「忘れちゃうひととき」を聴きながら今日一日を振り返る

2020/06/14

朝起きた時、部屋の中にジメジメとした感覚があった。ベランダに出てみるとアスファルトが濡れていた。夜は雨が降っていたのか。

大阪での暮らしはもう4年目を迎えようとしている。関西には関西特有の湿気がある。実家の長野のジメジメとは、また違う感覚だ。

今日の予定を確認する。今日は日曜日であるにも関わらず、会社の資格の試験が行われる。合格することができれば、僕の社会的地位と給料は少しだけ上に上がるのだが、そんなことはどうでもいい。そういう事はゴマすりが得意なやつと家族を守るっている明確な目標がある、正義感と責任感の塊みたいな奴らに任せることにする。

家を出る。電車の乗る時、最近は何かを聞くようにしている。今日僕が聴いたのはアマゾンAudibleの「たった一日で声までよくなる話し方の教室」だ。

人に何かを伝える時、一番大事なのは、素晴らしいプレゼンか、それともすごい文章で作られた脚本か。確かにそれも大切なのかもしれないが、一番大切なのは話し方なんだと思う。あまり人の話を聞かない僕がこんなことを言うのも変な話なんだが。

この本はアナウンサーの魚住りえさんが自分の経験に基づいて、発生の基礎とか、話し方のコツを教えてくれる内容になっている。僕はこの本を音読してもらっている内容をただ聴いている。蒸し蒸しの電車の中で。

今日聞いたエピソードは伝えることの重要性だ。優秀な脚本家の方や、とても素晴らしい話であっても、話す人間が伝え方を上手く出来なければ、物語がすべて入ることは無いという。逆に捉えれば、話す力があれば、どんなに陳腐な脚本であっても、それ最大に活かすことができる。と。そうそう。そういうスキルがほしいんよ。

電車で移動する30分の間に聞けたのはここまでだった。続きはまた明日の楽しみにしておこう。

電車からおりて会社にむかう。日曜日に半強制的に試験を受けさせるこの会社。いつか滅べと心に念じながら、試験をうける。試験開始後、1時間が経過した時点で席を離席しても良いという指示があったのだが、あまり早く席を立つと今度は周りの先輩方から注意を受けることになる。こういうときは面倒だが最後まで残り、会場の片付けを手伝った後、さっさと帰る作戦に出たほうが都合が良い。

家に帰り、本を読む。

今日読んだのはポール・アラン・コックスの「ナファヌア」という本だ。

アフリカの東端に位置する(らしい)先住民、サモア人と植物学者のポールの話。このポールという人は世界で20人程度しかいない植物学者の中の一人で、さらにその中でも世界的権威をもつ人物らしい。すごすぎてよくわからん。

「薬草」といえば、僕はまず先にドラゴンクエストが浮かんでしまうのだが、ゲームの世界であれば、HP(体力)を回復させるために使うのがこの薬草だ。

現代には様々な病気が存在し、今回のコロナウイルスのように、その度人間を困らせているのがバイキンちゃん達であるが、この菌やウイルスといった病原菌をやっつけることのできる抗体となる成分は、地球上に存在する植物の中に必ず存在する。らしい。

しかし、時代の変化や社会の急速的な発展によって、今までは普通に存在した植物が姿を消したり、絶滅危惧種として認定されるようになったりと、存在していたはずの植物が消えること=病原菌に対する対策を失うこと。にもつながることが、この本には記述されている。

今僕が読んでいる章ではサモアコウモリという2mくらいのコウモリを絶滅危惧種に認定し、国立公園として森林一帯を保護する頃により、このコウモリを守ろうとポールとその仲間たちが奮闘している。ずっと前から読みたくて、やっと時間をつくって半分まで読むことができた。


僕は今、フィッシュマンズの「忘れちゃうひととき」を聴きながらこれを書いている。


明日の朝は早い。4時の始発にのって、会社に行かなければならない。

自分のやりたいこと。は沢山ある。

やりたいことをやるにはどうすればいいか。という問いに、甲本ヒロトは

やればいい」


何かをやる為には、
ついでに「やらなければいけないこと」がくっついてくるんだよな世の中。
大人になると。

子どもの時はさぁー、やりたいことがあります。
やりたいことがある為には、
「これを、やらなければいけない」って、くっついてくる。

子どもはさぁー、「やらなければいけないこと」が克服できないんだよ。
だから、やりたいことも我慢しないといけない。
それは、しょうがないじゃん。
子どもなんだもん。

だけど、大人になってくると何が違うかというと
「やりたい」ことにくっついてくる「やらなければいけないこと」
を克服できるパワーが、大人になったら備わってきてさぁ。
それを全部、解決していくんだな。
そして、「やりたい」ことをやるというところに到達できるだ。

だから、こどものころから変わってないんだよ、やりたいことは、たぶん。
それが、できるようになるのが大人だからさ。

だから、たとえばさぁ、10代の頃できなかったからって
諦めなくていいと思う。
ハタチになった、三十歳になった、40歳になった時に
あ~、あの時できなかったこと、
今ならできるという大人になってるかもしれないじゃないか。

だから、もう1回でも何回でもチャレンジできると思うぜ。


甲本ヒロト