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シンエヴァを見た31歳女がアスカを好きになった話

酔っ払ってるし忘れないうちに書こう。
シンエヴァのネタバレを含みます。

まずシンエヴァめっちゃ感動した。本当に良い終わり方をしていた。
で、自分の心が一番動いたのはアスカに関してだった。

私は14歳くらいの時にエヴァンゲリオンを知った。アニメを見る前に漫画を読んでいたと記憶している。(そのあとちゃんとアニメも全部見た)
その頃めっちゃアスカが嫌いだった。
なんというか女の子過ぎるのである。
自信に満ち溢れていて、歳上の男性に憧れていて、嫉妬深くて、生理もあって、子供いらないって言ってて、口うるさくて、孤独で、でもかわいくて、、、
なんか見ていられなかった。
生々しいというか、もちろん自分はアスカほどの努力家でもないしあんなかわいさは無いし住む世界違い過ぎるんだけど、それでも共感してしまう女子っぽさがあって、なんだか駄目だった。
アスカよりも人間離れした綾波の方が魅力的に思っていた。できれば綾波よりの女の子になりたかった。でも本質的にはアスカの女子感に親近感を感じてしまうのである。アスカの見た目はほんとヒロインっぽくて好きなんだけどどうしてもあのリアルさが受け入れられなかった。(旧劇の復活のとことかはかっこよくてほんと素晴らしいと思うけど)

でもそれが今回のシンエヴァ見たら…ちゃんと彼女は彼女として成長していたのが本当に感動した。そしてすごく嬉しかったし元気を貰った。

ヒロインはだいたいヒロインのまま作品が終わる。と思う。
ヒロインが成長したあとの世界なんてあんまり描かれないのでは。まぁそこまで漫画アニメ詳しくないので全然強くは言えないのだけれど、少なくとも自分が好きだったアニメやら漫画ではヒロインはずっと若いままで、最後の方で数年後が描かれたとしても数ページ、めっちゃ成長して幸せで何もかも順調です、みたいなテンションで描かれるだけだったと思う。
アスカは14歳の姿のままで、あのキャラクターでもって世間的にはアスカとして認知されていた訳で、新劇の世界観でも見た目はそのままなのだから、多分そのままのアスカで作品を終わらせることもできたんだと思う。でもシンエヴァではちゃんと成長したアスカがいた。
シンジが寝てる(?)間、長い年月を色んなこと考えて過ごしてたんだろうな。初恋相手の、結構ダメででもやさしくてほっとけないみたいな男の子のことをきっとずっと思いながら過ごしてたんだと思う。(増してやダミープラグの件とあってますます煮え切らない感じだよなあ)
でも年月を経て、見た目こそあまり変わらなくても中身がしっかり成長して、ケンスケと改めて出会って、、歳をとってもやっぱり不安定なところがある自分を受け入れてくれるようなケンスケ的安定感に魅力を感じたみたいな流れなんだったのかなとか考えた。マリみたいな人懐っこい人との交流も作用したのかな。あの二人(アスカとマリ)は絶妙な関係値だと思う。あの描き方もリアルだ。あーゆう女子の関係って、ある。あった。女子校に通っていた私が言うのだから本当。(ただしパワーバランスはあの二人ほど安定感してなくてその時々で逆転したりする)
それで、なんやかんやあってもう最後かもしれないから、っていうタイミングでシンジに対してアンタのこと好きだった的な事を言うのは…なんか涙が出そうになってしまった。強い。強いよアスカ。本当は強くないのにめっちゃ頑張ってきたよアスカ。そこまでたどり着くのにどれだけ時間を要したの。一番頼りたかった人がずっと寝てて。ずっと長い間、喋れなくて。どれだけシンジのこと考えていたの。ほんとはめっちゃ喋りたい事あったのに多分全部飲み込んで、Qのガラスパンチみたいな展開になったのでしょう。すごいよ。すさまじいよ。
それでやっと目覚めたと思ったらカヲルくんのことで超落ち込んでるシンジがいて、、そりゃ無理矢理あのカロリーメイトみたいの食わすよね。っていうか普通にめっちゃムカつくと思う。でもシンジくんが家出しても、ちゃんと行き先は確認してたり…
(式波シリーズも感情はプログラムされていたのだっけ?)(だとしてもそこまで分かったうえで生きてくのってどんだけ辛いの…)
とにかくめっちゃ大人になってた。自分が知ってるヒロイン像とは違った。あの不安定なアスカのままではあるんだけど、そういうヒロインが成長したらどうなるのかっていうことがあの限られた時間の中でちゃんと描かれていた。

自分がエヴァと出会ったのがちょうど14歳くらいで、そこから17年経って、31歳っていうタイミングで、ここはギリギリだった気がする。
本気のリアタイで見てたら39歳とか?それだとシンエヴァのアスカとも歳が離れ過ぎていて、ここまでの共感はできなかったかもしれない。

とにかくこれですごいアスカが好きになったのである。一緒に成長してくれていたアスカ。君を見ていて、自分も大人になる勇気をもらった。今まで向き合えてなくてごめん。ありがとう。エヴァンゲリオンのない世界で、幸せに暮らしてほしい。出会えて良かった。
そしてこんなふうにアスカを描いてくれた庵野監督には本当に感謝している。ヒロインを、みんなが期待するヒロインのまま物語を終えるのではなくて、ちゃんと成長した姿を描く事で、私には勇気を与えてくれた。前向きになれるきっかけをくれてありがとう。

そんなようなことを考えていたのだけどこの話は今のところ周りの誰にも共感を得られていない。ちょっと特殊な感想なのだろうか、、でもまあこれは女ならでわの視点なのかもしれないので一応記しておく。2021年、良い年になりそうな予感がする。

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