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19歳 赤裸々

夏休みの始めに塗ったマニキュアが落ちてきた。久しぶりに再会した学友は何も変わらず、時の流れを感じさせない。だが確かに時間は流れ、何一つ自身の成長を感じられないまま20歳になる。地元では夜しか出歩かないと決めているし、成人式には参加しない。友達も両手で数え切れてしまうほどしかいない。それも、ほんの少しの間連絡を取るのを忘れてしまっただけで切れてしまうような、そんな縁の友人達だ。大人になっても寂しくないよう、最低限の交友関係は構築しておくべきだと思い、この2年間、今まで生きてきて足りていなかった分を必死に建て直したつもりだったが、やっぱり時間が足りない。

このまま社会へでて、なんの能力も無いまま生活できるのだろうか。毎週末友人達へ相談する。「どんな資格が役立つか」「今しておくべきことは何か」。今自分がなんのために頑張っているのか、その頑張りは何につながり何が残るのか。夜も不安で眠れない。

大して色も無いまま10代が終わり、この先の人生下がる一方に思えて希望もなければ夢もない。対して顔も良くなければ頭も悪いし。「若い頃の自分を見返すと天使のように見えた」「女の消費期限は短い」なんてTwitterではよく目にするし、今は若さだけもてはやされて、大目に見てもらっていた部分が大きい。高校生だった頃の2年前といまの自分、何も変わっていないのに確実に何かが違う。決して若さに胡座をかいていた訳じゃない。常にできることはしていたつもりだった。あの頃順風満帆に見えていた人生も、本人の努力の上に成り立つものだと齢19年目にして初めて知った。

今までの、ほんの少しだけど報われた努力にしがみついて今も足掻いていて、来年の今頃にはきっと楽になってるから今だけは頑張ろうと自分に言い聞かせ慰める。何年も繰り返して、失ったものと得たもの、どちらが多いのだろうか。いつも何かに追われていて、毎日毎日考えても何にもならないのに無駄に自分を苦しめている。でも諦めきれないし信じているのだ。体力の限界を超え、やっと心の安定が得られることを知った。

私、あなたのためだったらなんだってできるよ。絶対に幸せにしてあげる

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