永遠になれなくてごめんなさい。

冬、もう冬か。
夏から一気に冬になりましたよね。
そう話してみると、ああそうだね。
と皆、同意して、笑う。
バス停で酔っぱらいのカップルが抱き合ってキスをした。そのまた左側の女性は鼻で唸るように歌っていた。
街ビルに見えたクリスマスツリーのネオンだけが本物で、私は偽物だから、きっと視界が滲むのだろうと思う。
バスから見える景色が好きです。なんだか同じ場所をぐるぐるしているみたいで、完全では無いものに惹かれてしまう。

私は私が好きな人が好きで、嫌いだ。
人を好きになれない私は、血のかよってない人間だと言われるのではないかと脅えて、
毎日、すきです。と嘘をついている。

みんなに優しくするのはだめなんですか、

一人の人間を愛することが出来るのがそんなに偉いんですか、

羨ましいです。羨ましくて、死んでしまいたいです。

見栄でもなく、形さえなくても愛され続けるあの子が羨ましかった。

消えてしまっても、永遠になれるあの子が。

消えることすら出来ないからまた私はこうやって、毎日を消費していくのだろうけど、

永遠になれなくてごめんなさい。

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