(Bilt以外) アメリカでクレカを使い家賃をお得に支払う方法

クレカでアメリカの家賃をお得に支払う方法をBilt以外で紹介します。

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なぜ家賃をクレカで支払うのが難しいのか

アメリカはクレカ社会と言われていますが、クレカが使えない例外がいくつかあります。その例外も全くクレカを受け付けない場合と支払えるがその分手数料がかかるよ、という2タイプがあります。代表的なのが家賃で、その2タイプどちらもありますが、比較的最近のアパートの場合は後者の手数料有パターンが多いと思います。
実際手数料は3%ぐらいかかりますので、$3,000が毎月の家賃とすると、$90ドルぐらい手数料が余計にかかることになります。細かくいうと、クレカ自体のポイントがつきますので、1%の場合は$90-$30 =$60、2%の場合は$30になりますが、いずれにせよ痛い出費ではあります。

普通にクレカでお得に支払う場合はBiltのみ

そのため、クレカではなく手数料のかからない銀行振り込みなり小切手で支払うことがこれまでは多かったのです。ただ、2021年に登場したBilt カードは家賃を手数料なしで、しかもポイントが1%つくカードとして大きな注目を集めました。しかも、ポイント提携先も豪華で、特に高級ホテルチェーンHyattポイントに交換する場合は1ポイントで$0.02の価値がありますので、家賃$3,000なら$30~$60が毎月得られることになります。今やアメリカ人も駐在員にも必須のカードとして紹介されます(もちろん持ち家なら必要ないですが)。

なお2024年3月に発表された証券会社Robinhoodが発行予定のRobinhood Gold Cardだと全取引で3%キャッシュバックが得られるため、手数料が3%未満ならお得に支払うことが出来ますが、条件もあり、Biltのプラス1%にも届きません。もう1つU.S. Bank Altitude Reserve Visa Infiniteカードも3%、さらにうまく使えば4.5%還元となりますが、ただし家賃支払いがApple Payなどのモバイルペイメントに対応している場合のみです。
基本的にはBiltで支払うことがお得に家賃を支払う最も確実な方法です。

リボ金利0%と高金利定期口座を利用する

ではどうするかというとクレカのリボ金利0%キャンペーンと高金利の定期口座をうまく利用します。日本のクレカにこういったクレカはありませんが、アメリカでは発行後の1年間以上の期間はリボ金利が0%として特典のあるカードがよくあります。駐在員には旅行系カードのほうが人気がありあまり注目されることはないのですが、借金好きなアメリカ人にとっては非常に人気のあるクレカのタイプです。
さて、この記事を書いている段階ではアメリカでは空前の高金利となっており、銀行の定期口座(Saving、CD)が非常にお得な利息で利用できます。例えばSaving口座(月数回の引き出しならできる)なら4.5%、CD口座(引き出し不可)なら5.0%の預金金利が設定されていることが多いです。そこで家賃$3,000をリボ金利0%の期間だけ支払い残高を残す一方、その金額を定期口座に入れておけばその手数料含めた金利差分が得られることになります。

具体例

家賃$3,000として実際に見積もってみます。比較対象として、先ほどのBiltカードで支払った場合と比べてどれだけお得かみてみます。

A)1%還元が得られるカードの場合
1年間支払いを伸ばし、その代わり金利5%の預金口座に預けるとすると、まずクレカで支払った段階で3-1=2%=$60の手数料が発生します。1年後預金口座から償還されると$150が得られ、差額$90ドル得られることになります。Bilt支払いの価値が1%の$30とすると差が$60、2%なら$30となりますので、一応Biltよりはお得ということになります。

B)1.5%還元が得られるカードの場合
手数料が$45となりますので、Bilt支払いの価値が1%すると差額$75、2%とすると$45となります。

C)2%還元が得られるカードの場合
手数料が$30となりますので、Bilt支払いの価値が1%すると差額$90、2%とすると$60となります。

もちろん限度額が許す限り、リボ金利0%の間は数か月分の家賃をリボ支払いすればさらに還元が得られますし、投資に自信があるなら銀行口座ではなく株などに充てるのももちろん良いと思います。そもそも家賃以外の支払いにも使えるテクですが、ただ家賃は額が大きいのでリボ金利0%の特典をより享受できるかなと思います。

一方、クレカの限度額が低いとあまり享受できませんし、支払いの管理を注意深くする必要があります。クレジットスコアへの悪影響も可能性としてはあり得ますので、そこも注意。
実際は毎月この方法が使えるほど、クレカを発行し続けることもできませんので、やはり合間の支払いのためBiltカード自体は発行したほうが良いです。

おすすめクレカ

今回紹介した方法を使うにあたって最後におすすめのクレカを紹介します。どれも年会費は無料です(基本的に初年度リボ金利がお得なカードは年会費無料が多いです)。残念ながらBilt自体にはこの種の特典はありません。

Chase Freedom Unlimited/Flex

発行特典キャッシュバック$200とスーパーとガソリンで5%還元が得られるお得なカードとして駐在員の方にもすでに人気のあるカードですが、リボ金利0%が実は15カ月にもわたって享受できます。特にUnlimitedのほうは家賃支払いでも1.5%還元、そしてPreferredカードにポイントを移管しHyattポイントと交換するとさらにx2ということで、トータル実質3%と完全に家賃の手数料を相殺することできます。

Capital One SavorOne Rewards

発行特典キャッシュバック$200とスーパーとレストラン支払いで3%還元が得られます。リボ金利0%期間も15カ月。海外手数料も無料。

Wells Fargo Active Cash

発行特典キャッシュバック$200とどんな支払いも2.0%還元というのが魅力。リボ金利0%期間は15カ月。

Wells Fargo Reflect、U.S. BANK VISA PLATINUM

発行特典無し、支払いも1%だけですが、なんといっても21ヵ月の長期間(知る限り最長)でリボ金利0%が享受できるのが特徴。

Chase INK BUSINESS UNLIMITED

紹介する順番は最後のほうですが、実は今回最もお勧めなのがChaseのビジネスカードであるこちら。支払いはなんでも1.5%、リボ金利0%期間は12カ月と標準的ですが、なんといってもミニマムスペンドを達成すれば$750キャッシュバックが得られるのがすごい!ミニマムスペンドが3カ月で$6,000とやや厳しいですが、家賃で支払うなら全く問題なし。

試しにこの$6,000を家賃で達成するとして、このまま12ヵ月支払いを伸ばすと、先ほどの計算から利益=750(キャッシュバック)+300(口座利息)=$1,050、そして費用=(3%-1.5%)*6000=$90となりますので、結局$960が得られます。キャッシュバック比率に変換すると、960/6,090=15.7%と恐ろしい還元率です。

Chase INK BUSINESS CASH

内容はほぼUnlimitedと同じ。同様におすすめですが、還元が1%なのでUnlimitedのほうがやや優先度は高い。


内容は以上。今回の方法は2023年のような高金利時ではないとできないことはご注意。とはいってもアメリカ社会は恒常的に手数料相当ぐらいはインフレしているため実質的には損することはないかもしれません。
個人的には駐在員の間でも旅行系カードだけでなく、金利0%クレカにもお注目してもよいのではないかなと思います。よくアメリカ人はリボ払い好きで金融リテラシーが低いと批判されることもありますが、これだけお得なカードがあれば確かにリボ払いに対する抵抗感も低いのでしょう。逆にここらへんのやりくりがしっかりできているなら、リボ残高自体は大きいけど、そこまで支払いに困ってるわけではないのかもしれないですね。
なおもう多くは語りませんがリボ金利特典のあるカードは実はBalance Transferの手数料無料が設定されていることが多いので、それも組み合わせるということも可能です。

余談:Biltのダメなところ

今回この記事を書こうと思ったきっかけの1つがBiltに対する個人的な悪い意味で気になるところです。

1)セキュリティが弱い
全くBiltカードを使っていないのに突然身に覚えのない支払いが支払い履歴によく現れます。そのたびにDisputeして、詐欺だと報告し削除してもらってはいますが、、、やはり不安です。
同じ経験をされている方は結構多いらしく、Redditで"Bilt Fraud"と検索すると多くの同様の内容がヒットします。スタートアップなので、そこらへんが弱いのかもしれないです。個人的な対策として私の場合最低支払い回数5回に使う以外にBiltはまず使いませんので、その間はlockしています。

2)会社の収益構造が不透明
特典だけ見るとBiltは非常にお得です。クレカで家賃を支払え、年会費無料だし、ポイント提携先はとっても豪華。どうやってBilt社自体は儲けているのだろうかと不安に感じます。例えば以下の記事によると、要はまだスタートアップなのでそこまで利益にはこだわっていないのかもしれない、と。しかしスタートアップへの出資も細まりつつあり、もし今後は利益追求を強めていくならどんどんサービスは悪化していくのかもしれないです。家賃支払いに使えなくなることはないと思いますが、毎月の最低決済数(現在5回)が増えたり、提携先が消えたりなどはありえそう。そういえばカード会社がもし倒産したら持っているポイントはどうなるのでしょう?

https://www.offthebeatenpoints.com/bilt-has-a-problem/


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