【和訳】The Weight/The Band

重荷

ナザレに着いて
半分死にかけの気分だ
どこか横になれる場所はないか

「なあ旦那、どこか
寝られそうな場所を知らないか?」
彼はただニッと笑って俺の手を握り
「いいや」とだけ言ったんだ

荷物を下ろしな ファニー
タダで持っていくんだ
荷物を下ろしな ファニー
それで、それで俺に荷物を預けな
俺にその荷物を預けな

カバンを手にとって
身を隠せる場所を探してたら
カルメンが悪魔と連れ合って
歩いているのを見かけた

俺は言った「ようカルメン、来いよ
街へ出ないか」
そしたら彼女は言った「私は行かなきゃ
でもお友達ならついてくるわよ」

さあ荷物を下ろしな ファニー
タダで持っていくんだ
荷物を下ろしな ファニー
それで、それで俺に荷物を預けな
俺にその荷物を預けな

やめときな、ミス・モーゼ
あんたがかけてやれる言葉はないんだ
ルカ爺さんはただ最後の審判を待つ身なのさ

「そういや、我が友ルカ、アン・リーはどうした?」
彼は言った「頼まれてくれないか坊や、ここにいてあいつと一緒にいてやってくれよ」

さあ荷物を下ろしな ファニー
タダで持っていくんだ
荷物を下ろしな ファニー
それで、それで俺に荷物を預けな
俺にその荷物を預けな

気ちがいチェスターが追っかけてきて
霧のなかで俺を取っ捕まえた
やつは言った「ぶちのめしてやる、俺の犬のジャックを連れていくならな」

俺は言った「ちょっと待てよチェスター、俺はやりあう気はないぞ」
やつは言った「そうか、なあ、できたらこいつに餌をやってくれないか」

さあ荷物を下ろしな ファニー
タダで持っていくんだ
荷物を下ろしな ファニー
それで、それで俺に荷物を預けな
俺にその荷物を預けな

電車に飛び乗って、いままっすぐに向かおう
カバンは重く沈みこみ もう時間だと悟ったんだ
ミス・ファニーのところへ戻る時だ、わかるだろ彼女しかいないんだ
みんなによろしくと言って俺をここへ送り出したのは

さあ荷物を下ろしな ファニー
タダで持っていくんだ
荷物を下ろしな ファニー
それで、それで俺に荷物を預けな
俺にその荷物を預けな

※注

身一つで旅に出て、出会った様々な人たちの重荷(the weight)を引き受けていく男の物語。
最後はミス・ファニー(人名? お尻 の意味も)のもとへ帰っていきます。
登場する固有名詞は聖書に因んでいるものが多いとのこと。

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