令和にフリクリを観た

初見。フリクリがめちゃ面白かったので感想を書く。

2000年にOVAとして全6話で公開のアニメ。制作はあのガイナックス(とProduction I.G)で、監督は鶴巻和哉、キャラクターデザインは貞本義行(!?)。

まず、純粋にアニメーションが最高。演出が実験的というか、好きなもの作ってる感がマジでかっけー、んだけど、それだけではなくて、展開もちゃんと面白かった。ギャグのノリは古い。(ミニコミ誌ってなんだよ)話は難しそうで意外とおとなしめ。フリクリとは何か、というのもちゃんと教えてくれるので結構親切だなと思った。

主題歌はthe pillows。とにかく全編通して流れる。作中の半分くらいは歌詞ありで流れるんだけど、流れるシーン全部かっけーんだわ。なんかすげーかっけーギター出てくるし。(ギターとバイク趣味全開でよう知らんけどまあかっけーからよし)

それからスタッフ。監督、キャラデザを見ても、もはや見なくても分かるくらいエヴァ。エヴァの特質性は庵野監督からだけではないということを知った。特に有機的なメカ(曲線的なロボの動きというか…)、腸の様なケーブル、そして覚醒演出。顔のアップもエヴァ。なんならパロディ、メタネタもあるし。

セル画なので旧エヴァっぽいんだけど、今作のヒロインであるハル子は新劇のマリに似ている。メガネっ子趣味やにゃんにゃんしているところが似ているが、それが鶴巻監督の趣味だとすれば、マリ=鶴巻監督説はこれが根底にあるんだろうなというのが分かった。

人で言えば他にも、めっちゃ銃撃ちまくる回は今石洋之ぽさがこれでもかというくらい出ている(パンストみたいな激しすぎて疲れるやつ)とか、吉成曜的アニメーションもあったり、あとこれ絶対すしおじゃんみたいのだったり。ガイナックスだから当たり前なんだけど、TRIGGERを感じて終始ニコニコしてしまう。そして、ルル子が壮大なオマージュであったことに驚いた。

TRIGGERみであれば、ヒロインハル子の声が新谷真弓さん、キルラキルの乃音様やリトルウィッチアカデミアのスーシィなどなどのTRIGGER声優だと認識していたので色濃く感じられた。めっちゃ好き。TRIGGER←ガイナックスの流れを遡るのは本当に楽しい。

やっぱりエヴァを意識しちゃって、考えてると、エヴァで頭でっかちになったオタクのための警鐘だったんじゃないかなーと思う。ただ、残念ながらそのメッセージが届かなかった結果が今なんですが。

アニメは幼稚だとよく思うけど、そうだし、それでよくて、むしろ子供でいるためのアニメとしてフリクリはオタクを肯定してくれる。正に、脳味噌のシワを真っ平らにする、でっかいアイロンみたいなアニメだった。こういうアニメがもっと観たいよ~~。


おわり



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