目を逸らす、初夏。


バケツをひっくり返したような日々を過ごしている。散らばった星屑を丁寧に、丁寧に拾い集める仕事をしています。あのときのプールの授業みたい、ゴーグルなんてつけないで思いっきり目を開ける。あの子の太もも、赤く染まる耳たぶ、壊れてしまいそう。
思わず、目を逸らした。初夏。

あたしの家は豪邸なの
嘘を吐く、おんなのこ。ぜんぶ、大嫌いだったよ。私だけは好きでいて欲しかったのにね。

青が好きです。透明にいちばん近いから 、
黒々とした青を透かしてみるとき、いちばん汚いところが見えるから私たちはきっと美しいのだろう。なんて、これは嘘だけど

空に映された偽物の星屑を手に取って、その虚像をむしゃむしゃと食べる。
あまりにも不味くて、ぺっと、唾を吐き捨てた。

知ってる。あれ、流れ星なんだよ。
指を指した瞬間、眩しい光に包まれる。
しっかり目を開けておねがいごとを3回唱えるんだよ、解った?

わたし、あの流れ星になりたかった。
ちり方があまりにも綺麗で、泣いてしまいました。

心が綺麗なんだね。なんて、君は言った。
その瞬間、私はたまらなく恥ずかしくなって、轟々と燃えた。見ないで、

そうやって灰になってしまった私に、君は気づかないだろう。そこから一輪の花が咲く。
その花が枯れるとき、私はいちばん綺麗だった。ね、綺麗だって言って欲しかったの、
君に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?