ウェッジのセッティング、どうするか問題(最終回)

みなさんこんにちは!
プレミアムゴルフスタジオ フィッティングチームの藤原です。

ここまで3回にわたりお話させていただいている「ウェッジのセッティングをどうするか」という問題について本日も考えていきたいと思います。

ウェッジセッティングの最初の記事をまだ読んでいないかたはまずはこちらから読んでいただけるとわかりやすいかと思います。


※注意※
ここではボールに上手く当たる、当たらないという問題はシャフトの問題やバウンス形状など様々な要素も入ってきますので、無視できない要素であることは重々承知の上ではありますが、今回はロフトの問題のみにフォーカスを当てて考えて行きたいと思います。

早速ですがロフトセッティングを決めるにあたって大事なお話をしたいと思います。

何度も言うようですが、まず一番大事なのはウェッジをどういった用途で使用するのか、ウェッジに何を求めるのか、ということです。

前提として、アプローチに苦戦しているという方向性なので、アプローチの何が苦手なのかという事を考えてみましょう。


イメージしやすいかと思いますので想定される状況別で考えていきたいと思います。

①バンカーが苦手
②エッジから距離のあるアプローチが苦手
③エッジから距離がないアプローチが苦手
④番手間の中途半端な距離が苦手
⑤池越え・バンカー越えが苦手

このあたりでしょうか。

それでは順番に考えていきましょう。

①バンカーが苦手
私の想像ではフェースを開くのが苦手なかたが多いといった印象です。フェースを開ききれずにロフトが立った状態でエクスプロージョンショットを打つことになりますが、上手くボールの下の砂を取って振り切ったとしてもボールが飛びすぎてしまうことが多く、ボールが止まらなかったりホームランが怖くなって振れなくなり、砂の抵抗に負けてバンカーから脱出出来ないというループにはまるパターンが想像しやすいです。

こういったかたは58度以上のロフトのウェッジを入れることをおすすめします。

セッティング例 

50/54/58
50/54/60
50/56/60
48/52/58

などでしょうか。50/54/58は現状SWに56が入っているかたむけです。ロフトピッチも揃っていてバランスはよいかと思います。50/54/60のセッティングだとメインウェッジは60。50/56/60だとメインウェッジは56で60をバンカー用としてでもよいかと思います。48/52/58は昔ながらのロフトセッティングといったイメージです。

②エッジから距離のあるアプローチが苦手
おそらくアプローチの際にすくい打ちをするかたや打ち急ぐ方に多く、ボールの打ち出し角/初速/スピン量が安定しないためにエッジから距離のあるアプローチで距離感が安定しないのかなというイメージです。

こういったかたはPWやギャップウェッジ(以下GW)でアプローチをすることによってスピンの入りすぎを防ぐとともに、飛ぶクラブでスイングスピードをあげてしまうとボールが飛びすぎる(当たり前ですが)のでゆっくり振る練習にもなるかと思います。ということでGWを入れることをおすすめします。

セッティング例

50(GW)
/56 (2本セッティング)
50(GW)/54/58
48(GW)/52/56

などでしょうか。2本セッティングのパターンは、ボールにスピンを入れる/入れないのメリハリがつけやすいのでクラブの選択肢が少なくなることで攻め方をシンプルに考えられるかと思います。

③エッジから距離がないアプローチが苦手
こちらも②のパターンと同じく打ち急ぐかたが多いイメージです。手打ちになってしまうと小さい動きができないため、どうしてもスイングスピードが速くなってしまったり、振り幅が大きくなってしまいインパクトで緩むミスが想像できます。こういったかたもセッティングは②と同じでよいかと思います。

セッティング例

50(GW)
/56 (2本セッティング)
50(GW)/54/58
48(GW)/52/56

使用するクラブはロフトの多い56や58を選ぶもよし、GWをパターを振るように使用してほぼ転がしで寄せるという選択肢もありだと思います。イメージの出しやすいほうを状況によって選んでいただくといった感じでよいかと思います。あとは練習あるのみです。

④番手間の中途半端な距離が苦手
こちらに関して言わせていただくと、上記①②③のセッティング例にあるようにウェッジを多めに入れることでロフト間の差(ロフトピッチ)が少なくなるので、クラブ選択(ロフト選択)が多くなることで自分の振り感で調整する量が少なくなります。PWのロフトを確認し、それ以下の番手(ロフト)を選択しましょう。こちらに関しては先日お話させていただいた「PWとAWの中間のクラブをどう選ぶか」という内容も参考にしていただきつつ、そのロフトから何度刻みで入れるかという観点でロフト選択していただければと思います。

セッティング例

50/54/58 (4度ピッチ)
50/55/60 (5度ピッチ)
50/53/56 (3度ピッチ)
48/53/58 (5度ピッチ)
48/54/60 (6度ピッチ)
52/56/60 (4度ピッチ)

などなど。50/53/56はほぼ見たことはないですが、クラブ本数に余裕があるならクラブ任せのアプローチができるので面白いかも知れません。

選択肢はこれ以外にもいくらでもありますが、ピッチを揃えるというのがポイントです。

⑤池越え・バンカー越えが苦手
はっきり言ってしまうとこの状況は上級者・プロでも難しい状況です。できることならばこういった状況にならないように攻める、というのがマネジメントの極意でもあるのですが、それを防げるなら苦労しませんよね?ということでこういった状況のためにクラブを入れるとするとロフトの多いクラブを入れるというのが一番簡単です。使用頻度は少ないかとは思いますが、それをカバーするのために1本抜くぞ!といった気合の入ったかたのためのセッティング例はこちら。

セッティング例 

50/54/60
50/55/60
50/56/62
48/52/58
48/54/60
48/52/56/60

などです。ロフトの多いウェッジは難しい、と言われてきましたがウェッジが多くなってきたセッティングになったことで、54などのチョイスが増え、飛距離の問題もカバーできるようになってきています。それに加えて、練習量の減ってきたゴルファーが急にロブショットを打つのは難しいので簡単にボールを上げられるクラブを入れるのはある意味正解かも知れません。
実は私自身もそれは感じていて、簡単に球が上げられるクラブを入れたいなと思っていたのでこのセッティングは試してみようかと思っています。


ということでいかがだったでしょうか?

参考になるかはともかく、いろいろなバリエーションを考えるいい機会になりました。

今回はウェッジのロフトセッティングにフォーカスを当ててお話してきましたが、これに加えてウェッジを決めていくには、バンス選択やシャフト選択、長さ/バランスetcまだまだ選択肢があります。

そのあたりも総合的に踏まえて決めていけばショートゲームは充実していくのではないかと思います。そしてコツコツ練習も大事です。

フィッティングに足を運んでいただければ、今回のようにクラブのセッティングなどクラブのお悩みにお答えできるかと思いますので是非一度ご相談いただければ幸いです。

フィッティングの詳細・予約はこちらから。
それではまた。


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