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変わったこと、変わらないこと

この前、ベトナム時代の上司から急にLINE電話がかかってきた。天真爛漫という言葉がぴったりの、明るくて面白くて素直で、話すとたちまち元気になる、大好きな人。もうすぐ、二人目の子どもが生まれるらしい。こんな状況じゃなかったら、一目散に会いにいっていたのに。はやく、会いにいきたいな。

このところ東京は、外に出ると人の数が前と比べて圧倒的に多い。日常が、戻りつつあるのかもしれない、と思う。2月の末からずっと家にいて、自分の内へと向き合う時間が増えて、変わったこと、変わらないこと、がある。ロックダウンが終わったベトナムやフランスの様子を見ていると、なんだか何事もなかったような日常が戻っているように思う。ハノイの道路はまた、通勤時間には大量のバイクで溢れているし、パリの公園の芝生やセーヌ川には、大量の若者が集まって人との接触を楽しんでいるように見える。

「もしかしたら、ずっと家にいたこの3か月間が、自分にとってもなかったこととして、忘れ去られてしまうのではないか」と、心配している。なので今思っていることを、忘れないようにここに書いておこう、と思ってパソコンを開いた。


1.働き方

まず、この三か月間わたしの1日の多くの時間を占めていたのは「働く時間」だった。家にいるとつい集中してしまうので、いつもより残業時間が多かった。

正直、コロナの前から、もともと週に一回はリモートワークで働いていたので、あまり家での仕事に不便はなかった。最初の方はローテーブルで仕事していたので姿勢も悪くなり、オフィスの椅子のありがたさを感じていたけれど、途中で仕事用の机と椅子を買ったおかげでわたしの姿勢は保たれた。

通勤がないぶん、同僚と「もくもく会」と称した朝活をはじめ、毎朝英語の勉強を始めたり、記事を書く仕事は家の方が集中できることにも気づいたり、 ZOOMの会議も以外にみんなフラットで、みんなに発言機会があり、悪くない。オンラインで話すとみんなの反応があまり見えないのでなんだか普段より緊張するけれど(いまだに)、家で働く環境は、もうだいぶ改善され、割と快適だ。

「リモートでも働ける」と、今回のコロナで確信したわたしが働いている会社では、外出自粛期間が終わっても、リモートワークが可能になるようだ。これまでのように家で働くのもよし、カフェに行くのもよし、地方や海外を旅しながら旅してもよい、ということだ。(なんていい会社なんだろう・・・)

「オフィスに行かなくてもいい時代に、行きたくなるオフィスってなんだろう?」ということで、いまはオフィス改造計画を実施中。それも、とても楽しみだけど、「もう家も十分快適だからな・・・わたしがオフィスに行きたい、と思うとしたら、何を目的に行くのだろう?」と、考えてみる。

やはり思い浮かぶのは「人」。わたしは、とにかく会社のみんなが大好きだ。あったかくて、まっすぐで、多様性を重んじて、どんな意見も否定されずに、応援してくれるし、失敗しても誰も責めたりしない。どうやったらこんな素敵な人たちが集まるのだろうと不思議なくらい、誇りを持ってわたしは、会社の人たちが「大好きだ」と言える。

リモートワークで一番嫌だったのは、会社の人たちと雑談したり、お菓子交換をしたり、業務後に飲みに行けなくなったこと、だったと思うし、改めて「目的ない会話」こそが、人と人の絆を育んだり、「会社、好きだなぁ」という実感だったり、帰属意識や安心感を生んでいたのだとしみじみ思う。業務の会話やプロジェクトを進めるための会議は、むしろオンラインで十分かもしれない。リモートワークになってもわたしは、みんながいるのなら「雑談をするために」オフィスに行きたい、と思うのだろうな。


2.生活

リモートワークになって、わたしの生活は潤った。朝・昼・夜と自炊するようになったし、余計なモノは買わなくなり、メルカリで身の回りのモノを整理した。スーパーに行く頻度が増えて、季節の野菜や果物なども大体把握してきた。(今までどれだけ外食に頼っていたか・・・)掃除や生活も丁寧にし出し、これこそが人間としてあるべき姿だな、と思う。

ただ、都心で一人暮らしのわたしは、この期間何度友人に「人と住みたい!」と、嘆いたかわからない。いまの一番の願望は、「大好きな恋人or友だちと猫と、都心から少し離れた自然豊かなところで、家庭菜園しながら暮らすこと」だ。(鎖国が終わったら、海外に住みたい!!!)

またこんな状況が訪れたときのために、もういっそのこと普段から「今一緒にいたいと思う人たち」と、「今行きたいと思う場所」で、暮らしてしまいたい。家族の概念も、もっと広くていいのではないか?と、最近思う。「同じ家に属する人」くらいのくくりで、大好きな人たちと暮らせれば、もうどんな荒波にも負けないのに・・・と、考える日々である。住む場所の需要も都心の1Kから田舎の一軒家になりそう・・・(というか、わたしの願望。)

3.趣味

趣味がとにかく増えた。新しく始めたのは、ピアノ、刺繍、ipadでお絵かき、Youtubeチャンネルをつくった(だけ)、ラジオチャンネルをつくった(about 東南アジアの生活。毎晩収録している)、フランス語の勉強を始めた、などなど。

家にいることが、快適になりつつある。

4.友だち

予定が合わせやすくなり、いままでなかなか連絡を取れていなかった友人たちとZOOMに集まれるようになったり、友人と毎晩ラジオの収録ができるのは、今だからこそ。

改めて、第三者とのつながりを介して「自分」って形成されていくんだな。

最近、ハマっているのがStandFMというラジオアプリの「Live配信」機能。「生活音」だけをただ流しているチャンネルに不思議と人が集まっていたり、今いろんなコンテンツが溢れている中で、プロじゃない人たちがただぐだぐだと話しているのが聴きたくなって人が集まっていたりする。

「知りたい」「聴きたい」「見たい」だけなら、動画を見ればいいし、本を読めばいいし、ラジオを聞けばいい。でも、そうじゃなくて「誰かと同じ時間を共有したい」という思いを持っていて、それはたぶん今までみんなが、カフェやコワーキングスペースで勉強したり作業していたことに似ているのでは、と思う。みんな、一人でいたいけど、一人でいたくないんだよな。


外出自粛が終わって、一番最初に会う人は誰だろう。わたしはなにに一番喜びを感じて、またnoteに、文章に、残したいと思うのだろう。

いつも見てくださっている方、どうもありがとうございます!こうして繋がれる今の時代ってすごい