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カントリー・ヤード(ザ・ヴァインズ)

なんだかこの曲みたいな気持ちなので訳してみた。日本盤の対訳だと「田園地帯」と訳されているんだけど、なんかしっくりこない。クレイグはシドニー郊外のわりと自然もあるあたりで育っていて、自分の家の庭を気に入っていた。ベースのパトリックは「べつに自然豊かってわけじゃなくて、フェンスで囲われた、芝生が生えてるだけのありふれたちっぽけな庭なんだけど、本人は気に入っているんだよ」とちょっとケチをつけるようなことを言っていたが、でもそこはクレイグにとって無限に夢想が駆けていくような秘密の庭園だったんだ。それはおれにはわかる気がするけど、ふーん、パトリックにはわかんねえんだね。

というエピソードを知っていると、counrty yardは郊外にある実家の庭のようなイメージが浮かぶ。それか郊外の原っぱだろうか。うーん、でもファーストのトラック・バイ・トラックでパトリックは「オータム・シェイドと似たような題材の曲」と言いつつクレイグの家の話をしてるから、やっぱり実家のイメージが強そうだ。あと(I was taken by) the shadowsって影とか幻影って訳すのがよさそうだけど、そういうのも込みの夕闇をなんとなくイメージしている。shadowsだけなら夕闇や夕暮れって意味でいいと思うけど、まあこれも誤訳かもしれない。ところでこの曲はもともとファーストに入れるつもりはなかったらしく、一度デモを録ったきりでライブもほとんどしていなかったのをプロデューサーのロブ・シュナッフが気に入ってレコーディングをすすめたらしい(https://roamresearch.com/#/app/thevines/page/1eN_QKNwH)。ありがとう、ロブ・シュナッフ。本人たちだけがピンと来ていないことってあるよな。念のために言っとくけど、めちゃくちゃいい曲だ。



The Vines - Country Yard from Highly Evolved (2002)


気が滅入ったり役立たずみたいに感じるのにうんざりしてるんだ
それから全然違う風に話すのも
まぶたを糊付けしてしまうのはさ、きみ、
もしかしたらいい逃げ道かもしれないよ

秘密の庭園には何もないんだ
あるのは青と白のイメージだけ
永遠に正気を失ってしまうのはさ、きみ、
もしかしたらたったひとつのサインかもしれないよ

ひなびた庭を歩いていて
夕闇に捕まったんだ
ぼくたちはあまり遠くまで見渡せなかったけど
ぼくは明日を夢見てたんだ
変化なんて要らないんだよ
持っているものなんて必要じゃないんだ
ひなびた庭に出て行けば
きっと大丈夫だよ

ひなびた庭に降りて行って
夕暮れに捕まったんだ
ぼくらはあまり遠くまで見渡せなかったけど
ぼくは明日を夢見てたんだ
変化なんてべつに要らないよ
持っているものなんて必要じゃないんだ
ひなびた庭に出ていけば
きっと大丈夫だよ






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