見出し画像

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 イノセンス 感想(主にネタバレ)

お久しぶりです。
まだ、生きてます。

急に雰囲気がガラッと変わって押井攻殻の話を、
ガッツリネタバレするので、GITSとイノセンスを見てから読んでね


まずはあらすじのおさらいを…
の前に、設定、世界観の説明を少し、

脳の一部(〜大部分)を機械に置き換える電脳化(脳を直接ネットに繋げれるよ。)と、
身体の一部または全部を機械に置き換える義体化(電脳で制御してるから先に電脳化するよ。)の技術が進んだ近未来

そして、もちろんロボット技術も進んでいますが、けっきょく人間にはあってAIやアンドロイドには到達できていない、個人の心とか魂とか意識とかそんな感じの(説明が投げやりになるような)概念がゴーストと呼ばれています。

GHOST IN THE SHELL

そんな近未来、高度化するサイバーテロに対応するための組織「公安9課」に所属する全身義体のサイボーグ草薙素子(通称「少佐」)ですが、彼女には2つの大きな悩みが、

1つは、はたしてゴーストはそのままでも、身体(義体)や記憶が変わってしまったら、それは自分と言えるのだろうか?ということ、
少佐が9課を抜けることはできますが、義体は組織の支給品、記憶も国家機密に関わることを知っているのでそれらを政府に返さなくてわ…そうなってしまったら、はたしてそれは自分といえるのでしょうか?

もう1つは本当に自分のゴーストは自分のものなのか?ということ、
もしかしたら自分はとっくの昔に死んでいて、今の自分は実は模擬人格なんじゃないか?もっと言うならそもそも初めから私なんてものは存在しなかったんじゃないか?
これは「そうでない」ことを証明できないと同じくらいに「そうである」ことを証明することはできませんよね。
今の少佐は「ロボットやAIにはゴーストが宿らない」から、たぶん自分のゴーストは自分のものだろうと思えるようなものです。

と、そんなときに(ちょっと順番がチグハグですがそこは本編見て)現れた、他人の電脳をハッキングして人形のように操る凄腕のハッカー「人形使い」ですが、こいつをとっ捕まえてみるととんでもないことが、
実はこいつ正体は人間ではないくAI、人形使いの電脳には1欠片の脳も入っていませんが、ゴースト"っぽい"ものをこいつが持っているかもしれない…
さらに人形使いは自分をネットで生まれた生命体だと主張してきます。

もしも本当に人形使いにゴーストが宿っているなら、「AIにゴーストは宿らないから」自分のゴーストを(半信半疑ながらも)信じてきた少佐は根底から覆ることになってしまいます。
(これは実は少佐はAIだったという話ではなく、あくまでもそうでないことは証明できないって話です。)
だからこそ少佐は人形使いが持っているものが本当にゴーストなのか確かめなければいけません。

ここから人形使いが何者かに連れ去られたり、なんやかんやあって、少佐は敵に追い込まれながらも人形使いと電脳を繋いで対談することに、(ここは本編見て)

このとき人形使いは敵から逃れるために、少佐と融合することを提案します。(たぶん人形使いは、そうなるように追い込んでいったような気がします。)
少佐が(融合後に)自分が自分でいられる保証を聞くと、その保証はできないと、(融合することで少佐でも人形使いでもないものになるらしい)
と言うのも、そもそも人は常に変化していくもので、そして人形使いにはそれができないがために生命として不完全だと言うのです。(だから融合して変化できるものになりたがっています。)

ここが1つ目のお悩み回答ですね。端的に言うと自分が変わってしまうことを恐れていた少佐ですが、それこそが人間であり、それができないと生命体として不完全だと人形使いは言います。

そして少佐は人形使いと融合することを決意し、義体と電脳を捨てて、敵から逃れそのまま9課からも行方をくらませます…


という感じで、大きなテーマとしては「自分とは何か」なんだと思いますが、さらに2つに分けて、
「今の自分とは変わってしまってもそれは自分なのか?」は、そもそも人は常に変化するものであるというのがこの映画の回答ですね。
「そもそも自分は存在するのだろうか?」の方はこの映画では保留なのかと、組織を抜けて自由に動けるようになった少佐はこれからそれを探しに行ける、そんな終わり方なんだと思いました。


イノセンス

前作のGITS 少佐の失踪から3年後、少佐の相棒だったバトーさんが主人公です。

こっちのあらすじはさらっとしますが、仕事の相棒(ということにとりあえずしときます)を失ったバトー、まるで失踪前の少佐のよう、
そんなころヤクザと手を組んだガイノイドメーカーの陰謀に巻き込まれる話です。

ここでバトーは敵のハッカー、キムに電脳をハッキングされて疑似体験の迷路に閉じ込められるシーンがあります。(幻を見せられて、夢の中に閉じ込められるみたい感じ、)
なんとか迷路から抜け出したバトーにキムは、ここが本当に現実だと言い切れるのか?とカマをかけますが、
これに対してバトーは、ゴーストが信じられないやつに、狂気だの精神分裂だのってものはない。と言い切ります。

つまりここがGITSで投げっぱだった「そもそも自分は存在するのだろうか?」のアンサーなのかなと、けっきょく自分を信じるしかないというのが、GITS公開から9年経って出した答えなのではないかと感じました。


なんか思ったより長いうえにあんまりまとまりのない文になってしまいましたが、とりあえず今回はこの辺でおしまい!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?