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超小さくて超かわいいクルマに乗ってきた

先日、広島のKGモーターズさんに超小型モビリティ(平たく言えば、ものすごく小さな1人乗りEV)の試乗に行きました。

KGモーターズさんについては、こちらをご覧ください。
要するに、超小型モビリティを開発・量産しようとしている イカれた 素敵なスタートアップです。(しかも販売価格100万円!!!)

この超小型モビリティ「mibot(ミボット)」を体験してきた感想と気づきを記します。

■ 試乗とは言うけれど動かせない


試乗とはいうものの、今回は乗降したり、シートに座って計器類の視認性や、扱い安さを確かめたりというものでした。
実際に触ってみての感想を集め、開発にフィードバックしようとするものです。

この試乗会、数日に分けて開催されたのですが、参加者はこの 海のものとも山のものとも得体のしれない車 まだ見ぬ未知の魅力あふれる車を、すでにお金を支払って予約した イカれた イカした人たちです。

高速道路を降りてしばらく進み、「道間違ってないよね?」と若干不安が生じる辺りにKGモーターズさんの開発工場はあります。

恐る恐る潜入すると、眼の前に実車が!

開発中のmibot

この画像ではしっかり出来上がっているように見えますが、実際にはまだまだ開発中の痕跡があちこちにあります。

■ 実際に触って乗ってみる


評価シートを渡された私たちモニターは、ドキドキしながら試乗しました。

シートに座ってみると、「ん?ハンドル位置高くない?」そう感じます。
自分としてはもう少しハンドル位置は低いほうが操作しやすいですね。
同時に試乗した、私よりも背の低い人も、「これ、ハンドルが高すぎますよー」と仰っていました。

「ハンドル位置の高低を調整するか、シートを上下に調整できませんか?」と聞くと、現時点ではできないそうです。
ハンドルはコスト面から、シートは重心を低くして置かなければならないから、というのができない理由らしい。

mibotハンドル周り

■ mibotは「外車」だった


あと、違和感があったのが、mibotが外車仕様だったこと。

【理由その1:進行方向向かって右側からの乗降】
一人乗りなので安全性から考え、基本的には進行方向へ向かって左側から乗降します。(普通の国産車は、運転席の右側から乗降しますよね)

【理由その2:ウィンカーレバーが左、ワイパーレバーが右】
うーん、何でこうしたんだろう?理由を聞きそびれました。
まあ、なんとか慣れるかな。

ちょっとしか見えませんがワイパーレバー

■ 予想よりも快適、だけど…


なんか快適じゃないことばかり書いてしまいましたが、全体的には予想していたよりかなり快適で驚きました!
(実際に走っていないので、走行感はわかりませんが)

車体を実際に見た感じもかわいらしくて良いし、開発中に考えられた工夫が詰まっていて、改めて本当に乗ってみたくなりました。

だけど、「何とかしたいのですがコストが…」というKGモーターズさんの苦悩が気になりました。

「ハンドル位置の調整はコストがネックでできない」ということは前述しました。
それ以外にもコストがネックになっていることがいくつかありました。

例えば、後方の開閉部分です。

後方の開閉部分

普通の車だったらバンパーすぐ上くらいから跳ね上げて開閉できます。
しかし、このmibotはもっと上、人の腰部分くらいから上しか開閉できないんです。

これでは、開口部が高く、開口面積が狭いので、荷物の積み下ろしが難しく感じます。

理由は、前後と左右の部品を同じにしてコスト削減しているから。
後方を前方と違う部品にしてしまうとコストが跳ね上がるから、仕方なくこのようにしているとのことです。

うーん、難しいところと感じます。
割り切るところは割り切って、安価に提供するというのも一つの戦略・戦術なので否定はしません。
でも、ここを割り切ってしまうと、客の許容範囲を超えるのではないかと思うんですよね。

ここまでコストにこだわっているのは、価格戦略が大きく関係しています。
KGモーターズさんは、mibotを100万円で販売しようとしているのです。
「ちょい乗り需要」には市場性があると考え、そのためには価格を抑える必要があるとの判断かと思います。

でも、本当にそうかなと思うんですよね。
今、mibotに乗りたいと思っているのは、新しもの好き、人と変わっているもの好き、個性的なものが好き、かわいいものが好きといった人たちです。

そういう人たちは価格で決めません。
100万にこだわらなくて良いと思うんですよね。
経済性ではなく、かわいい、個性的、新しい、変わってる…そういうことに価値を見出しているのですから。

こういう人たちは、かわいい、個性的、新しい、変わってる…そういうこと起因の不便さは許容しますが、経済性起因の不便さは嫌がりますしね。


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