【参院選】投票者数/有権者数(性・年代別)の推移
2022夏、参院選。
7月10日の投開票日を前に、国政選挙における投票者数と有権者数の詳細を振り返っておきましょう。
データソース
今回紹介するのは下記サイトのPDFから入手したもの。国政選挙各回の投票状況を抽出調査しています。全数調査でないことに注意。
投票率と投票者数
下記のnoteでは投票「率」について調べました。
「割合」や「率」の調査では全数調査でないこと、標本抽出調査であることは大きな勘違いにつながりにくいかと思います。
しかし今回は「投票者数」や「有権者数」のリアルな数字を扱うため、勘違いが起こりやすいかもしれません。
目安としては、全国に50,000ちかくある投票区のうち、200程度の投票区が抽出されているため、数としてはかなり小さくなります。ご留意ください。
近年の投票(者)数
さて、近年の国政選挙における投票者数の推移をみてみましょう。
繰り返しますが、全数調査でないため表記の数値は小さなものであることに注意。
また縦軸はおおよそ5歳階級になっているものの、「18-19」は2歳分、「80+」は100歳も110歳も含む上限のない階級であることにも注意してください。
「18-19」の考慮が難しいことを考えればミスリードかもしれませんが、下に向かってキュッと絞られた感じの図になります。
近年の投票数/有権者数
つぎに、投票率計算の前提となる有権者数と投票者数をあわせたグラフを示しましょう。
有権者数のグラフを重ねてみれば投票者数だけでは見えてこない、選挙の構造があらわになります。
特に目立つのは80歳以上女性の有権者数が目立って多く、若年層は有権者数自体が少ないこと。
同年代の男女でみれば、有権者数が80歳以上でバランスしないのに、投票者数が各年齢階級でおおかたバランスしているのは面白い現象かもしれません。
また若年層は有権者数が少なく、投票率も低いため、投票者のみの図でみた下に向かってキュッと絞られる様子が強調されたようです。
シルバーデモクラシー?
「有権者の半分は投票に行かない」というのはよく聞く話で、上でみた抽出調査の結果がその根拠になっています。
そうした方々に投票に行ってもらうのはかなり骨の折れる活動になるでしょう。
しかし、ちょっとしたきっかけで投票所までいってくれそうな若年層に対しては「選挙へ行こう」という呼びかけが選挙戦略として今のところは有効かもしれません。
高齢者向けの施策が優先される政治は「シルバーデモクラシー(シルバー民主主義)」と呼ばれますが、背景には投票者数全体に占める高齢の投票者数があります。さらにその背景には有権者数全体に占める高齢の有権者数があって…と考えるとこの状況を変えるのがいかに難しいかわかるでしょうか。
ただ若年層が数的不利を投票率で挽回できる可能性はまだある、というのがグラフをみた希望コミコミの感想です。「今のところ」や「まだ」がどれだけ続くかは定かではありません。
2022年が最後の機会にならないことを祈ります。
歴代の投票者数/有権者数推移
参照先で示された歴代のデータは動画にて。
参議院議員通常選挙
衆議院議員総選挙
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