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フューチャー・プリミティヴ(ザ・ヴァインズ)

今日は5枚目からタイトル・トラックの「Future Primitive」の和訳を載せる。考えてみたら、今までミュージック・ビデオのある曲を載せてこなかった。たぶん真っ先に「Get Free」とかを載せるべきだったんだろうけど、まあそれはそのうち。

とにかくこの曲がめちゃくちゃ好きなんだけど、同意を得られるかはよくわからない。宅録が得意なバンブルビーズのクリス・コロナをプロデューサーに迎え、今までとは少し毛色の違ったダンサブルなサウンドになっているが、本質的には何も変わっていない。そこがいい。でもとにかく歌詞が好きだ。まずFuture Primitive(未来の原始人)というタイトルから最高だと思う。ヴァインズの時空が曲がっているような世界観が好きだ。それとテクノロジーへの不信感と疎外感が少しずつ重なり合っている。

ちなみに"I'm the new definitive"は国内盤だと「新しい基準」とかって訳されていたと思う。しかし"Highly Evolved"だとかもそうだけど、小中学生がグッときそうな言い回しに感じるし、クレイグも絶対おれと同じくらいの精神年齢に違いないと固く信じているので、誤訳かもしれないがここでは「新たな完全体」と訳した。でもこっちの方が絶対にいいね。

MVはショート・ヴァージョンなのかとおもうくらい短いが、これでフルである。ヴァインズはシンプルだが魅力的なアイディアひとつで、曲をダラダラ引き延ばさずに潔くまとめることが多い。短ければ一分台だし、二、三分の曲が多い。だから何度も聴きたくなる。クレイグは「ぼくはギター・ソロなんかがあんまりできないから、短くなっちゃうんだ」みたいなことも言っているが、技巧に走らずシンプルかつ魅力的な曲をいかに作るかということを彼は子供のころから研ぎ澄ませてきた人だと思う。テクニックに淫しないということってなかなか若いうちからできることではない。そういうところも興味深い。


The Vines - Future Primitive from Future Primitive (2011)


おれは未来の原始人(フューチャー・プリミティヴ)
空から来たんだ
おれは新たな完全体なんだ
理由なんかないけど

探しに来てくれ 見つけに来てくれ
探し出してくれ
独りなんだ
探しに来てくれ 見つけに来てくれ
探し出してくれ
行っちゃう前に

叫びを聴いてくれ
今すぐに

何が起こってるのかわからないんだ
未来はどこに行ってしまったんだろう

おれは未来の原始人(フューチャー・プリミティヴ)
遠い遠い昔から来たんだ
おれは新たな完全体なんだ
誰も知らないけど

探しに来てくれ 見つけに来てくれ
探し出してくれ
独りなんだ
探しに来てくれ 見つけに来てくれ
探し出してくれ
行っちゃう前に





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