことは変化をもたらす最良の方法のひとつであり、それは反復的で先行者利益をもたらすだけでない。小さな変化が転換点の訪れるを促すこともあるのだ。

どんなに小さなことでも、それが温暖化を緩めるのであればあらゆる行動が重要となる。道徳的な観点からは、あなたが中国人であろうとブラジル人であろうとイギリス人であろうと、誰もが持続可能な生活様式に変えるべきである。CO2に国境はない。
どこかの国が排出すれば、他の国にも影響を及ぼす。温室効果ガス排出も、世界に多数存在している社会的不公正の一つなのだ。

WHAT ABOUT ISMのオリジナルの説明

先日、ロンドンの「イズリントン・クライメート・センター」を立ち上げた女性とお話しする機会があり、プレゼントに12枚のカードをいただきました。
カードは彼女も作成に関わったもので、英国発の環境保護団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)*」が著作権フリーの制作物として提供しているそうです。

*エクスティンクション・リベリオン | 市民的不服従、非暴力の直接行動を用いて気候変動に対する政治的な決断を促す市民活動団体。
(ところで、この機会にXRについて改めていろいろ調べ、UKで暮らす人たちに意見を聞いてみたのですが、おれが日本で思っていたような「過激な組織」という印象を持っている人は少なそうでした。
やり過ぎてしまうメンバーが一部存在しているものの、規模からすれば当然で、むしろ抗議活動の行い方としては「真っ当」であり、市民や警察に対しても協力的と捉えている人が多いようでした。)

日本とは文化的な違いもありわかりやすくはないものの、それでも通ずるところや感じるものが多いものではないかと思ったので、テキストの日本語訳を考えてみました。
イマイチなところも多々あるだろうなと思うので、「この方が良くない?」とかアイデアがあれば教えてください。そしてもし「イラストを含めて日本語版を作ってみたい」と思われるデザイナーやプランナーの方がいらっしゃったらお声掛けください。

Happy Collaboration!




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