週記19【漫才(憧れ)】

A:どうも。こんにちは。トーキョーサイクルです。よろしくお願いします。僕が髦ソ蜻�で、相方が鬥ャ鮖ソです。よろしくお願いしまう。

A:この文字化けさせる、というボケは下記の記事からインスパイアされました。ボケのクオリティは完全に下位互換ですので、ツッコミを待たずして、お詫びして低姿勢入らせてもらいます。(これも含め)

https://note.com/slushpile/n/naa661ea5b484

A:というわけでさ。やりたいことあるんだけどいい?まあ、よくなくても始めちゃうんだけども。漫才やってみて思うのは、やっぱりレジェンドの師匠たちの漫才とか見てても、格が違うなあ、って感心するんだよね。取る間の違いだったり、万人に受け止められる笑いのセンスしてる、というか。俺思うんだけど、俺たちもああいう風に、貫禄ある漫才師になりたいんだよ。だから、一回練習してみない?ネタもそれっぽく、レジェンドぽくしてみてさ。とはいえ、師匠たちのネタをパクるのも恐れ多いから、ネタの内容は俺たちが普段やってるやつでいいからさ、態度とか、喋り方とかに、貫禄を上乗せしてみない?


A:ん?あっ、寝てるのか
B:寝てないよ。付け入る隙なく行も文も詰めて詰めてってしてるから結果ここまで一言も喋ってない人になってるけれども。
A:じゃあ俺は弥生師匠としてやるから。お前古墳師匠な。
B:なにそれ。古墳師匠?
A:うん。「縄文弥生・古墳」っていう架空のレジェンド漫才師の、古墳さん。
B:なにそれ。ださいなあ。古墳師匠て。それなら、飛鳥でよかったな。飛鳥がよかった。

A:ガチャ。お、ういー。
B:おはよう。
A:うんー。……………そういえば、こないだの件、考えてくれた?
B:うん?何?こないだの件って。
A:いやあ、そろそろ離婚しようかって話。
B:あ、夫婦漫才師だったんだ。
A:これ離婚届ね。俺の名前が書いてあるところの右に、名前書いてもらって。
B:そんで俺が妻なんだね。じゃああなた今奥さんに「古墳」って名乗らせてるんだよ?自分「弥生」なのに。逆でいいじゃん。逆だろ。
A:まあ、漫才終わってからでいいか。
B:そうだね。漫才に支障が出てしまうね。今後ないと思うけど、漫才前に離婚の話はしないほうがいいよ。

A:で、今日の漫才なんだけど、実は新ネタ書いてきたんだよね。
B:離婚直前にネタ書いてきたんだ。もう今日が最初で最後なんじゃない?そのネタ披露すんの。
A:内容がね、コンビニ強盗を撃退するっていうコント漫才になるんだけど。
B:ネタが若手っぽいな。レジェンド夫婦漫才師なんだから、若手のありきたりネタみたいなことすべきじゃないよ。
A:まあ、台本パワポで作ってきたから、一旦見てみて。
B:あんまり台本ってプロジェクターに映して読ませるものじゃないよ。見にくいし。パワポじゃなくてワードとかでしょ、使うとしたら。



B:うん、OK。読んだ。練習しよう。
A:ダーマーレー。
B:なんだこいつ。
A:じゃあ本番まであと1時間あるから。練習しとこう。

そこからの1時間は痛快だった。
僕の想像していたビジョン通りに突っ込んでくれる古墳の姿を見ながら、僕は、彼女と出会った日、3年前に地元の公民館で中学生たちに、つまんねえ、と大声で叫ばれた日のことを思い出していた。
B:おい指毛抜きながら回想シーン語るなよ。
A:あの時に客席にいた古墳が対抗するように「おもしろいよ」と叫んでくれてなかったら、今の僕はいないだろう。
B:あと、出会ったの3年前なのかよ。レジェンドでもなんでもないよ。若手老夫婦漫才師じゃん。
あっ、だからネタが若々しいのか!?

A:そして、本番が来た。
エスカンカンカンカンカンカンカンカンゴー!オーオー。オーオー。
B:え、本番ってM-1の決勝だったんだ!
A:どーも。こんにちは。縄文弥生・古墳です。よろしくお願いします。
B:M-1決勝でブラッシュアップもしてない新ネタやってるんだ、この老夫婦コンビ。

A:いやー、この前銀行強盗にあってさ。その時に、自分の非力さが不甲斐なくて。もし今度同じことがあった時に強盗団をぶちのめしたいから、ここで練習しようと思うんだけど、強盗お願いしていい?


A:ん?あ、寝てるのか。
B:いや寝てない。黙ったら寝てると思うのやめた方がいい。
A:おい。古墳。お、おい。古墳!返事してくれよ!
B:うん、普通に返事してるよ。
A:嘘だろ…。おい…。誰か…。誰か、助けてください!!!

Your love forever
瞳を閉じて 君を描くよ それだけでいい
たとえ季節が 僕の心を 置き去りにしても

B:歌えよ。平井堅の「瞳を閉じて」を詩で詠むな。メロディーをつけて、歌え。
A:こうして、縄文も、古墳も失ってしまった俺は、新しくマーチという相方と「3月ズ」というコンビを組み、漫才を続けるのだった。
B:いや、「縄文弥生・古墳」じゃなくて「縄文・弥生・古墳」だったんかい!!



A:なるほどな。レジェンドって、こういう感じだったのか。
B:そんなワケないから。もういいよ。どうもありがとうございました。

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