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『情報の非対称性』と生命保険

1.はじめに

『情報の非対称性』
という言葉をご存知でしょうか。

市場で取引される商品やサービスに関して、ある経済主体が他の経済主体よりも情報を多く持っている状態。たとえば、商品販売する企業は消費者よりも詳細情報を持ち、有利な立場にあること。

goo国語辞書


生命保険業界は、
この『情報の非対称性』が強い
と言われていました。

それは、保険商品が無形商材であるためです。

顧客側の知識がなければ・・・
顧客の利益を無視して、
募集人にとって都合の良い保険販売を
することが可能でした。

特にコンプライアンスが緩かった昔は、
そのような保険販売が
多かったといっても過言ではありません。

事実・・・
『職員を迎え入れ、
その身内に保険に入ってもらったら、
職員はもう不要』

保険会社はこのような形で
顧客獲得を見込む側面もありました。

このようなことにより、
既契約者のフォローが足りず・・・

「自分はいったいどんな保険に入っているのかわからない」という人が増え

保険業界に悪いイメージがついてしまった
のではないかと思います。
(他にも様々な不祥事、
不払い問題等もありますが)

話を戻します。

2.『情報の非対称性』の崩壊

そんな『情報の非対称性』が
崩れる出来事
が平成にありました。

1990年代後半。
生保流通に影響を与えることとなる
『来店型ショップ』の登場です。

これにより
顧客にとっては保険の加入タイミング
というものが変わりました。

従来→受け身
(営業が来た際に話を聞いて加入)

が、このチャネルの登場で

以後→自発的
(保険が気になるときに自らの意思で行くことができる)

と様変わりしました。

そして時はIT革命。

「インターネットでの情報収集」
という手段が生まれ

人々は「事前準備をして保険の話を聞く」
ことが容易になりました。

従って・・・この頃から徐々に
情報の非対称性は崩れていったのではないか?
と筆者は考えます。

2016年には保険業の改正により
意向把握が義務化。

「申し込み前の意向」と「最終的な意向」
に違いがないか確認が必要になったことに
加え、情報提供義務も導入。

このことは
『情報の非対称性』にとどめを刺したのでは?
と個人的に思っています。

3. 情報収集手段の変化

しかしながら
令和に入り、『情報の非対称性』
は復活したのではないでしょうか。

2000年代後半からスマートフォンが普及。
それに伴い、インターネット動画共有サイトやSNSが急速に発達。

令和では、
それらの使用は当たり前になりました。

ここで以下のデータをご覧ください。

総務省:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書

全世代のうち8割以上が『LINE』『Youtube』を使用。

『Twitter』は46.2%の利用率です。

多くの方にとって・・・
SNSでの情報収集は既に当たり前です。

また、以下のデータを見ると

総務省:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書

多くの世代で、
インターネットの利用時間は
テレビ等のメディアより長い
です。

このことから、
令和は『SNSから情報収集をする時代』
と言っても過言ではありません。

特に若年層は・・・
少し気になる情報があれば『google』
で検索して調べるのではなく
SNSで調べる方が非常に増えているのです。

では、どんな投稿を見て調べるのか?
「いいね」や「再生数」が
多いものと、少ないもの


どっちが選ばれるのでしょうか?

勿論、多い方が好まれます。

従って、
インフルエンサーの発信は
多くの方の情報源です。

残念ながら、どんなに専門家であっても、
フォロワー数が少ない限り・・・

素人でもインフルエンサーな人の書く
内容に人々の目が向くのです。

では・・・
インフルエンサーの書く情報が
間違っていたら?

誤った情報が、
多くの方の目に入ることになります。

4.『情報の非対称性』の復活

話は戻りますが、
令和に入り、『情報の非対称性』
は復活しました。

ただし、これまでと状況は違います。

これまでは
「販売側」と「顧客」の間において、
「販売側」のみが専門知識と情報を有し、
「顧客」は知識がなかった。

今は
「販売側」と「顧客」の間において、
「販売側」のみが正しい知識と情報を有し*、
「顧客」は誤った知識を持つ(可能性がある)

*残念ながら例外もあります。

私の解釈では、
今の『情報の非対称性』は厄介だと思います。

なぜなら
誤った知識を否定しなければならないから
です。

しかしながら、保険については・・・
誤った知識が取り返しのつかないことを
招くことがあります。
私たちは、それを防がなければなりません。

そして、
誤った知識の発信を抑えなければなりません。

そのためには啓蒙し続けることが
非常に重要です。

これこそが私の信念であり、
クソインフルエンサーと戦う理由です。

5.おわりに

ご自身の目の前にいらっしゃるお客様が
ネットの誤った情報に流されているケースは
あまりないかもしれません。

ですが、きっとこれからこのような方は増えていきます。
(増えてほしくないけど・・・)

最後までお読みいただいた皆さま、
誠にありがとうございます。

今後とも
ぴーめんをよろしくお願いいたします。

追伸

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