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近年の塗料業界の概要と競争戦略。

近年の塗料業界を俯瞰すると、2008年の世界金融危機以降、日本経済全体が冷え込み、国民は自動車や家電製品など耐久消費財を買い控えることになったため、耐久消費財に塗装されている塗料の消費量も年々減少している。さらに、国内労働人口の減少やグローバル化に対応するため海外に生産拠点を移す製造業が増えていることに加えて、自動車が電気自動車に代わることで、部品点数の減少による塗装面積の減少など今後も国内塗料消費量は減少していくことが指摘されている。その一方で、塗料卸売業界が供給する製品の買い手である国内製造業・建設業は、競合他社との差別化に取り組む企業が増えており、その差別化戦略の1つとして塗膜 の基本的役割である美観・保護・機能の3つのいずれかを追求することで製品の付加価値を高め競争優位を築こうとする動きが見られる。このため、全体として塗料の出荷量は減少するが塗膜の付加価値を高める戦略も多く見られ、単価の高い塗料を使用する場合が増えており塗料卸売業界の市場規模は堅調に推移していくものと考えられる。  

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