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病床利用、半数以上で緊急事態の可能性?

新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長… また、おかしなことを言っている。安倍内閣の大臣や知事たちにも同じことが言えるけど…。

尾身会長は、新型コロナウイルス感染症対策分科会での議論として、感染拡大の進行状況を表すステージについて報告した。ステージ3を判断するための6つの指標を出した。ステージ4については、感染拡大によって医療崩壊が懸念される事態を想定しているとの事。(参照: 時事通信 2020年08月07日23時26分)

けれど、新型コロナの患者数だけを見てステージや医療崩壊の懸念を考える事には、大きな問題がある。

病院や地域によって変わる部分はあるけれど、新型コロナ以前からの既存の難病患者や慢性疾患の患者は、4月以降、必要な診察や手術を延期されている。私もそんな患者の1人だ。

(例えば歯科などは、顔が腫れ上がって変形するほどの炎症や状態の悪化がなければ、手術や抜歯には踏み切らない、という状態。新型コロナ患者を受け入れている病院としては、慢性疾患の患者は感染リスクが高いので、院内感染を考慮して診察や手術はなるべく延期している。

慢性疾患だけでも感染症のリスクは高まるので、診察回数は減らす。慢性質感の患者に手術をして傷を作ると、持病の危機は脱しても、新型コロナなどの感染症のリスクは更に上がってしまう。なので、よくよく病状の悪化した患者以外は手術を延期するという判断になる場合が多い。 

ある市の保健所には、この手の相談電話がかかって来る事があるそうだ。「かかりつけの病院では手術を延期されたけれど、患部が痛い。辛い。手術をしてくれる病院はないだろうか?」という相談だ。)

延期によって病状の悪化や合併症、後遺症に見舞われる可能性が高まる患者たちの負担によって、新型コロナのための病床を作っている(増やしている)のが現実だ。

必要な手術や治療を延期されている既存の患者たちの件数を入れたら、ステージ3の病床の逼迫なんてとっくに達しているだろう。

7月には、医療職者のストライキも起きた。

コロナの患者対応が増えて、既存の患者の診察を減らさざえるを得なくなったために、病院経営は赤字となった。コロナ対応で自宅に何日も帰れないまま、勤務を続ける医療職員達が出てくる状況の中で、賃金や報酬の減額が発生、退職による更なる人手不足という悪循環が生じている。

すでに医療はずっと、逼迫した状態だと感じられる。政府はコロナの感染者数や重症患者の数だけを見て【4月ほど悪くはない。再度の緊急事態宣言を出す段階ではない】という趣旨の発言を繰り返しているが、5月の宣言解除以降、実際は時間が経つごとに医療状況は悪化していると言って間違いではないだろう。

この後を考えても、ロクなことが浮かばない。

国が個人事業主への休業補償だけでなく、いま最も優先されるべき医療職・病院への補償をしない以上は、病院が潰れるか、野戦病院状態になりかねない。ベッドが用意できたとしても、治療できる医者や医療機器の不足に、患者はベッドに転がっているしかないような可能性の未来。

そして、仮に新型コロナが終息したとしても、必要な診察や手術を延期された患者の病状悪化については、国は何も保証をしないだろう未来。

政府の発言も、尾身さんの発言も、いつも玉虫色に変化して非難を回避しようとしているけれど、根本的な解決に着手しない無責任な姿勢は隠せない。

お盆休みの問題だってそうだ。国民1人1人への「お願い」は、本来国レベルの仕事ではない。国の仕事は、まず各企業へ休暇の取得時期をズラすように通達する事が先だろう。けれど未だに政府は、時差通勤でさえ徹底させていない。感染が拡大するのは当たり前だ。

医療はすでに逼迫しているし、緊急事態を出すべき状況はずっと続いていると感じられる。第2波はもう、とっくに始まっているのだろう。


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