整腸薬(生菌製剤)の処方勢力分布(2017)
厚生労働省が公表している「NDBオープンデータ(レセプト情報)」と総務省が公表している「人口推計」を利用して、整腸剤(生菌製剤)に関するこんな動画を作成しました。2017年のデータです。
各都道府県で繰り広げられる三つ巴の戦いが、非常に面白い。日本地図で一覧してみたくなりますね。
というわけで、地図上で勢力図を作成してみました。
生菌製剤勢力図
…あれ?「細粒」に「微粒」?
先ほどの動画に利用したデータは「錠剤」だけでしたので、「細粒」や「微粒」は含まれていません。これらを「錠」の単位で数えることはできないためです(というか、錠剤が主流だろうと勝手に思い込んでいた)。
今回のこの地図は各医薬品の「処方数」に「薬価」を掛け合わせた数値に基づいて作成しています。ので、錠剤も顆粒剤も同じ「円」という単位で比較することができます。動画は改めて作り直しましょう(→作り直しました)。
閑話休題。
やはり面白いことに、分布ははっきりと。
北から東日本にかけてはミヤBM。
近畿~山陽、四国ではビオフェルミン。
日本海側でラックビー。
東海でビオスリー。
九州、沖縄では再度、ミヤBM。
県民性なのか医学部教育なのか卸問屋の働きなのか。あるいはメーカー所在地の影響なのか。他社様の情報に関しては各自研究してみてください。
トップ5の都道府県別シェア
都道府県別トップに挙げられた5つの医薬品。各県別のシェアを確認してみましょう。
ミヤBMが安定してシェアを獲得している印象ですね。極端に弱い地域がない。
一般用医薬品は別
さて、今回挙げた生菌製剤の整腸剤。ドラッグストア等でも同じような名前の同じような製品が一般用医薬品として販売されています。
こうした処方せんなしで買える医薬品の販売額について、今回のデータでは全く含まれていません。レセプト情報に基づくNDBオープンデータは、医療用医薬品のデータのみが集計されています。
残念ながら一般用医薬品は各メーカーがこうした都道府県別のデータを公表していないため、勢力分布を知ることは難しいです。
2017年度、院外処方分の総額
ちなみに、全国・全生菌製剤の薬価ベースでの年間総額はいくらになると思いますか?
おおよそ、114億円です。
同じ年、院外処方された医療用医薬品の売上高ランキング70位台、「ネキシウムカプセル10mg」という一つの医薬品の売上高と同じくらいですね。
さいごに
引き続き、医薬品に関する情報を提供できればと思います。「こんなデータありますか?」などリクエストがあればコメント等にてお知らせください。
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